新作&おすすめアニメのすべてがわかる!「月刊ニュータイプ」公式サイト

rssボタン

言葉で表せない感覚を詰め込んだ―いしづかあつこ監督が登壇した映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」上映イベント オフィシャルレポート!

ムービー 2022年02月11日 18:00配信
「TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ」より(左からいしづかあつこ監督、音楽の藤澤慶昌さん、プロデューサーの田中翔さん)

「TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ」より(左からいしづかあつこ監督、音楽の藤澤慶昌さん、プロデューサーの田中翔さん)

(C)Goodbye,DonGlees Partners

2022年2月10日(木)に東京・TOHOシネマズ 日比谷でスタッフトーク付き上映会「TOHO シネマズ ピックアップ・シネマ」が開催され、18日(金)に全国公開をむかえる映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」と、大人気TVアニメの劇場作品「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」が上映された。

上映終了後は手がけたいしづかあつこ監督、音楽制作を担当した藤澤慶昌、KADOKAWAプロデューサーの田中翔が登壇、ここでしか聞けない裏話で会場に集まった観客を沸かせた。

あいにくの雪模様にも関わらず、劇場に足を運んでくれた観客に対して監督は「この天気だったのでひょっとしたら皆さんとお会いできないかもしれないと思い、もしそうなったら私たちだけでオールナイト上映をやろうと話していました(笑)。今日皆さん帰れなくなってしまったらオールナイト上映して生オーディオコメンタリーをやって朝を迎えるというのもいいかなと思っています(笑)」と呼びかけた。

今回登壇したメンバーで初めて手がけた劇場作品「ノーゲーム・ノーライフ・ゼロ」の制作、公開時の想いを聞かれると「ものすごく忙しかったことだけは覚えていて、いろんな作品がクロスフェードで制作が続いている中、『映画をやるよ!』って決まった時は若干ランナーズハイみたいな状態で動いていた気がします。テレビシリーズが大好きな作品だったので、それをまた違った形でできるのが楽しみではありました。その感覚は覚えてます」と回答。

田中プロデューサーが「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」の裏でTVアニメ「宇宙よりも遠い場所」も動いていたことを明かすと「そうなんですよ! 神々の大戦で星を破壊しておきながら、一方でコンビニでバイトしてる話を書いてるわけですよ。わけ分かんないですよね(笑)。夢でうなされましたもん。コンビニのバックヤードに自分がいて、店長たちが神々なんですよ。その神々が世界大戦の話をし始めるという夢をよく見てました(笑)」と笑いながら当時を振り返った。

TVアニメ「ノーゲーム・ノーライフ」から続けて作品を作り出しているいしづか監督と田中プロデューサーだが、「グッバイ、ドン・グリーズ!」を作るにあたってどのような話し合いがあったのかという質問には、監督が「よりもい(宇宙よりも遠い場所)をやっている頃から雑談レベルで『次も何かやるよね~』という話は出ていて。せっかく(「よりもい」で)女の子の友情を突き詰めて描いたから、今度は男の子でもうちょっと広いものを…というくらいでしたかね」とコメント。

藤澤は「実は男性が出てくるストーリーってあまりやったことがなくて。男っぽさというのを意識したことがなかったのであらためて考えたときに雲をつかむような難しさがあったんですよ。『どうやって掴みにいったらいいんだろう?』というところがあったので、その難しさはよく覚えています」と、『男の子』というキーワードに苦労したと明かした。

監督も「藤澤さんの楽曲ってキャラクターへの共感度が非常に高くて、音色も綺麗なんです。なので、女性や女の子の物語に乗せると非常にマッチする。今回最初にいただいた楽曲の共感度が高すぎたので、男の子だしもうちょっと突き放して、弦を重ねずにギターにするとか。ヴァイオリン、チェロよりもピアノを転がすような、とか。そういったやり取りをした記憶がありますね」と、音楽制作の裏話を明かした。

