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高塚智人が「たらちね」を披露! 「声優落語天狗連 第八回 」開催

2017年02月06日 19:00配信
高塚智人が「たらちね」を披露! 「声優落語天狗連 第八回 」開催

出演者の皆さん。(左から)吉田尚記さん・高塚智人さん・柳家わさびさん・立川志ら乃師匠・サンキュータツオさん

1月28日(土)、「声優落語天狗連 第八回 supported by 昭和元禄落語心中」が東京・浅草の東洋館で開催されました。

テレビアニメ「昭和元禄落語心中」をきっかけに落語に興味を持った人に生の落語を愉しんでもらおうとはじまったイベントも、今回で8回目。テレビアニメ「昭和元禄落語心中 助六再び」編が放送中ということで、会場には多くのアニメファン・落語ファンが詰めかけ、大いに盛り上がったイベントとなりました。

イベントは、本企画の発起人であるニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さんと、学者芸人・サンキュータツオさんによるトークコーナーからスタート。毎回、アニメや落語の非常にディープな話題が飛び出すトークコーナーですが、今回はサンキュータツオさんが「落語心中」のアフレコ現場にお邪魔した時の話題から。

以前から「落語心中」の落語はどのように収録しているのか疑問だったというサンキュータツオさん。先に落語を収録して絵をあわせるか、絵にあわせられるように細かく区切って収録していくのかと思っていたら、なんと現場では山寺宏一さんも石田彰さんもひとりでマイクの前に立ち、絵を見ながら実際に落語を通しでやって収録しているそうです。そんなサンキュータツオさんの言葉に、吉田さんと客席から驚きの声があがります。

しかも、年齢の違い、作中での噺の調子、話す速度の強弱など、どれかひとつでも変わると最初から収録をし直すとのこと。サンキュータツオさんは、細かなリクエストに対してもすぐに調整して演じてしまう山寺さんと石田さんのすごさに衝撃を受けたと語りました。

さらに話題は、収録現場を取り仕切る音響監督であり、声優の辻谷耕史さんのエピソードに。吉田さんは別のイベントで辻谷さんと一緒になり、「落語心中」のBGMとして使われているジャズはすべて辻谷さんがひとりで選び編集していると聞かされ、とても驚いたそうです。そして、「だから聴き物としても素晴らしく格好良い」と絶賛。

音を付けるという作業ひとつにしても、ものすごい才能を持つ人たちが手間暇を惜しまず作り上げる「落語心中」の奥深さに、吉田さんもサンキュータツオさんも感心しきりの様子でした。

トークコーナーはさらに進み、知っていると落語がさらに楽しくなる話題として、「柳家」「三遊亭」「林家」いった一門についての解説や、古典落語の名作を作り上げた三遊亭圓朝について、さらには圓朝師匠の話題から派生して明治時代に起こった言文一致運動に、落語好きだった夏目漱石と正岡子規の友情などなど、落語を軸に多岐にわたる話題が飛び出します。2人から落語にまつわる興味深い話が語られるたび、客席からは感嘆の声があがっていました。

興味深い話題のあとは、若手声優が落語に挑戦するコーナー「声優落語チャレンジ」。今回は高塚智人さんが、前座話の中ではすこし難しいと言われている「たらちね」を披露します。

高塚さんは、中島ヨシキさんが登場した第六回を見て、自分でもやってみたいと自ら志願しての落語チャレンジ。高座の前に上映された練習の模様では、稽古を付けた立川志ら乃師匠から「うまくやろうという気持ちが強すぎる、もっとさらけ出せ」と厳しい言葉が投げかけられていました。

あんたがたどこさの出囃子で登場した高塚さんは、かなり緊張した面持ち。“枕(本編前の導入部分) ”ではハードルを上げにあげた吉田さんとサンキュータツオさんに対して思わず「余計なことを言い過ぎですよ!」と思わず本音が飛び出しましたが、噺に入ると一転。細かい芝居を積み重ね、「たらちね」一番の難所である長台詞の“言い立て”部分も完璧にこなし場内を沸かせます。そして、最後の“さげ”をみごとに決めると、客席から大きな拍手が送られました。

チャレンジ終了後、吉田さんとサンキュータツオさん、そして志ら乃師匠がステージに登場。「完璧じゃん! やったよ!!」というサンキュータツオさんの言葉に、ほっとした様子の高塚さんは「ウケるのって本当にありがたいですね」と返します。

志ら乃師匠は「第一声できちんと声が出て、落語が始まるというのがお客さんにも伝わった。それができなくて最初は苦労したけど、稽古終盤に理解できてからは、もう大丈夫だと思った」と高塚さんを労います。

無事に口演を終えた高塚さん。吉田さんからの「無事に終わってどう? 気持ちよかった?」との質問に「お客さんの反応を直接感じられて、めちゃくちゃ気持ちよかったです」と答えると、場内は大きな拍手に包まれました。

そしてイベントの最後はプロの噺家が「落語心中」作中に登場した噺を口演します。今回は柳家わさびさんによる「死神」。いまは二つ目のわさびさんですが、サンキュータツオさんは「現役の落語家の『死神』では一番好き。追いかける価値のある落語家です」と大絶賛。わさびさんによる何を考えているのかわからない死神の不気味さと面白さが同居する不思議な一席に、客席の全員が魅せられていました。

誰もが落語の魅力に引き込まれたイベントも残念ながら終了の時間。次回の開催が3月に決定したことが吉田さんから発表されると、場内からは大きな拍手がわき起こります。そして、吉田さんから「3月に番組は終わってしまうけれど、それ以降も続けていきたい! 皆さん、どうですか?」との問いかけに、客席はさらに大きな拍手で応えます。声優落語天狗連、そして落語の盛り上がりはまだまだ続きそうです。【取材・文=小川陽平】

■声優落語天狗連 第八回 supported by 昭和元禄落語心中

日程:1月28日(土)

会場:浅草東洋館

MC:サンキュータツオ、吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)

出演:柳家わさび・高塚智人・立川志ら乃(稽古番)

リンク:アニメ「昭和元禄落語心中」公式サイト

   :アニメ公式ツイッターアカウント@rakugoshinju