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新感覚映画「ヒカリ」とは? 出演者&監督コメント紹介

2011年11月08日 23:00配信

 現在公開中の映画「ヒカリ」。映画館の客席でヘッドフォンをつけながら、鑑賞する新しいスタイルの映画だ。収録にはダミーヘッドマイクと呼ばれる人間の頭部を模したマイクで収録が行なわれ、実際にヘッドフォンから立体的に音が聞こえ出す、新感覚の映画だ。また、画面には、主人公の心情や、景色など情景を補完する映像が流れ、聴覚視覚で感じる映画は、いったいどのような方法で収録されたのか。
 作品に出演した神谷浩史、小野大輔、野島健児、岡本信彦が監督の岩浪美和とともに参加した、マスコミ試写会のもようを紹介する。


――収録時の思い出などがありましたら教えてください。

神谷浩史(以下、神谷)「最初にこの企画を聞いたときは、まったく意味がわからず『何を言っているんだろうなあ』と思いましたが(笑)、今日はじめて完成形を見て、やっと納得しました。最初にびっくりする企画書が来まして、その企画書には“監督:イケメンX”となっていますし(笑)。この新しい試みに参加できてうれしく思ってます」

小野大輔(以下、小野)「最初にこの企画を聞いたとき『なんでかな?』と思いました(笑)。オーディオドラマって一人で聴くものだと思っていたので、劇場で、でもヘッドフォンをしてひとりで聞くという……『なんでなんだろう』とずっと思っていたんですが、今日ここで体験してみて“劇場でやる”ということに意味があるものなんだな、と腑に落ちましたし、発見がありました。新しいやり方、新しい表現方法。目から鱗が落ちた思いです」

野島健児(以下、野島)「この流れは最初はわけがわからないって言った方がいいですかね(笑)。初めて企画書をいただいたときは『どこまで監督は“音オタク” なんだろう』と思いました(笑)。ダミーヘッドマイクで作品を作って劇場でやろうとは、なかなか思い浮かばないと思います。でも収録をした ら『なるほど』これは劇場でなくちゃ実現できないものなんだなと思いました」

岡本信彦(以下、岡本)「最初にお話をいただいたとき『なるほど!』と思ったのですが、実はよくわかってなかったんです(笑)。新しいものに参加できる楽しみとかうれしさのほうが強くて。台本はドラマCDと似た感じで、とにかく自分でできることをやろうと思いました。僕も初めて見て、想像よりもはるかにすごくてびっくりしてます」


――監督におうかがいしますが、こういったヘッドフォンで聞く映画という試みをしようとおもったきっかけを教えてください。

岩浪美和(以下、岩浪)「正気の沙汰じゃないみたいなコメントのあとで言いにくいですね(笑)。ふだん音の仕事をしていますが、むかしから“音”が好きだったんですよね。あと映画も好きで。20年位前から『音の映画を作りたい』というのがひとつの夢 だったんですよ。ちょうど伊平さん(「ヒカリ」プロデューサー。企画のきっかけとなったTV番組「SAY!YOU!SAY!ME!」のプロデューサーでもある)と話してて何かできないか、という話になったんですよ。じゃあ『音の映画』はできないか、という話になったんです。まさかやるとは思いませんでしたが(笑)。で、この映画をやることになりまして。そこから10か月ほどですが、すばらしい役者さんに支えられて、いい作品ができました。大勢の皆さんに楽しんでいただけたらと思ってます」


と、ここで、当日来場できなかった医師役の森川智之からメッセージが。監督からの要望で小野大輔が読みあげることに。

森川智之(小野大輔代弁)
「ヒカリ、完成試写会に本日は都合がつかずどうしてもそちらに行くことができません。申し訳ありません。難しいことは言いません。まずは新しい試みのドラマを 全身で体感してください。あ~私も一緒に感じたい。あ~感じたいんです。うお~その場にいたいんです。失礼致しました。以上医師役の森川でした。」