制作で最も苦労したところを聞かれた田中プロデューサーは「最初に生み出すまでがやっぱり大変でしたね。オリジナルの劇場アニメーションを作るという一番ハードルの高いところに着手したので、最初は風呂敷を広げるやり取りが行われるんです。でも、畳めないものを広げてもしょうがない(笑)。そんな中で監督から『人生を変える瞬間があるといいんじゃないか』という言葉が出てから徐々に走り始めていくことになったので、そこにたどり着くまでが一番大変でした」と、作品のとっかかりが一番の難所だったと回答。

いしづか監督も「オリジナルとなるとどこを踏んでいいか分からない状態で。「よりもい」でとても良い作品ができたから、あれを見て喜んでくれた人にも伝わるものにしたいよねっていうものしかない状態なんです。じゃあ世界線を超えてタイムリープしてみる? とか一度はやりますよね(笑)。でも、これはギミックだけ聞くと面白そうだけどキャラクターが全く生きてこない。だから地味かもしれないけどキャラクターそのものを描く話に振り切ってみてようやく地に足が着いて、時空を超えなくなりました(笑)」とオリジナル作品ならではの苦労を語った。

注目して見てほしいシーンについては、田中プロデューサーが「自分はトトにシンパシーを感じるので、彼が秀才キャラで強がっている時に急に弱みを吐露するシーンが個人的には刺さるシーンです。ちっぽけな自分に気づきながらも、一歩踏み出すきっかけが彼の中でできた瞬間だと思うと、名シーンだと思います」とトトのシーンをチョイス。

藤澤は「あるシーンで屈託のない、淀みのない笑顔を見せるドロップがすごく印象的で。音楽もコマ単位で入るようにしているので、意識して観ていただければと思います」ドロップの表情を挙げ、いしづか監督は「言語化できない複雑な感情だったり、観て感じるものはすごくあるのに言葉で表現できない! という感覚を映画に詰め込んでおきたいなと思ったんです。なので2回目を観に行って1回観たときよりももう一段複雑な感情を掘り下げていただけたら!」と語った。

最後に田中プロデューサーは「見終えた後にもう1回見たくなるお話が展開されています。もう1回見たら3回目を観ると答えが分かるかもしれない。皆さまに愛される作品になればと思っております」、藤澤は「観た人がそれぞれの宝物を手に入れる、もしくは思い出したり、目指そうと思えるきっかけになると思います。ふとくじけそうになった時に、自分の糧にしていけるような作品になっていると思いますので、ぜひ劇場でご鑑賞ください」と挨拶。

いしづか監督は「本日お越しいただいた皆さまにはぜひノベライズ版もご覧いただきたいと思っています。先ほど言語化できない感覚を…とお話しましたが、ノベライズはそれを言語化しているわけじゃないですか。神業です(笑)。一度映画に身をゆだねて、その後に実際に言語化されたものを読んで一度整理する。それを踏まえて、2回目を観た時に見え方が変わるんじゃないかなと思っていますので、そういった楽しみ方をしていただけたら嬉しいです」と、一度では受け止めきれないさまざまな要素を含んだ本作を何度も楽しんでほしいと話し、イベントは終了した。

■TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ
開催日時:2022年2月10日(木)
会場:東京・TOHOシネマズ 日比谷
上映作品:映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」/劇場アニメ「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」
登壇者:いしづかあつこ/藤澤慶昌/田中翔

■映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」
2022年2月18日(金)全国ロードショー

スタッフ:監督・脚本…いしづかあつこ/キャラクターデザイン…吉松孝博/美術監督…岡本綾乃/音楽…藤澤慶昌/音響監督…明田川仁/音響効果…上野励/アニメーション制作…MADHOUSE/主題歌…[Alexandros]「Rock The World」/配給:KADOKAWA
キャスト:花江夏樹/梶裕貴/村瀬歩/花澤香菜/田村淳(ロンドンブーツ1号2号)/指原莉乃

リンク:映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」公式サイト
    公式Twitter・@gb_donglees