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小新井涼のアニメが主食!

秩父で見つけた「ここさけ」青春の味を堪能!

2015年09月18日 11:43配信
秩父で見つけた「ここさけ」青春の味を堪能!

「“かえでのラムネ”おいしかったですー」とうれしそうな小新井さん(編集部)

放送中のアニメを毎週約100本視聴していたら、いつの間にかアニメを勉強する大学院生にまでなっていた小新井涼さんが、アニメを主食に生きていく!? 第4回目のお題は、ずばり映画「心が叫びたがってるんだ。」です!!

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いよいよ映画「心が叫びたがってるんだ。」通称"ここさけ"が、明日9月19日(土)に全国ロードショーとなります。

待ちに待った「あの花」スタッフさんによる新たな青春群像劇です。せっかくなら、舞台でもある秩父の味で堪能できたら、気分も一層盛りあがるのではないでしょうか。

そこで、わたくし小新井が一生懸命探してまいりまして、ぴったりのものを見つけました…その名も“かえでのラムネ”!!

おそらく初めて知ったという方がほとんどだと思いますが、その独特な味の変化はまさに「ここさけ」で描かれる“青春”そのもの!…と言っても、聞いただけではどんな味なのか想像するのは難しいですよね。実際に飲んでみながら、“かえでのラムネ”と一緒に「ここさけ」の見どころを味わってみたいと思います。

といいながらも、最初に目がいくのは、なんといってもその見た目。“かえでのラムネは、ラムネなのに薄いべっ甲色をしているのです。これは何でかというと、秩父に自生するカエデの茶葉を使って作られているからです。なんでも、葉っぱの採取から加工まですべて秩父で行なわれているとか。そんな地元に根付いたところも、「ここさけ」にぴったりですね。

さてまずは、ラムネをクイッとひとくち。最初に口の中に広がるのは、かえで由来のほのかなメープルの風味です。これは、物語で描かれる“青春の二面性”を思い起こさせてくれます。

表面上は、思春期の少年少女たちが、心に秘めた言葉を歌にのせて届ける手作りミュージカル…観ていて思わず羨ましくなるような「青春」という言葉のほんのり甘い響きを感じます。しかし同時に、順の持つトラウマや大樹を取り巻く野球部での人間関係など、大人になれば思い出話にできそうなことも、実際にその時期を過ごす彼女たちにとっては耐え難い苦痛となる「青春」の残酷な一面も描かれています。優しい甘さの中に焦がしたカラメルのようなほろ苦さを持つメープル独特の風味は、そんなただ甘いだけじゃない、苦味を伴う二面性があるのです。

また、作中の“青春くささ”をよく表現しているのは、ラムネの微炭酸による“喉越し”。しゅわしゅわというくすぐったい刺激は、ちょっと身もだえしたくなるようなこそばゆい感覚に似ています。

例えば、歌にすることで気持ちが伝えやすくなることから、言いたいことが言えない順たちが選んだものは、替え歌によるミュージカル。そのため、その楽曲には普段の会話ではさらけ出せないような剥き出しの感情が込められています。それは、まっすぐな言葉となり時には相手を傷つけることも。それでも伝えようとする順や拓実をみていると、そんな青くさささえもラムネのような爽快感に昇華してしまうのですから不思議です。

さらに飲み進めていくと、最初に感じられたメープルの風味がだんだん薄れてゆき、最後はラムネ特有の甘酸っぱさが後味として残ります。これがまた、「ここさけ」のクライマックスに強くリンクする味わいなんです。徐々に舌から消えていく風味は、甘くて苦い青春が永遠には続かないことを示しているかのようです。ミュージカルの終演と共に訪れる、祭りの後の少し寂しい雰囲気を思い出します。

しかし変化した関係性、ぶつけた心の叫びの結末や新しく芽生えた感情など、順たちが青春の中で経験してきたものは、甘酸っぱい思い出となってずっと消えずに残っていくのです。最後に残るラムネの甘酸っぱさは、順たちのその後にまで想いを馳せたくなるような、鑑賞後の後味と重なることでしょう。

そんなことを考えながら味わってみると、“かえでのラムネ”は “飲めば作品を思い出す、作品をみればその味を思い出す”まさに「ここさけ」にぴったりな青春の味だと実感できます。

“かえでのラムネ”を飲み干した後と、作品のカタルシスは、どこか似ています。爽やかな満足感や、最終的に「自分にはそんな青春なかったな…』と少し切なくなってしまうところまでそっくりなのです(笑)。

「こんな青春おくってみたかったー!」と心が叫びたがること間違いなしのこの“かえでのラムネ”、作品鑑賞後に秩父に聖地巡礼に行った際は、ぜひ味わってみてください。

■小新井涼

埼玉県出身。明治大学情報コミュニケーション学部卒。アニメ好きで、現在放送中のアニメ全作品(毎週約100本)を全視聴し感想をブログに掲載中。「岩崎夏海のハックルテレビ」(ニコニコ生放送)などにも出演の他、「埼玉県アニメ聖地化プロジェクト会議」(埼玉県主催)のアドバイザーや、北海道大学オープンアクセス学術誌「国際ウェブジャーナル(IJCT)」の国際アドバイザリー委員も努める。まんたんウェブ(毎日新聞デジタル)にて「小新井涼のアニメ考」コラム連載中。2015年4月より明治大学大学院博士前期課程にてアニメを情報コミュニケーション学の観点から研究中。

■劇場版オリジナルアニメーション「心が叫びたがってるんだ。」

※9月19日(土)全国ロードショー

スタッフ:監督…長井龍雪/脚本…岡田麿里/キャラクターデザイン・総作画監督…田中将賀/音楽…ミト(クラムボン)/演出…吉岡忍/美術監督…中村隆/プロップデザイン…岡真里子/色彩設計…中島和子/撮影・CG監督…森山博幸/編集…西山茂/音響監督…明田川仁/企画・プロデュース…清水博之・岩田幹宏/プロデューサー…斎藤俊輔/アニメーションプロデューサー:賀部匠美/制作:A-1 Pictures

キャスト:成瀬順…水瀬いのり/坂上拓実…内山昂輝/仁藤菜月…雨宮天/田崎大樹…細谷佳正

リンク:公式サイト

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