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架空のアニメは地球と火星を舞台にした群像劇――岡本麻弥の自主企画プロジェクトインタビュー【前編】

2017年04月29日 13:56配信
架空のアニメは地球と火星を舞台にした群像劇――岡本麻弥の自主企画プロジェクトインタビュー【前編】

19年の刻を超えてCDをリリースする岡本麻弥さん

「機動戦士Ζガンダム」のエマ・シーンや「機動戦艦ナデシコ」のハルカ・ミナト、「サイレントメビウス」の彩弧由貴など、多彩なキャラクターを演じてきた声優の岡本麻弥さんが“架空のアニメ”をプロデュースし、その主題歌を歌う自主企画プロジェクト。その主題歌と挿入歌、ショートドラマを収録したCDが、4月30日(日)開催の同人音楽イベント「M3」にて先行頒布されます。

架空のアニメのタイトルは「雷神八系-ZANAM- ファム・ファタール 運命の女」(以下、ファム・ファタール)。主題歌「Rise and Fall」の作詞をRUCCAさん、挿入歌「カゼノオト」の作詞を岡本さん自身が手掛け、両曲の作曲は加藤慶さんが担当。ジャケットイラストは漫画家の麻宮騎亜さんが描いていることでも注目を集めています。

そんな豪華布陣による今回のプロジェクトについて岡本さんにインタビュー。前編では、自主企画に至った経緯や「ファム・ファタール」の内容について聞きました。

――今回のプロジェクトがスタートした経緯を教えてください。

岡本:私のマネージャーであるドラゴンと、ディレクターでありプロデューサーのひとりである謎の人物D、この“ダブルD”が裏で策略を練っていて、ドラゴンからいきなり「CDを出しませんか?」と言われたんです。そして、次に会った時に「僕は90年代のアニメが大好きなので、90年代の架空のアニメの主題歌を歌いませんか?」と。私の性格なら面白がると思ったんでしょうね。それにまんまと乗せられました(笑)。普通に私のCDを出すよりも幅は広がるし、何より楽しいなと思ったんです。

――そして架空のアニメを考えることに。

岡本:そうなんです。「アニメ1本作ってください」と喫茶店で言われて。折り鶴を折ってください、ぐらいの感じだったんですよ(笑)。

――イラストを麻宮騎亜先生が担当しているのもすごいですね。

岡本:最初は、自主企画ですから若手のイラストレーターさんにお願いするものと思っていたんです。そう思っていたら、謎の人物Dさんが麻宮先生に交渉してくださって。麻宮先生はとてもいい方なので快諾してくださり、絵を描いていただけることになりました。「サイレントメビウス」をやらせていただいた麻宮先生とまたタッグを組めるなんて、嬉しいですよね。

――プロジェクトが始まってからは順調にいったのでしょうか?

岡本:そこからが問題だったんですよ(笑)。昨年秋の段階では「CDを作りませんか」「M3で売りましょう」「架空のアニメがいいと思うんです」と言っていただけなのに、年を越したら「(アニメは)どうなりましたか?」って。アニメを作ってと言われても何のノウハウもないですし…。

その後、1月後半にダブルDと麻宮先生と作曲をしていただいた加藤慶さんと初顔合わせをすることになって。これも、誰と会うのか知らされたのは前日ぐらいで、しかもドラゴンが作った企画書はかなり大雑把だったんです。主人公であるカノン・J・草薙の胸の形はどうとか、そんなことにはこだわっていましたけど、胸の形だけでは作曲出できないですからね(笑)。なので、待ち合わせの1時間前に喫茶店に入って書き直しました。そして、いざ打合せの際に物語の方向性をお伝えしたところ、麻宮先生も加藤さんも「面白いね」と言ってくださいました。

――そうやって誕生した架空のアニメ「ファム・ファタール」は、どんな内容なのでしょうか?

岡本:最初にドラゴンが考えた舞台は200〜300年後だったんですが、私にはピンとこなくて。そしたら顔合わせの帰りに麻宮先生とラーメンを食べに行った時、「本当に面白いよ。だけど、(舞台は)現代がいいよ」「地上で戦ったら格好いいよ」とおっしゃってくれたんです。ダブルDが作りたい90年代アニメから外れるのは違うけど、麻宮先生の意見も活かしたいと思って最終的にはどちらも入れる形にしました。

――では、舞台は現代?

岡本:時代は架空の2017年です。でも、ムー大陸やアトランティス大陸が沈まずマヤ文明も続いていたら…という世界線の異なる話になります。この世界では、2017年時点で地球は核戦争や巨大な隕石の衝突などの災害によって大気がなくなっていて、その結果人類は地下に世界を構築しているんです。一方で、それ以前に火星をテラフォーミングして移住した人たちの2つの勢力に分かれていて、その火星が今の2017年の地球と同じような状態なんです。地球は大気のない星。逆に火星は空も海もある青い星で、地球の文明を引き継いでいるため私たちの世界線での2017年とほぼ同じ状態になっています。そこに私が演じるカノンは住んでいるんです。

――かなりしっかりした設定になっているのですね。

岡本:だって、アニメの設定をきちんと作らないと、作曲のお願いや歌詞が書けないですから(笑)。アニメは全52話で最初に地球側の目線で描いていって、その後に火星や第三勢力の目線になっていけば面白く感じてもらえるのかなと思っています。地球側には地球側の、火星側には火星側の戦う理由を描けたらなと。地球には8人の「雷神」がいて、それが「風神」と出会うことで運命が成就するんです。タイトルの「運命の女」はそこから来ています。

――話を聞いていると、さらにいろいろな設定や秘密がありそうです。

岡本:そうですね。カノンの名前の「草薙」にも「J」にも意味があるし、「-ZANAM-」という表記にも仕掛けがあります。あと、大気がないところでは風が起こらないじゃないですか。なので、カノン自身が風になるという意味合いで歌詞に「風になれ」と入れているんです。雷神たちのキャラクター設定や呼び方も決めていますし、シーンも思い浮かべています。雷神の中にはカノンの親友のような人もいれば恋愛候補もいますから。

――ちなみに、アニメ化された時のキャストは決めているのですか?

岡本:イメージとしてはあります。本当なら全員90年代に活躍した方をキャスティングしたいですが、大人の事情などもあり、どこまで私の意見が反映されるのか今はまだ(笑)。話数も理想は52本ですが、もし「1クール13本だけだけど、アニメを作らない?」って言ってくれるところがあれば、それも大歓迎です。そういう妄想バージョンと現実的な考えの両方あります。若い声優もいい子がいっぱいいますから。「Zガンダム」で富野由悠季監督が17歳の私を24歳のエマさん役に抜擢してくれたように、作品が声優を育てていけたら素敵ですよね。その代わり、ゲストキャラには当時の方をキャスティングできるといいですね。【取材・文=千葉研一】

■取材協力

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