TVアニメ「プランダラ」ジェイル役・梅原裕一郎＆ナナ役・伊藤静インタビュー！「ジェイルは幼いナナをキュンとさせちゃう、ヤバいイケメンですね」

300年の時を経て、いよいよアルシアの地で運命と対峙する登場人物たち。Web Newtypeの「プランダラ」リレーインタビューでは、本作の300年の歴史をつむぐジェイルとナナに迫ります。はたしてジェイルとナナを演じた2人は、この壮大な物語にどのようにアプローチしたのでしょう。

――アニメ「プランダラ」がクライマックスを迎えております。ここまでこの作品にかかわってきてどんな印象をお持ちですか。

伊藤　まったりとした雰囲気で始まってから目まぐるしくいろんなことが起こって、今ようやくここまできたなって感じです。各キャラクターたちの想いも複雑に絡まって、どんどん目が離せなくなるというか。

梅原　アフレコ中でも思わず笑ってしまうようなシーンが多く、にぎやかな収録でした。また、物語が進むにつれてシリアスなシーンが増え、演じる側としても感情の振り幅が大きな作品だと思います。

――ジェイルたちは、ナナの力によって300年前の世界へ送られました。300年前の世界をお2人はどんな世界だとお考えになっていましたか。

梅原　残酷な世界だと思います。食糧難や廃棄戦争などは、遠くない未来に起こり得そうなリアリティを感じました。

伊藤　客観的に見ると、絶対あそこには居たくないなーと思いますね。殺伐としていて……。ナナとして見ると、そんなところでも彼女が生きる世界だから、どこか愛おしいなとも思います。

――300年前の世界でジェイルたちは第13特設軍学校に入学し、坂井離人、坂井時風、道安武虎などの生徒たちと出会います。彼らにはどんな印象を抱きましたか？

伊藤　みんな普通の子たちなんですよね。そんな子たちが、生きるために、生かすために訓練をしているのが悲しいです。普通の世界なら楽しい学園生活だったろうに……。道安!!　道安に関してはもう釘付けです!!　見た目、とても気持ち悪いし嫌なやつだけど、根っこはかわいい子なんです。嫌わないであげてー!!（笑）。

梅原　過去編になり、たくさんの新キャラクターが登場しましたが、どの生徒にもちゃんと役割があり、考えられているなと思いました。悲惨な外の世界とは裏腹に年相応に生きている生徒たちに安心しました。その中で道安はかなりイレギュラーな存在で、強く印象に残りました。

――300年前に送られたジェイルをどのように演じようとお考えでしたか。

梅原　過去編からジェイルが話を引っ張っていく役割を担っていたので、より一層覚悟を決めた男として演じました。とはいえ時風と張り合うシーンなどは、少し崩した感じで演じることを心がけました。

伊藤　ジェイルは幼いナナをキュンとさせちゃうヤバいイケメンですね。あんなの好きになっちゃうって!!　なんで達磨を押し付けてきたのかだけが謎ですが（笑）、おおむねステキでした。

――300年前に登場する、幼いナナの印象をお聞かせください。

伊藤　無邪気さを出したいなと思ってました。大人のナナをそのまま小さくしたような。その中にふっと、小さいながら被検体として生きてきた辛さとか哀しみとかが顔を覗かせるといいかなと。

梅原　幼いナナは悲しい境遇にありながら、あどけなく純粋ですが、現代のナナに通じるような押しの強さを感じました。ジェイルとの会話で、ジェイルを手玉に取っているさまはおもしろかったです。

――ジェイルと幼いナナが出会うシーンは、この物語のターニングポイントとなるシーンでもあると思います。2人の関係をどのようにとらえていましたか。

伊藤　先ほども言いましたがやばいイケメンなんです、この人。あの「300年待て」のひと言が、リヒトーとの300年間を支えてきたのかなと思うともう……すごいやつだなジェイル……！　300年ですよ？　想像できます!?　

梅原　300年後に続く約束をするシーンと、ナナの思いを知ったジェイルが、過去を変えることを強く決断するシーンで、ジェイルの人間的な部分が表れていて印象に残っています。ジェイルにとってナナは放ってはおけない存在になっているのだと感じました。

――300年前の世界でジェイルは、育ての親となるアランと対峙します。アランとのシーンの印象をお聞かせください。

梅原　ジェイルにとってアランは目指す場所であり、義父であり、そして立ち向かわなければいけない人物です。なのでアランと対峙するときのジェイルは熱い部分が表れていて、演じていても楽しかったです。

――「過去編」の収録の思い出、現場の雰囲気などをお聞かせください。

梅原　それまで少人数のアフレコでしたので、過去編からたくさんの役者さんたちでにぎやかになりました。どのキャラクターもぴったりで、何の違和感もなく収録が進んだのを覚えています。

伊藤　ジェイルの「300年待て」の一言にとにかくキュンとした記憶！　テストの時、すでにうるっとしてました。あと私は、幼いナナをみんながどんな風に思ってるか気が気じゃなかった……。降板かかってたからね！（笑）

――ナナは、リヒトーが変貌していく300年間をともに過ごしています。ナナにとってはどんな300年だったと思いますか。

伊藤　リヒトーを支えるのは自分だけで、300年後に何かが起こることもわかっていて、そうだとしても、希望を持っては悲しみに変わるの連続……。でもリヒトーを支えるのは……以下ループって感じで。長い長い時間だったと思います。

――過去から現代に戻り、ジェイルはアレクと対決しました。この時空を超えた対決にどんな印象をおもちになりましたか。

梅原　 2人の関係に、義理でありながら本物の親子愛を見ました。ジェイルが感情的になるシーンなので、演じていても高揚しました。普段は見せない、根底に信頼関係が築かれているのが、とても感動的でした。

――そして撃墜王として道安武虎が立ちはだかります。彼の印象と、彼との戦いで印象に残っていることをお聞かせください。

伊藤　道安、かわいすぎて大好きです。もうみんなずっとかわいいかわいい言ってたから、嫌なやつのイメージなくなっちゃった（笑）。根っこに持ってるものがちゃんとしてるので。大好きです！

梅原　道安には彼の正義があり、彼の苦しみがあるのだとわかると、それまでの彼の印象が一変しました。

――最終話まで演じられて、あらためてご自身が演じられたキャラクターにどんな印象をいだいていますか。

伊藤　みんなと出会って、300年間囚われていたものから少しだけ解き放たれたのかなって。よかったなーって思います。

梅原　ジェイルは一貫して「信念」を持っているキャラクターで、ほかのキャラクターたちに比べるとギャグシーンは少なかったように感じますが、彼のどこまでも真っ直ぐな性格におもしろさを感じました。また、いざというときに頼りになるかっこよさも持ち合わせているキャラクターだと思います。

――これからクライマックスを迎える「プランダラ」ですが、視聴者の皆さんにどんなところを楽しみにしていただきたいと思いますか？

伊藤　全部！

梅原　世界の仕組みが明らかになり、ますます熱い展開が続きます。最後まで見た後、改めて第1話から振り返ってみても楽しめるかもしれません。

【取材・文：志田英邦】