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「マチ★アソビ Vol.13」開催を間近に控えてufotable代表・近藤光 特別インタビュー!

2014年09月24日 15:19配信

「マチ★アソビ」は、徳島県徳島市で開催されているイベントである。「劇場版 空の境界」や「Fate/Zero」「Fate/stay night」などハイクオリティーのアニメーション作品をつくり続けている制作会社「ufotable」がプロデュースするこのイベントは、2009年10月にvol.1(第1回)が開催され、今年(2014年)の10月で13回目の開催を迎える。
 
アニメやコミック、ラノベなどの物語の舞台となった現実の場所を訪れる聖地巡礼がブームとなり、作品やキャラクターを使った「町おこし」がいまだ注目を集めているが、「マチ★アソビ」はそのようなブームの最初期に始まったイベントのひとつであり、特定の作品やイベントに結びついていないという特異なイベントでもある。始まった頃は認知度もそれほど高くなかったが、5年目を迎えた今では、多くのアニメ・ゲームファンに知られることとなった。なぜ「マチ★アソビ」がここまで育ってきたのか、その歩みとこれからについて、産みの親であるufotableの近藤光代表に話を聞いた。
 
 


 
――2014年の秋で13回目を迎える「マチ★アソビ」の歩みを振り返りつつ、今後はどんなことをしていきたいかをお伺いできればと思います。「マチ★アソビ」は、ほかの自治体がやっている聖地巡礼のような町おこしイベントの盛り上がりとは性格が違うと思うんです。2009年のvol.1が来場者1万2000人で、2014年5月のvol.12が7万人。ファンに認知されていて、県外からもお客さんがたくさん来る。市や県にとっては、地元が潤う町おこしのありがたいイベントだと思うんです。今では徳島に根付いたイベントですが、特定の作品に結びついているわけではない。場所やタイトルに関係なく盛り上がっているイベントですよね。極端なことを言えば、徳島以外でもできるイベントだと思うんです。なぜ徳島だったのか、そしてなぜうまくいっているのか、近藤さんの見解を教えていただければと思います。
 
近藤:2009年4月にufotable徳島スタジオを開設する1年くらい前、東京都外にもスタジオを作ろうと動き始めました。僕らは普段目でみたものや接したものが画面に現れます。だから、違った環境、できればいい環境でアニメをつくりたいという気持ちがあったんです。最初は、沖縄にスタジオをつくろう!と。オーシャンビューのスタジオで、朝、海岸で散歩してから仕事とかしたら、もっと快活なアニメがつくれるんじゃないかと(笑)。いざ調べてみると、沖縄だと宅配便が翌日に届かないという……。制作スタジオとしては条件が合わなかった。
 
――近藤さんは徳島県出身ですよね。それでスタジオは徳島に決めたんじゃないかと思っていたんですが。
 
近藤:ある程度地の利はわかっているからということはあったと思います。でも、上京してから20年間で数回しか帰っていなかったので、現在の徳島の状況はほぼわかってなかった。沖縄がダメというのがわかって、なんとなく徳島のホームページをみてみたら、案の定というか企業誘致を行っていて、とりあえず連絡したのが始まりです。そしたら、誘致課の方がすぐやってきてくれて。徳島に行く口実もつくってくれてね、ちょっとした講演をやるはめになりました(笑)。この人との出会いも大きかったんだと思います。今も「マチ★アソビ」を支えてくれているメンバーのひとりです。それで徳島に戻ってみてみると、昔に比べると結構変わっていた。ネガディブなことを言うと、僕がいた頃(1970年代から‘80年代)には10館以上あった映画館は激減というかなくなっていて、学生時代に通っていたレコード屋もなくなっていた。昔は賑わっていた町もガラガラになっていたんです。でも、いい事もありました。川が綺麗になっていて、景観がよくなっていた。環境はよかったので、東京のスタッフに雑音の少ない環境に身をおいて、向こうで人を育てるところから始めてみたいと相談して、スタジオを開設することになったんです。
 
――その後、阿波おどりのPRポスターをufotableが制作しますね。
 
近藤:そうですね。徳島市の観光協会の方が阿波おどりを盛り上げたい、と言われてて、アニメのポスターを提案したら全部任せてくれたんです。修正を指摘されたのは笠の角度くらいで(笑)。
 
――阿波おどりは徳島のシンボルだし伝統もあります。それを観光協会の方が任せてくれたというのは大きいですね。役所からは「アニメなんか…」と思われてもおかしくないですよね?
 
