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河森正治「マクロスΔ」×小嶋慎太郎「モンスターハンタークロス」コラボ記念“クロス”トーク【中編】

2016年05月10日 10:15配信
河森正治「マクロスΔ」×小嶋慎太郎「モンスターハンタークロス」コラボ記念“クロス”トーク【中編】

河森正治総監督(左)と小嶋慎太郎プロデューサー(右)

「マクロスΔ」の語られざるメイキングの現場とは? 世界をまたにかけたロケハン、東京と大阪をつないで行われたキャラクターデザイン会議、そしてキャラクターのデザインをするうえで欠かせなかったこととは? キャラクターが生まれる瞬間を「マクロスΔ」の河森正治総監督と、「モンスターハンタークロス」を手がけた小嶋慎太郎プロデューサーが語ります。

――今回、「マクロスΔ」のキャラクター原案に実田千聖さんを抜擢した理由をお聞かせください。

河森:実田さんがキャラクターの顔や髪形のデザインがうまいのはもちろん、コスチュームをデザインできることも大きかったんです。しかも、現代の服だけでなく、近未来の服も描ける。さらに小物まで描ける、と。

小嶋:やはりゲームのデザイナーなので幅広く絵を描くことができるんですね。実田は背景出身なので背景も描けます。「エクストルーパーズ」の時も、キャラクターデザインに難航していて、どうしようかと頭を悩ませている時に、実田が背景にあわせてイメージキャラクター描き込んでいたんです。「これはいいなあ」となってキャラクターデザインに抜擢されたんですよ。

河森:背景を描けるってことは、世界観を捉える感覚があるということなんですよね。世界観を踏まえたキャラクターデザインができるマインドをもっているんでしょうね。

――実田さんと打ち合わせをしている中で、印象に残っていることは。

河森:印象に残っているのは、ドバイに一緒にロケハンへ行って色々話したり体験を共有できたことですね。

小嶋:ああ、行っていましたね。僕は「モンスターハンタークロス」の仕事がパンパンだったので、日本でギリギリとしていた時期でした(笑)。

――小嶋さんは日本にいたんですね。たしか、そのロケハンはかなりの強行軍だったそうですが。

河森:あの時はドバイだけじゃなく、マルタ島やシチリア島へも行ったんです。ちょっと足を伸ばして…と思ったら、飛行機で8時間かかった(笑)。

小嶋:でも、ロケハンから帰ってきた実田本人も言っていましたが、キャラクターの打ち合わせだけでなく、「こういうことを考えている」という考え方を深く聞くことができたのが良かったそうですね。

河森:クリエイターって目で見るものや本から読み取るものも大切なんですが、体で感じることや肌感でわかることも大切だと思うんです。パソコンやスマホで検索すれば何でもわかったつもりになれる時代だからこそ、現地に足を運んでわかることが重要になる。

小嶋:現地で取材することでほんの少しの積み重ねが、大きな違いとなっていきていくことってありますよね。「モンスターハンター」シリーズのスタッフも時間があれば、ステージづくりの参考になるような場所へ行って取材することもありますし、僕はもともと企画(ゲームデザイン)だったので、モンスターをつくる時に実際に動物園へ行ったり、博物館で恐竜を見たりしていました。実際に恐竜の化石を見上げると、見た目の説得力が違うんですよね。そういう、「情報」としてだけじゃなくて肌で感じることも大切ですよね。

河森:そうなんですよね。今回のドバイでは、その旅行中に各キャラクターの性格設定であったり、敵と味方の違いであったりをわりと丁寧に説明することができました。

――デザイン作業はどのように進めたのでしょうか?

小嶋:ネットで東京のサテライトと大阪のカプコンをつないで、僕も参加するかたちで、デザイン作業を進めていきました。河森さんと実田の言語が近かったのか、クリエイター同士の熱いトークでどんどんデザインが決まっていって。難航したという感じはありませんでしたね。

河森:実田さんはデザインマインドがあるので、種類の違うラフを複数出していただけるんですよね。これができる人が意外と少ないんです。Aパターン、A´パターンで調整するのではなくて、まったく種類の違うデザインをたくさん出してくれる。

小嶋:「Cパターンのここと、Bパターンのここと、Aパターンのここを残して全体的にこんなデザインにできないか?」とかなり的確に指示を出してくださるので、その場で生まれたアイデアもあわせて掛け算みたいなかたちでデザインができていくのを見ていました。

河森:自分の絵柄が確立しすぎている人は、なかなかパターンが出てこないんですよ。基本的に僕はハンコ絵が苦手なので、目の描き方もキャラクターごとに変わっていてほしいと思うんです。

小嶋:実田はパッションで絵を描くタイプだったので、だいぶ悩んだりすることもあったようですが、河森さんと直接話をするというクリエイター同士の熱いトークが良かったみたいですね。

河森:「マクロス」シリーズは絵が漫画風になりすぎてもいけないし、バランスを取りながら考えないといけないこともあって、ハヤテ(インメルマン・主人公)に関しては年齢設定を何度も変えてしまって、ご迷惑をおかけしてしまいましたね。でも、じっくりとキャラクターのことを話し合えたのは本当によかった。【後編に続く】

●河森正治

サテライト所属。アニメーション監督、演出家、メカデザイナー。「マクロス」シリーズを30年以上にわたり手掛ける。「マクロスΔ」では総監督として制作現場全体を監督するほか、メカアクションパートの絵コンテなどを担当している。代表作「AKB0048」シリーズ、「創聖のアクエリオン」シリーズなど。

●小嶋慎太郎

カプコン所属。プロデューサー。「モンスターハンター」シリーズの最初期では企画(ゲームデザイン)を担当していた。最新作「モンスターハンタークロス」ではプロデューサーを務め、本シリーズのさらなる広がりを作りだした。代表作「エクストルーパーズ」、「モンスターハンター」シリーズなど。

■5月10日発売の月刊Newtype6月号は、表紙&巻頭特集で「マクロスΔ」を総特集!

リンク:「マクロス」ポータルサイト

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