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「異世界かるてっと」インタビュー連載【第2回 前編】芦名みのる×カルロ・ゼン「セリフに一番気を付けたのは『幼女戦記』だと思います」

2019年04月03日 18:00配信
「異世界かるてっと」インタビュー連載【第2回 前編】芦名みのる×カルロ・ゼン「セリフに一番気を付けたのは『幼女戦記』だと思います」

TVアニメ「異世界かるてっと」は4月9日より放送開始

(C)異世界かるてっと/KADOKAWA 

「幼女戦記」、「オーバーロード」、「この素晴らしい世界に祝福を!」、「Re:ゼロから始める異世界生活」という異世界系ライトノベル4作品のキャラクターがぷちキャラになって一堂に会し、大暴れするTVアニメ「異世界かるてっと」。4月からの放送開始にあたり、同作の芦名みのる監督が4作品の原作者たちと対談するインタビュー連載企画。第2弾は、「幼女戦記」の原作者カルロ・ゼンさんとの対談の前編をお届けします。

芦名:「劇場版 幼女戦記」観ましたよ! すばらしいデキでしたね!

カルロ:ありがとうございます。僕は赤字になってしまわないだろうか、みんな観にきてくれるだろうかとブルブルしていますが……。

芦名:いや。あのデキなら観た方がいいですよ。ところで、今回の劇場版。いつもにまして登場する女性キャラ全員ネジが飛んでませんでした?(笑)

カルロ:いえいえ、1人まともなのもいますよ。

芦名:まぁ、ヴィーシャはね(笑)。せっかくですので、劇場版の話もうかがえますか。

カルロ:まず、劇場版制作にあたって僕が一番悩んだのは、どこに焦点を当てた話にしようかというものでした。戦争というものはドラマを作るためにしているわけではないので、ただ戦争を描くと最初はここで戦いがありました、次はここで戦いが……と、ダラダラしてしまいがちなんです。

芦名:なるほど。

カルロ:さらに、もし今後TVアニメの第2期を制作していただけることになったときに「第2期のお話は、劇場版を見ていないとよく分かりません」というものにはしたくありませんでしたし、劇場版そのものを「第1期を見た人しか楽しめない」ものにもしたくなかった。TVアニメでは軽く済ませたライン戦線の話を深掘りしようか、いっそのこと砂漠を舞台に延々砂漠での戦いを描こうかとかいろいろ案は挙がったのですが、戦いではなく人を中心にしないと物語としての盛り上がりには欠けるだろうという結論になって、ターニャとアンソンの娘であるメアリー・スーの戦いを描くことにしました。

芦名:アンソンといいメアリーといい、スー一家はとことんひどい目に遭いますね。

カルロ:でも、戦争ってそういうものじゃないですか?

――「異世界かるてっと」のお話を初めて聞いたときのことは覚えていますか?

カルロ:初めて聞いたのはいつだったかな……おそらく、劇場版の本読みをしていた時期だったように思います。丸山先生、長月先生、暁先生とのクロスオーバー作品をやっていいですかとふんわり言われ、詳細がよく分からないなかでふんわりオーケーしたように思います(笑)。

――その後、「異世界かるてっと」にはどのように関わられているのでしょう。

カルロ:もちろん脚本はチェックさせていただいていますよ。ただ、他の先生方と顔を合わせるわけでもなく、それぞれ個別に芦名監督にチェックを戻す感じになっていると思いますので、みんな好き勝手言うだろうな、芦名監督は大変だろうなとは思っていました(笑)。

芦名:カルロ先生とはミニアニメの「ようじょしぇんき」でもご一緒させていただいているので、僕の意図を伝えやすいし、先生のおっしゃる意図も汲みやすくて助かります。ただ、カルロ先生は興味が広く知識が膨大なので、会話中に難しい単語がポンポン出てくるんですよ。だから「異世界かるてっと」では「幼女戦記」のキャラを描くのが一番難しいかもしれません。今まで生きてきて、先生からはじめて聞いた言葉とかありますもん。で、しかも世界がミリタリーって。もうね、大変(笑)。ミリタリーの知識に造詣が深くなくて……。

カルロ:よし、それではまず映画「フューリー」と「マスター・アンド・コマンダー」を観るところから始めましょうか!

芦名:こりゃ長そうだ(笑)。

――脚本は4人の先生方にチェックしていただいているという話ですが、やはりすべてのチェックを反映されるのは大変ですか?

芦名:そうですね。メインキャラクターが20人近くいますし、さらにクロスオーバーものということで4作品すべてを知らない方でも好きな作品をきっかけに見てくれるでしょうから、一部のセリフを分かりやすくしているんですよ。「幼女戦記」のターニャで例えれば、本編であれば「存在Xを~」と言えば済むセリフを「神を自称する存在Xを~」みたいな感じで敢えて言ったりしています。そこに、さらに先生方のチェックの戻しを反映させていくわけです。なかでもカルロ先生の戻しは、セリフがさらに長尺になってしまうことが多くて(笑)。

カルロ:途中で「できれば文字量はあまり変えずに……」というオーダーをいただいて、「悪いことをしてしまったかな」と反省しました(笑)。

芦名:4作品の中で、セリフに一番気を付けたのは「幼女戦記」だと思います。セリフ以外の設定まわりでも、カルロ先生は「基本的には自由になさってください」とおっしゃってくださるのですが、「幼女戦記」って世界観や設定とか安直なエンターテイメントにできる場所はあまりないんですよ。それだけ緻密に組みあげられている。

カルロ:書いている本人の認識としてはガバガバで、自分の物語をいかようにでも膨らませられる最高の土台だと思っているのですが、以前丸山先生にも「前提となる条件が多すぎて、二次創作がしづらい作品だと思います」と言われたことがあります。僕にとってはきれいにすっきりまとまっているのですが、人から見たら、絡み合ったスパゲティコード(編注:実行順序や構造が複雑に入り組んでいて、整理されていないプログラム)のようなものなのかも……。

【取材・文:蚩尤】

「異世界かるてっと」

放送:TOKYO MX 4月9日より毎週火曜0:30~

   テレビ愛知 4月11日より毎週木曜26:05~

   MBS 4月9日より毎週火曜27:00~

   BS11 4月10日より毎週水曜24:00~

   AT-X 4月10日より毎週水曜21:30~ ※リピート放送あり

配信:AbemaTVにて4月9日(火)24:00~特別先行配信開始

スタッフ:原作…丸山くがね『オーバーロード』、暁なつめ『この素晴らしい世界に祝福を!』、長月達平『Re:ゼロから始める異世界生活』、カルロ・ゼン『幼女戦記』/原作イラストレーター:so-bin『オーバーロード』、三嶋くろね『この素晴らしい世界に祝福を!』、大塚真一郎『Re:ゼロから始める異世界生活』、篠月しのぶ『幼女戦記』/監督・脚本:芦名みのる/キャラクターデザイン・総作画監督:たけはらみのる/美術監督・美術設定:戸杉奈津子/撮影監督:大久保潤一/音響監督:明田川仁/音響制作:マジックカプセル/音楽:川田瑠夏/音楽制作:KADOKAWA/アニメーション制作:スタジオぷYUKAI/製作:KADOKAWA

リンク:アニメ「異世界かるてっと」公式サイト

    公式Twitter・@isekai_quartet