近藤:本当に。阿波おどりのポスターは反応が良かったので、その後、観光協会から毎年開催している「眉山山頂秋フェスタ」というイベントに協力してくれないかと打診されたんです。当時は縁日が出たり、阿波踊りしたりというイベントだったのですが、「近藤くんと組んだら新しいことができるかも」と言われて、それがスタートですね。
もともとこちらもイベントをはじめることは考えていたので、「眉山山頂秋フェスタ×マチ★アソビ」というかたちでやろうと提案しました。2009年8月にやろうと決定して、阿波踊りが終わったあとの2カ月で形にして、その年の10月に開催となりました。
 
――恐ろしく短い期間の立ち上げですね。
 
近藤:今なら怖くてできないかもですね(苦笑)。イベントをやろうと思っていたと言いましたが、徳島でいい出会いに恵まれて、その人たちから頼まれたことがきっかけです。この年齢になると、直接仕事に関係ない友達が増えていくことってあまりないじゃないですか。でも徳島に来て友達が増えまして、その方たちから、何かやりたいとよく言われていて、僕ができることであれば、という具合でイベントをやろう、というように考えが広がっていきました。
 
――最初のvol.1から今の規模を考えられていたのですか。
 
近藤:とんでもありません。徳島市観光協会に声をかけられる以前は、もっと小さなコミュニティをつくることからはじめようと思っていました。ところが、観光協会ですからね、ハードルがあがって、やらざるをえなくなったのも正直あります。やる以上、ここ徳島でしかできないことをやらないと意味がない。ひとりで街を駅前から歩きながら考えて、そこで思いついたのがロープウェイのガイダンスでした。まず、イベント会場となる眉山の山頂までお客さんに来てもらわないとならないので。
 
――ただの移動の手段のロープウェイに乗ることが、すでにイベントになっていますよね。
 
近藤:最初から考えていたのは、「マチ★アソビ」のイベント自体を目的としたお客さんが来てくれるようにならないといけない、ということでした。有名な人に1回だけ来てもらって、その時は大盛況でも将来的に「マチ★アソビ」そのものに来てくれるお客さんを獲得しないと意味がないんです。だったら、お金を出してゲストをたくさん呼ぶことよりも「マチ★アソビ」の何を楽しんでもらえるかということを考えよう、と。
イベントの名称も、タイトル案の大半は「アニメなんとか」というものだったのですが、「マチ★アソビ」で行こうと決めました。これは、アニメで町おこしと簡単に語られるご時世ですが、僕がたまたまアニメでイベントをやるけれども、それは僕がアニメしかできないからであって、そうじゃないものでもいいんですよ、ということを当時から周囲に話していた名残でもあります。まぁ、今でこそ「マチ★アソビ」という名前は定着しましたが、始めたころは何のイベントかわからないとよく言われたものです。
 
――1回目の眉山のイベントはどんなことをやったんですか?
 
近藤:豊崎愛生さんが徳島出身ということで、歌ってもらいました。ロープウェイのアナウンスは坂本真綾さん。「つきねこ」のキャラソンライブをやりました。夜には大きなスクリーンで上映会もやって。山なので、夜はすごく寒かったけど本当によかったですね。vol.1は僕らも試行錯誤でしたが、お客さんも試行錯誤(笑)。今でも覚えているのですが、ロープウェイを降りて、場所取りのために走るんだけど、山頂が広くて、そもそもどこに行けばいいかわからない、とか(笑)。
 
――それが今では大きなイベントになりましたね。スタジオ開設のため最初に徳島に戻って町がさみしくなっているという時に、その時点で人を呼ぶためにイベントをやらなければという使命感があったんですか?
 
近藤:使命感ではないですね。
 
――どんな気持ちだったのですか?
 
近藤:先ほども言ったように、徳島に行って出会った人たちがいい人たちで、その気持ちに応えたいと思ったんです。
 
――「俺が徳島をなんとか盛り上げよう」という気持ちではなかった?
 
近藤:自分くらいの人間がそれをやれるとは思ってないです。おこがましいですよね。力になれるなら頑張ろうと思いますが……、僕が徳島を、とは、やっぱり言えないですね。
 
――宅配便の問題もなく、いい物件があったら沖縄でスタジオをつくって、イベントをやっていた可能性もあるんですね。
 
近藤:それはありますね。
 
――地元に対する愛があって始めたのだと思っていました。
 
近藤:やっぱりその場所に長くいると愛着は出てくると思うんです。でも、わからないですね。結果として徳島だからやったのかもしれないし、徳島でいろいろやってきているけど、中でも映画館ufotableCINEMAは採算がとれないことをわかって始めてますから。「マチ★アソビ」はスポット的なイベントで、それを日常ベースに落とし込まないと、本当の意味で発展はない。それで何かしら必要だと思って、考えたのが映画館なんです。カフェはすでにオープンしていましたが、それだけだと弱い。でも、あれだけあった映画館がつぶれた町ですからね。アニメイトさんに相談に乗ってもらい、ufotableCINEMAの入るビル全体をエンタメビルにしようとトライして、今の形になっていきました。
それをやることで、「マチ★アソビ」でやれることも増えたんです。上映はもちろん、スクリーンを使った催しなんかですね。「マチ★アソビ」に来てくれているゲストや企業さんのグッズも置かせてもらい、点が線になっていく感じがしました。
 
