坂本浩一×NINJA!? 舞台「NINJA ZONE」上演直前インタビュー

2018年08月31日 18:40配信

舞台「NINJA ZONE」原案・総監督、坂本浩一さん

(C)NINJA ZONE製作委員会

アメリカで「パワーレンジャー」シリーズを成功に導き、日本でも「ウルトラマン」「仮面ライダー」「スーパー戦隊」「メタルヒーロー」と特撮グランドスラムを達成した、スタントマン出身の映画監督・坂本浩一さん。そんな特撮&アクション界のトップランナーが、今度は舞台を手がけるという。その名も「NINJA ZONE ~RISE OF THE KUNOICHI WARRIOR~」! 果たしていかなる作品なのか――!?

――今回、坂本さんは原案・総監督とクレジットされていますが、具体的にはどういったことを?

坂本:作品のコンセプトと世界観を決めて、プロットを書いたり、参考資料となる写真や映画などを集めて、演出家や衣装デザイナーの方に登場キャラクターの特徴やルックのイメージを伝えていきました。作曲家さんとダンスの振り付けの方と音楽やダンスのイメージを共有したり……いろいろやっています(笑)。そこからは各自分担しての作業となるので、定期的に全体を見ている感じですね。ちなみにアクションには、BOS Action Unityに入ってもらっています。僕の作品だと「宇宙刑事 NEXT GENERATION」や「スペース・スクワッド」シリーズを手伝ってくれているメンバーで、特に社長の岩上(弘数)は、パワーレンジャー時代からいっしょにやっている仲間のひとりなんですよ。今回は、彼のチームにアクションコーディネートを任せまして、僕がスーパーバイズしながら舞台用の立ち回りをつくっていきました。

――ところで、どうして「忍者」だったんですか?

坂本:まずオリンピックに向けて、ちょうど日本が注目されているところなので、海外のお客様にウケがいい忍者モノを盛り上げていこうという動きが各方面であると思います。海外の方が思い描く忍者像は、われわれのそれとは大きく違っていて、ヤクザと混じってたり、妙にカラフルだったり、荒唐無稽な技を使ったりするわけですけど、今回の作品に登場する「NINJA」たちも、いわゆる伝統的な忍者とはまったく違う感じなんです。まぁ、本来の忍者は諜報部員……スパイみたいなものだから、あえて交戦したりはしないんですよね。でも「ミッション:インポッシブル」シリーズのトム・クルーズだって、もはやスパイとは思えないくらい派手なアクションをしているじゃないですか(笑)。とにかく敷居を下げて、いろんな人が構えることなく楽しんでもらえる舞台にしたいなと。「忍者」じゃなくて「NINJA」です。たとえるならば、歌舞伎町のロボットレストランのようなノリで楽しめる「NINJA」ですね(笑)。

――なるほど。ストーリーについても教えてもらえますか?

坂本:架空の世界が舞台なんですが、徳川家康から秀忠、家光に移るまでのお家騒動をモチーフにしています。いろんな小説や映画で語られていて、皆さんご存じですから。で、徳川幕府を“徳川組”というヤクザに置き換えまして、彼らは服部半蔵率いる伊賀の“YAKUZA忍”とともに“華舞綺TOWN”を仕切っているんです。そして主人公は、華舞綺TOWNで人々に一時の安らぎを与えている踊り子たちで、その正体は甲賀のKUNOICHI! せっかくKADOKAWAさんと組むので、山田風太郎さんの「甲賀忍法帖」とか「くノ一忍法帖」の感覚も取り入れつつ(笑)、伊賀のイケメン忍者軍団と甲賀の美少女くノ一軍団の戦いを描いていきます。

――メチャクチャわかりやすい!(笑) たとえ日本語を知らないお客さんでも、きちんと話の流れが理解できそうですね。

坂本:アメリカのB級映画じゃないけど、誰でも気軽に観られるものにしたいんですよ。だから衣裳にしたって、甲賀は黒ベース、伊賀は白ベースと色分けして、とことん記号的でわかりやすいことを突きつめてみました。

――ちょっと洋風というか、いかにもな時代劇衣裳でもないですよね。

坂本:ええ。男子も女子も韓流アイドルのようなカッコよさとセクシーさをめざしました(笑)。今は2.5次元の舞台やミュージカルが流行っていて、それこそイケメン剣士が出てくる時代劇調の舞台はたくさんあるじゃないですか。そこで同じように着物を着て、カツラをつけて、刀を振り回して……ってなると、どうしてもイメージが被ってしまいます。しかも、それらの舞台には有名な原作があって、幅広いファン層をもっているわけです。その点、オリジナル企画の僕らの舞台はネームバリューに劣る部分があるので、とりあえず皆さんの興味を惹くところから始めなきゃいけない。だからこそコンセプトやビジュアルの新しさ、わかりやすさでアピールしていきたいなと。そういう意味では、対抗馬がいっぱいあって大変なところがあるのですが、逆にいえば、舞台というジャンルが特別なものではなくなり、いろいろな人が楽しめる時代だと思うので、さらにハードルを下げて大勢の人に楽しんでもらいたいと思ってるんです。

――いわゆる忍術にも独自のアレンジが入ってるんですか?

坂本:人間って、潜在能力の一部しか使えない状態で生活しているといわれてますよね。で、それよりも先にタップすると、ものすごい力を発揮できる。いわゆる「火事場の馬鹿力」というヤツで、トップアスリートも“ゾーンに入る”なんて言い方をしますけど、本作におけるNINJAたちは、忍術を学ぶことで常人には踏み入れられないZONEにアクセスすることができるという設定なんです。

――それがNINJA ZONE!

坂本:そういうことなんです! 映画「コヨーテ・アグリー」のような雰囲気で、ふだんはバーレスクダンサーとして活動しているKUNOICHIだけど、彼女らは踊りながら、実は忍術と格闘術の修行をしているんです。腕を縛られた囚人たちが、看守の目を逃れるためにダンスと偽ってカポエラを生み出したように。歌と踊りを交えたアクションで、お客様を巻き込みながら盛り上がれないかなと思っているんですよ。観客参加型というほどではないけど、客席と舞台の距離感が近い作品にしていきたい。もちろん、今回の一発だけで皆さんに知れわたるということは難しいかもしれません。でも、ここからうまく次につなげていき、劇場で常備公演したり、あるいはアニメ、漫画、ドラマ、映画などのメディア展開にまで広がっていけるような忍者コンテンツに育っていくとうれしいですね。

【取材・文/ガイガン山崎】

■舞台「NINJA ZONE」

公演スケジュール:9月5日(水)~9月9日(日) 

公演会場    :六行会ホール

リンク:舞台「NINJA ZONE」公式サイト

    公式Twitter・@tambourinestage

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