――ありがとうございました(笑)。実際に試写でヘッドフォンをつけた感想を頂けますでしょうか。

神谷「ダミーヘッドマイクを使った収録は既に経験したことはあって、音としてはどういうふうに完成するのかとわかっていたつもりだったのですが、劇場に入ったらスクリーンがあって映像演出があって、ダミーヘッドを活かした音響だと、こんな作品に仕上がるんだと、思いました。新しい映像表現だと思いまし た」
小野「僕もダミーヘッドマイクの収録はやったことがあるんですが、役者の側からと監督の側からの両方のアプローチで、物語となる空間を一緒に作っていくことが出来たので、面白い、やりがいがある作品でした。実際に聴いてみると、自分がその空間にいるという感覚になれるのが斬新であり新鮮であり、驚きでしたね。役者としてやりがいのある作品でした」

野島「収録時は手探りの連続でした。どれくらいの距離感を聞いている人は感じるのかをつかめなかったのですが、実際聞いてみるととても繊細に収録しているんだなという印象を受けました。普通に収録していると台本に顔が移動しても問題がなかったりするのですが、ダミーヘッドマイクは『あ、今台本の方を向いたな』と自分だけが気づく箇所があったり(笑)。もっと自由に動いて収録するのもおもしろいかもしれません。」

岡本「収録時にたまたま鈴をつけていて、それを作中に使うことになりまして。ああそんなに刹那的にと思ったんですが(笑)、同じく当日の服装なども活用したりしました。鈴がどれくらいなのかと今回聞いてみたのですが、ダミーヘッドマイクってここまで空間的な聞こえ方ができるんだと本当にびっくりしました。声のパワーに圧倒されました」


――皆さんの感想を聞いてみて監督いかがでしょうか? 

岩浪「それぞれ5人がふだん演じているような役柄にかぶるというか、投影できるというか。収録のあと
小野君も『僕こういう役多いんですよね』と言っていました」


――演じられたキャラクターの印象的だったことを教えてください。

神谷「非常に難しい役柄を任せていだきまして二役やらせて頂きました。声が同じなんですけど、違うキャラクターを演じて、ともに非常に『若いな』という印象 ですね。それ以上でもそれ以下でもない。もうちょっと主人公の女性に気遣った場面があれば、納得いく部分があったと思うのですが。若さゆえのことばの棘みたいなものがあって、監督に『このままだときらわれちゃいますよ(笑)』といったら、監督は『主人公を思ってゆえの行動だと思ってください。アプローチ が違うだけで悪意があってやっているわけじゃない。ということでひとつよろしくお願い致します』と言われました(笑)。でも作品を見て、音楽だったり主人 公の心情とかいろんな要素が画面に現われて、嫌な奴じゃなく見えていて、胸を撫で下ろしているところです」

小野「司は、神谷さんの役とは 逆に“いいやつ”です。すごく“いいやつ”です(笑)。でもだからこそ誰に対しても距離がある。その位置が彼のアイデンティティを出せるところなんですよね。そこがむずがゆくもあり、あまずっぱくもあり、(司は)やってて『若いな』 と思いました(笑)」

野島「修二は、とても軽いノリでわいわいやるのが好きという感じなのですが、実際は周りをよく見るバランサーですね。根本的には優しい人も多いけれど、気を遣えない若いやつばかりなので(笑)。。
修二君も優しいところがあるゆえに、自分が前にでてしゃべるけど、自分自身というのは後ろにいたりして周りを支えている……僕にそっくりですね(笑)」

岡本「修二先輩も気を遣ってくださったのですが、僕が演じた浩太もいろんな人の表情を見ながら生活をしているんじゃないかな、と思いました。明るいんですけど、周りを気にしつつ、場を自分なりに盛り上げようとしたりとか、彼なりに考えているような、きっと優しい子なんじゃないかなと思いました。甘いものが好きというところが自分にリンクしていてびっくりです。活発で明るくて鈴が似合う子だと思います(笑)」