――アーケード内にこれだけの施設ができることはマチにとって大きな事件だと思います。結果、アーケードにショップも増えましたね。
 
近藤:はい、嬉しいです。
 
――1年目は10月のvol.1のあと、年明けにはvol.2をやってますね。
 
近藤:観光客が来ないから続けてやってほしい、と県から頼まれちゃいまして。冬は正直、シンドイ。映像制作という仕事も相当忙しいし、冬は最初から全部断っているんですよ。でも、最初はズルズルと受けて、なんとかやりくりしてました。
 
――10月の夜の山頂ですら冬のように寒いですよね。真冬は考えただけでも寒すぎますね。
 
近藤:そう、そこで川沿いに数百人くらい入って映画を上映できる会館があったのを思い出して、映画を上映しようと考えました。ただ普通に上映しても東京でやるのと変わらないので、何か違ったことをしたい。そこで必死に考えたのが、映画を見ながらトークをする生オーディオコメンタリーです。いまではみなさんやっていますね。予算もなければ、街のパワーもない。アイデアしかないんです。でも、そういう中で考える力がついたのが今につながっているようにも思います。「橋の下美術館」も、春の「マチ★アソビ」で徳島しかできないことと思って考え出したひとつの答えでした。
 
――市内を流れる川にかかる橋の下に、イラストが展示されていて、それを遊覧船で見るという美術館ですね。これはvol.3からでしたね。
 
近藤:そうです。もともと「ひょうたん島クルーズ」といって遊覧船は動いていたんです。それに演出を加えたものになります。でも、思いついたのが、イベントの1か月前とかそんなギリギリのタイミング。予算をとることは不可能なので自腹を切りました。車2台買える額です。許諾も大変で、川の法律、道の法律、橋の法律のそれぞれのしばりがあるのですが、それは行政の担当者に踏ん張ってもらって、こちらは演出に力を入れた。振り返ると、「橋の下美術館」は無理してやっても意味があったと思います。今では「橋の下美術館」と眉山のロープウェイが「マチ★アソビ」の柱になっていますね。
 
――他に振り返って思い出すことはありますか?
 
近藤:1回目からやっていることだと、フライヤーは面白かったなぁ。決まったタイミングもギリギリで予算もない。要は業界の友達を呼ぶのが一番だ。友達と言ったら、プロデューサーとか監督とかキャラクターデザインとか裏方、現場方な人間なわけです。名前は番組にクレジットされているけど、顔は知らない。それで、vol.1のフライヤーにはみんな顔写真付きで掲載しました。クロックワークスの武智恒雄さんやアニプレックスの岩上敦宏さんなどなど、今も来徳してくれているメンバーたちです。徳島まで来る経費を捻出してとりあえず来てくれたら、こっちで美味しいご飯は出す。だから来てほしいというお願いをして。どんなものかもわからない地方のイベントによく来てくれたと思います。今でも感謝しています。
その当時、プロデューサーがトークイベントをやるのはほとんど見られなかったように思います。だから、彼らの初ステージは「マチ★アソビ」だと思いますよ。フロンティアワークスの松永孝之さんが「テイルズ~」のイベントをやってくれることになったんだけど、ひとりでは心細いと(笑)。それで、「ゴッドイーター」と合同のイベントになった、というのが経緯です。(バンダイナムコゲームスの)富澤祐介さんもトークイベントは初めてで、2人でステージに出ていってグダグダ。今は慣れてきてて緊張しないけど、当時はとてもフレッシュでしたね(笑)。
 
――リピーターが増えていますよね。県や市としてはお客さんが増えるので、町おこしとしては喜んでいると思いますが、市民や県民の反応はどうでしたか?
 
