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士道たちと二亜の同人誌販売勝負では引き分け。勝負の約束として、士道たちが作った同人誌を読んだ二亜は、士道の人となりを知って、士道に心を開きました。好評放送中のアニメ「デート・ア・ライブⅣ」で、新たに士道たちと暮らすことになった二亜について、演じる生天目仁美さんとともに深掘りします。
――二亜編が完結しました。二亜は〈囁告篇帙(ラジエル)〉で人間の黒い部分を知ってしまい、人間不信に陥りました。
生天目 ふだんの明るい二亜からは、まったくそんなことをうかがい知ることができません。でも、普段の飄々としている姿を見ているからこそ、彼女の悲しみが心に刺さります。さらに、二亜というキャラクター性が浮き彫りにされますよね。一方で、演じ手としては、あまり過去を意識しすぎることなく、なるべくフラットに演技をすることを心がけました。
――そんな二亜を士道は救いました。
生天目 どんなときでも精霊を救おうという想いがあり、どんなに強い敵でも気持ちで負けることはない士道のよさを再確認し、頼もしいなと思いました。二亜もそんな士道を高く評価しているとは思うのですが、その気持ちを表現することばが見つかりません。恋ではないし、友情でもないし、家族愛とはまた違うでしょうね。士道はほかの作品の主人公と一線を画す、不思議な存在だなと思います。
――生天目さん個人としてはいかがでしょうか。
生天目 好きですよ。優しいし、一緒にいて楽しいだろうし。素直でまっすぐなところも魅力ですね。きれいごとを言いはしますが、そのきれい事をすべて本気で口にしているところに惹かれますね。
――士道と精霊たちとの関係性をどう感じていますか。
生天目 みんなそれぞれの距離感で士道と接していて、その関係性が絶妙でバランスの取れたファミリーになっていると思います。第2話の同人誌をつくるエピソードでも、実際にマンガを描く人、売り子のコスチュームをつくる人など、それぞれ個性にあった協力をしていて、お互いへの信頼を感じます。ただ、単純に不思議なこともあって。それは、みんなが士道に対して好意をもっているのに、誰も嫉妬をしないということ(笑)。ただ、第4期では、そんな疑問に一石を投じる展開もあるので、私も楽しみにしています。
――話は戻りまして、二亜編で特に印象に残っているエピソードを教えてください。
生天目 第3話での士道とのやり取りが印象に残っています。それまでは飄々と茶化していたりしていた二亜が、初めて本音で士道と言い争いをするシーンです。作画がフィックス前だったので、私と信長くんのペースで演じさせていただいたのですが、そのおかげで二亜の感情をストレートに表現することができました。士道と会話を積み重ねていくことで、文字だけではわからなかった二亜の気持ちや、胸の奥に隠されていた思いが引き出されたように思えます。
――第4話からは精霊たちとともに、士道のファミリーに加わりました。二亜の心境に変化は感じますか。
生天目 元々安定していた人物なので、二亜の中で大きな変化はありません。ただ、私自身は、二亜とともに士道たちと過ごす中で先の展開に驚きました。特に感じているのは、二亜編は平和だったなということ。激しいバトルや悩む展開はあまりなく、みんなでワイワイと収録していた印象が強いので、ふと平和な日々を懐かしく思うこともあります(笑)。
――「デート」という作品の魅力はどんなところに感じますか。
生天目 最初にタイトルを聞いて、イラストを見たときには、かわいい女の子たちがキャッキャするラブコメ風の作品だろうなと思っていました。でも、実際に作品に触れてみると、世界感のスケールが壮大なことに驚きました。物語の構成の巧みさ、キャラクターの心情の深掘り具合や物語の重厚さと、ライトなコメディの部分のバランスが絶妙だなと思います。ところどころに伏線が散りばめられているので、もし、これまでのシリーズを見ていない人がいたら、見返すと「そういうことか!」と要所要所で驚いていただけると思います。
――最後に、ファンにメッセージをお願いします。
生天目 個人的に注目してほしいのは、第5話の前半パート。アフレコの台本をもらったときに、あまりにも舞台が異なっていて第4話の台本を読み直してしまいました(笑)。個人的には、二亜を楽しく演じています。ほかの精霊に比べると落ち着いている二亜は「かわいい!」というキャラクターではありませんが、そのぶん身近に感じられると思います。これから二亜が士道や精霊たちと絆を紡ぐのか、最後まで見守ってください。
【取材・文:星政明】