――最後にキャストの皆さんからひとことずつお願いします。

岡本「来て見て体感していただきたい作品です。心にくるパワーを体感してほしい。僕が今日感じたことを知っていただきたいです」

野島「ダミーヘッドマイクとか難しいことばがいっぱい出てきましたが、こんなにことばで説明するのが難しい作品はないです。あえて言うならば、左後方からの 声が背骨に響いて、骨盤とか尾てい骨とかいろんなところに刺激を感じました。みなさんはどんなところに刺激を感じるのか、考えながら見ていただければと思 います」

小野「僕も音響関連のことを学校で学んでいたんですが、『ヒカリ』は音に携わる人にとって夢のような作品なんじゃないかと、実際に体感してみて思いました。言葉では伝わりづらい作品なので、とにかく実際劇場に足を運んでいただければと思います。ぜひ体感していただいて、オーディオドラマの広がりを夢見ていただければうれしいです」

神谷「ダミーヘッドマイクを使った収録とか、そのほかの技術含めて、既存のもので結構アナログなんですよね。本来そういうのは収録が面倒なんですけれども、非常にスムーズな収録をしました。空間作りができあがっているスムーズな現場でした。実際は無茶な姿勢で収録することになるんですが(笑)。映像演出含めて組み合わせたときにまったく新しいものに見えるのはすばらしいと思います。『次はこういうことやりたい』という監督の話を聞いて『それはぜひ僕も混ぜてほしい』と思いました。第一弾であるところの『ヒカリ』、新しい試みを劇場で体感していただきたいです」



映画「ヒカリ」

【あらすじ】
突然の事故で恋人を失い、ショックで一時的に視力を失った女子高専生あおい。暗闇の世界に閉じこもる少女の耳に届く、医師の励まし、同級生たちの温かい声、そして失なった恋人とそっくりな声を持つ青年との出会い……。あおいは、視力を取り戻すことができるのか、それとも――。

【CAST】
先輩/武藤啓介:神谷浩史
司:小野大輔
修二:野島健児
浩太:岡本信彦
医師:森川智之

【STAFF】
監督:岩浪美和
企画:伊平崇耶、阿部祥三、財前健一郎、中村直樹、納谷僚介
プロデューサー:住田陽一、鈴木勇人、大貫一雄、山崎明日香、白川大樹、竹川洋志、瀬崎琢己
アシスタントプロデューサー:志治雄一郎
原作:Project HIKARI
脚本:最合のぼる
音楽:市川淳
音楽ディレクター:岩崎充穂(Miracle Bus)
協力プロデューサー:山口晋(ノックオンウッド)、村山哲也
録音調整:山口貴之
録音助手:田中直也、宮林良太
音響効果:小山恭正
撮影:アーモン渡辺
特機オペレーター:立石久弥
特機アシスタント:古市雅之
オフライン編集:吉田悦子(QuadRoot)
オンライン編集:本間研次(Lab.751)、藤森康平、阿部元彦
制作:相馬千春(ノックオンウッド)
技術協力:Sony PCL
製作協力:「SAY!YOU!SAY!ME!」製作委員会
製作:「ヒカリ」製作委員会(日活、テレビ愛知、デイライト、AT-X、マウスプロモーション、タカラトミーエンタメディア、Sony PCL、08)
制作プロダクション:スタジオマウス


「ヒカリ」公式サイト
http://project-hikari.net/
(携帯サイトですが、PCでも閲覧可能です)
声優バラエティー「SAY!YOU!SAY!ME!」公式サイト
http://sayyousayme.jp/





会場ではカナル式ヘッドフォンをして、鑑賞するスタイルとなる。写真は、「ヒカリ」監督:岩浪美和。(※写真は試写用ヘッドフォンですので実物とは異なります。)


シネ・リーブル池袋(東京)、センチュリーシネマ(名古屋)にて公開中
シネ・リーブル梅田(大阪)11月26日(土)より公開決定

©声優バラエティー「SAY!YOU!SAY!ME!」製作委員会
©Project HIKARI/ヒカリ製作委員会