近藤:最初は不思議に思っていたんじゃないかな。3回目や4回目が終わる頃には、お客さんを迎え入れる空気が町の中に出てきたと思います。観光客が増えて町が活性化したことを感じ始めてくれたと思う。初めの頃のボードウォークは自転車を押しながらでも通れたのに、今では人が多くてそんなこともできないですから。
 
――vol.2から始まった「グルメハント」(市内の飲食店を巡るラリー)は、アニメをよく知らない飲食店の人にとっては、とまどいもあったと思います。
 
近藤:最初はね。今では一般公開して、公募する方式になりました。みんな入りたくなったということですね。「グルメハント」に限らず、最初の頃は、阿波おどりのポスターがアニメの絵になって、一般の人は不思議には思っていたんだと思いますが、ここ最近は静観する側から応援する側にまわってきてくれましたね。
 
――昨年、市内の商店でお土産を買っていると、「マチ★アソビで来たの?」と声をかけられましたよ。それだけ浸透しているということですね。
 
近藤:そうですね。去年の秋からそごう(徳島駅前にあるデパート)の前の広場で「マチ★アソビ」の時期にあわせてアニメのDJイベントを自主的に始めていてびっくりしました。マチが盛り上がるっていうことはそういうことなんだろうなあ、と思います。
 
――2011年のvol.7の時に近藤さんから声をかけていただいてニュータイプアワードが始まります。
 
近藤:県知事からアニメの賞とか出そうと提案されたんだけど、そういう賞はたくさんあるので断っていたんです。「マチ★アソビアニメ賞」といっても何をもって選ぶのか、基準がわからない。何の賞が一番フラットなんだろうと考えて、「ニュータイプ」なんじゃないかと思って。
 
――最初は、なぜ徳島でニュータイプの賞を?と思われていたような印象もありましたが、今ではみなさんに認知されるようになりました。私からみても業界のみんなが気にしているように思うのですが。
 
近藤:僕も業界人として気にしています(笑)。あくまでも「マチ★アソビ」は、「ニュータイプ」の賞を発表する場を使っていただいているだけで、バックアップするということに徹したいと思っています。いろいろと賞はあるけれど、完全投票制で、かつ、これだけの観客の前で直接頂戴できるということで特別なものになっているように思います。「Fate/Zero」「テイルズ」で賞をufotableも頂戴しましたが、やっぱり嬉しかった。これは本当にそう思います。
 
――話題は変わりますが、小さい子たちにアニメ制作を教えるワークショップもやっていますよね? あれは最初からなんですか?

近藤:そうですね。それこそ行政を巻き込むべき案件と思って、こちらから提案して徳島スタジオ開設の初年度から開始しました。秋のイベントの時に発表会を行っていて、あえて強いコンテンツの前に発表の時間をセットしています。注目されますし、その子たちの中で必ず将来この場に戻ってきたいと思う子がいるんじゃないかと期待を持って。
 
――親もきっと喜んでいますよ。
 
近藤:(笑)
 
――やりたい人は増えているのでしょうか?
 
近藤:増えていると思います。実は、今年、うちのスタジオに、そのワークショップ出身者が入社したんです。高校卒業後、うちの徳島スタジオを受けて、その時は落ちたそうなんです。女の子なんですけど、その子は大阪の専門学校に行って、2年後にうちを受け直して今年入ったんです。その話を聞いた時は本当に嬉しかったです。
 
――それは誇れることですね。継続したことによってクリエイターが育ち、遊びに来るお客さんも育って輪がうまくまわっていますね。

近藤:時代とともに変わってきていると思うのは宣伝媒体の変化ですね。mixiの日記からスタートしてブログ、それからツイッターに変わっていった。宣伝広告費をもたないでやっているイベントですから。
 
――ほぼ口コミということですね。
 
近藤:あと柱となっている公式のホームページをベースにこつこつと……。
 
――もはやアニメファンの恒例行事になっていますからね。
 
近藤:カフェやCINEMAなどの店舗は365日やっているので、それが「マチ★アソビ」の間をつないでいることは大きいですね。
 
――徳島市も徳島県もこの20年くらい、さほど人口が減っていないと思うんですけど、ビジネスとしてはいかがですか。
 
近藤:それでも人口は減っていると聞いています。ただ、ビジネスをやるなら市で100万人いないと難しいと思います。僕なんかより矢野さん(聞き手)の方が詳しいと思いますが、地方の小売は厳しい。東京以外だと、大阪や福岡くらい、あとは名古屋くらいでしょうか。
それじゃあ、何でやってるのか?ってなるんだけど、自分たちがつくった作品を観てもらいたい、観てもらう環境をつくっていくということにつきます。だから、北海道や仙台にも出したい、そう思っています。
 
――やはり基本にある考え方は「マチ★アソビ」と同じなんですね。ここまで育ってくると、「マチ★アソビ」は当分の間は続くじゃないですか。近藤さんの次の世代に運営を譲ることもあると思います。近藤さんの中で、「マチ★アソビ」のやめどきというのはあります?
 
