高橋良輔が描く、新たな「ボトムズ」の小説連載がスタート!
「装甲騎兵ボトムズ チャイルド 神の子篇」第5話
カブーを狩る日がやって来た。 グドーンの準備はいたってシンプルだった。辺りの灌木の中のやっと人間の背丈ほどになるか、柳の一種であるその枝を叩いて繊維を取り出し、綯って、ロープを作る。そのロープを杭で固定し先端に環状の罠を仕掛ける。あとは...
「装甲騎兵ボトムズ チャイルド 神の子篇」第4話
やがて、男はゆっくりと近づいてきた。 そして二人の前に立った。 その顔から、身体から、身に着けているものから、荒涼の大地が匂いたっていた。 「助けてくれたつもりか」 キリコが訊ねた。 「チ ガ ウ」 男は訛りの強い一般アスタラ...
「装甲騎兵ボトムズ チャイルド 神の子篇」第3話
キリコは銃を持って立ち上がった。 「ルー。付いてこい」 「何で?」 「この辺りを知らなくてはならない」 「何で?」 「ここで生きるためだ」 「何でルーも行かなければならない」 「一人にしておけない」 「何で?」 「そばに...
「装甲騎兵ボトムズ チャイルド 神の子篇」第2話
キリコは半日近くをその土地の観察に費やした。 (南か北か分からないが、ここは極圏だ) 落ちるべき時間が経過しても陽が落ちない。つまりは緯度が高いということだ。 (幸いなことに、夏だ) しかし見渡す限り大地に樹木と言えるものは無く、...
「装甲騎兵ボトムズ チャイルド 神の子篇」第1話
〈たしかに俺は約束した、神の子を育てると……〉 意識は、ゆっくり……これ以上なくゆっくりと戻った。意識の戻りと同期するように視力も戻ってきた。モノクロームのモヤのようなカスミが薄れ視界が明瞭になる。眼球を左右に動かす、首は動かない。 ...
「装甲騎兵ボトムズ」復活! 高橋良輔が描く新たな「ボトムズ」の...
1983年にテレビアニメとして誕生した「装甲騎兵ボトムズ」。原作・監督を手掛けた高橋良輔によるハードボイルドなドラマや緻密な世界観が多くのファンの心をつかみ、テレビアニメ放映後も、後日談やサブエピソードを描いたOVAや小説、漫画などさまざ...