近藤:さらに裏に回って誰かに譲っていきたいと思っています。でも、単なる代わりという意味で譲れるとしたらアニプレックスの高橋祐馬くらいでしょ。これは冗談じゃなく、スパッと変われるとしたら彼くらいじゃないでしょうか。その話を彼としたことはあるんだけど、そうなると、彼はアニプレックスの社員であるから、メーカー対メーカーの弊害が出てくる可能性がありますね。それはufotableがやっていることでほかのアニメ会社が入れないと思われていた弊害と同じだけどね。ずっと制作各社にお声掛けはしていて、みんな「行くよー」と言ってくれるんですが、いざイベントってなると、現場から離れられない、って話でドタキャン。実際の裏側はこんな感じです。でも、忙しいなか、無理にでも現場の人にこそ来徳してもらって、肌でユーザーさんの熱気を感じてもらいたいと思っています。
 
――アニメ関係者がひとりのお客さんとして遊びにきたくなるアニメイベントはあんまりないですよね。
 
近藤:ようやくufotableのイベントではないということを認知されたんでしょうね。制作会社も来だして、これでメーカーの垣根もないし、それに、ニュータイプアワードを「マチ★アソビで」やっていただいているのも大きい。そう、KADOKAWAさん自身も、KADOKAWA色をうたってないですね。それもきれいな状況でいいですよね。
 
――話は変わりますが、ufotableさんも相当お忙しいと思うのですが、その中で、「おへんろ。」(*)という企画はどんな経緯でつくることになったんですか?

近藤:あれも遡るといろいろとあるのですが、徳島にスタジオを作った以上、徳島スタジオが発信するものがあったほうがいいのではないかと、いろいろと企画をつくったんです。そのひとつで、僕のほうで企画書をつくって徳島新聞に提案していたんです。それから数年、今年が空海が四国霊場開創して1200年の記念年ってことで急に浮上してきて徳島新聞で連載が決まった。同タイミングで、岡山放送とかがお遍路の記念番組をつくろうと動いていた。見てと言われて、見たらまあお堅い内容だったんですよ。誰が見るの?というような。それでうちのキャラを使いたいという話になり、でもそのまま使ってもつまらないよ、とその場で構成をつくって。お遍路している人の大半は、温泉に行ったり、ご飯食べたり友達とわいわいするのも目的なんだ、って話をしてできたのがあれなんです。うちとしてもキャラクター認知されるからいいやと始めてしまって。
 
――成立のしかたが「マチ★アソビ」と似ていますね。
 
近藤:もともと高知さんさんTVさんは「マチ★アソビ」で知り合いました。
 
――「マチ★アソビ」RPGだ(笑)。
 
近藤:夏にお遍路の取材に札所を回ったんですが、みんな番組のこと知ってくれているんですよ。嬉しかった。視聴率が岡山でも高知でも右肩あがりみたいです。そうそう、阿波踊りの時に「おへんろ。」のうちわを販売したのですが完売しました。商品も増えてきていて、いろいろ大きいクライアントからもタイアップの話もきている。
 
――以前、近藤さんはインタビューで、「自身が25歳だったらいたいと思う会社をつくりたい」、そういう思いでufotableをつくったとおっしゃってました。振り返るとどうですか。
 
近藤:25歳って、会社入って数年たってこれから、って時ですよね。その子が活躍できる環境って素敵だな、って思うんです。僕らもきっと刺激をうけるしね。「マチ★アソビ」もそうやって25歳が出てくるともっともっと元気が出ると思うんです。実際、各社出てきましたよ。向こう見ずでとってもアグレッシブ。
 
――やっぱり「マチ★アソビ」は当分続きそうですね。
 
近藤:はは(笑)、楽しみです。
 
(2014年8月26日 ufotableにて収録)
 
 
■マチ★アソビVol.13 概要
【開催日程】FIRST RUN    9月27日~10月10日
      SECOND RUN 10月11日~10月13日
【公式サイト】http://www.machiasobi.com/
 
 *「おへんろ。」
毎週火曜日の徳島新聞に掲載されているコンテンツ。女子高生3人が四国八十八箇所を巡りながら、お遍路の魅力や道中の見どころに触れていく。2014年5月からは、四国遍路開基1200年記念番組のひとつとして、実写とアニメが融合した旅情報番組「おへんろ。~八十八歩記~」が放送・配信されている。
「おへんろ。」公式サイト:http://www.ufotable.com/ohenro/