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サブスクリプションサービスでの楽曲配信が解禁されたことも話題の「アイドルマスター SideM」が、7th STAGEを開催! 愛知から横浜公演DAY1へとつないできた「熱バトン」を受け取ったユニット7組総勢21人の止まらない成長と情熱が太陽のごとく渦巻き、希望の明日を届けたDAY2の模様をレポートします。
3年半ぶりにメンバーが揃った彩がメインMCを担い嬉し楽しの涙にくれ、空飛ぶ馬車から孤城の玉座まで会場をロイヤルな幻想で抱きしめたBeit、まだ試聴さえ解禁されていないソロ曲を連続大サービスしたCafé Paradeなどなど盛りだくさんだった横浜DAY1からの〝熱バトン〟を受け取り、オーラスとなるDAY2の幕が開ける。
横浜アリーナで、315プロダクションとして単独ライブを行うのは初めて。そこがJupiterにとって〝輝きの向こう側〟の意味を持つことを知る「プロデューサー」には、胸に迫るものがあるだろう。DAY1には伊集院北斗役の神原大地が出演したが、このDAY2では今ライブに出演していない天ヶ瀬冬馬と御手洗翔太が開演アナウンスを担当するというサプライズに会場が大きく揺れる。
そして、無数の照明、プロデューサーたちの握るコンサートライトから放たれる光が壮大な銀河を作り出す中、一斉に現れた総勢21人のアイドルたち。『アイドルマスター SideM GROWING STARS』の1周年記念曲にして、8年の年輪を刻んできたアイドルと、そっと寄り添うプロデューサーの〝挑戦〟をテーマに紡がれた「Take a StuMp!」を歌い上げ、スタートから盛り上がりは最高潮だ。互いのユニット紹介を行い自然と笑顔ほころぶ曲だが、終わりにはスクリーンにファーストグロース衣装の全アイドルが揃ったイラストが映し出され、大きな感動に包まれた。
「横アリ! カジュアリー!」を合言葉に、初披露の「Casually!」でユニットのトップバッターを飾ったF-LAGS。「Made in『 ♪ 』」では初出の3Dライブを背景に、そのダンスに限りなく近い振りを目指したパフォーマンスを披露し、どちらも見たいプロデューサーの目を困らせることに。
ステージ上手と下手と離れて登場しながらも、2人の思いがビブラートと巻き舌の技工を持って絡み合い、積み上げてきた信頼を感じさせた神速一魂「タソガレドキ、Bluesy」。スクリーンのバイク映像を伴って爆煙を上げた「ROUTE77」では、プロデューサーも声に出せない熱を拳で突き上げて届けた。
3Dライブとの完全再現を目指すユニットの向上心が際立った本公演だが、Legendersは、くるくると立ち位置を変えながらパフォーマンスの軸となった汐谷文康をはじめ、愛知公演で披露した「Time Before Time」のパフォーマンスをさらに進化させて驚かせる。
DAY1に出演した濱野大輝の「THE 道」の思いを受け「THE 虎牙」として戦うと言う小松昌平に、寺島惇太が「誰が、THE 虎(ザコ)や!」とツッコミを入れるなど抜群のコンビネーションを発揮していたTHE 虎牙道。2人は、それぞれの新ソロ曲のみならず、過去のソロ曲のマッシュアップ「その場所へ行くために-KEEP ON FIGHTING- × RULE ~牙ヲ穿テヨ~ BATTLE MIX」で〝熱バトル〟を繰り広げる。ステージをリングとし、情熱を込めた歌でぶつかり合うという挑戦だ。相手が歌っている間の態度にもキャラクターがあらわれ、その夢のマッチに度肝を抜かれた。熱くなりすぎて、想定以上のアクションをしてしまったり、いつもはすぐ気持ちを切り替える寺島が終わってからもまだ舞台裏で歌っていたという話からも彼らの本気が伺える。
5人揃った喜びを「We are the five!」のフレーズに込め、ついに歌えた「SEASON IN THE FIVE」も感動を呼んだHigh×Joker。ドラマパートから始め、新しいゲームイベントへの期待とともに真っ赤に染まる会場をトロッコで駆け抜けた「JOYFUL HEART MAKER」は、これまでになく激しいブチアゲ曲だった。永塚拓馬も「High×Jokerの〝青春楽しい〟バンドから、カッコイイロックバンドの面を見せられた」と興奮を抑えられない。
プロデューサーに新たな一面を見せられること、それが彼らにとって一番の喜びであることがひしひしと伝わってくる。DRAMATIC STARSの「Rainy Memories」も、物憂げにトロッコにより掛かったり、プロデューサーたちを見つめるまなざしがドラマの一シーンを彷彿とさせ、大人アイドルの本領を発揮。華麗なダンスや攻めの表情で魅了した「Change to Chance」でも、彼らの〝らしさ〟に磨きが掛かる。もちろんトークでの微笑ましいやりとりは、良い意味で変わらない。
そして、この日のメインMCを担当したS.E.M。学びのパーティソング「Dance in the school!」のタケノコダンスを始めユニークな振りを存分に詰め込んだパフォーマンスで、教室をディスコホールへと変えていく。そしてなんと言っても、満を持してライブ初披露となった「√EVOLUTION」! 「おもしろ、おもしろ……できたから、最後はキメたい」と「100%のカッコ良さ」を意識したと話すように、クールな振りで熱くひたむきな思いを歌い上げる。乱舞するレーザー光線やキラキラと舞う銀吹雪が創り出す銀河に彼らの原点と進化が渦巻き、会場を飲み込んでいった。
ゆっくりと回転するセンターステージ上で披露された全員曲「Growing Smiles!」をして、プロデューサーの中で「イケメン中華テーブル」なる名言も誕生。アンコールの1曲目には原点の「DRIVE A LIVE」を歌い、デビュー当時からの劇的な成長を感じさせるステージとなった。
しかし、最後の挨拶ではどんな「熱バトン」も「雑バトン」となって回り始めるのが、やはり315プロダクション。小松の「炭は消えても火が残っていたら、その状態が一番の高温なんです。その火だけは消さないよう、また俺たちと……炭バトルしましょう!」というコメントから「バーベキューしようって」と畳み掛けられた三瓶由布子が笑いを堪えられず崩れ落ちる場面も。強敵の深町寿成のコメントをどうにか乗り越えたすきを突かれ、ダメージが大きかったようだ。だが、硲道夫を演じる伊東健人が自由に飛び回るバトンを見事にキャッチして締め括る。
「新曲を歌うとアイドルとしても新しい発見がありますし、自分自身もこの会場の素晴らしい景色を見て発見するものがありました。『DRIVE A LIVE』を歌うと、初めてレコーディングしたときの景色がよみがえります。これが8周年の歴史なのかと思いながら、楽しくやらせていただきました。また来年、お会いできたらいいなと思います。そのときは、我々アイドル一同よろしくお願いします」
そして「LIVE in your SMILE」とラストナンバーの曲名を叫んだ彼らに、会場がざわめいた。4thアニバーサリー曲という意外なセレクトではあったが、歌い出しはこうだ。「どんな挑戦も受けて立ってやると」――。その思いは、アイドルたちだけでなくプロデューサーも同じだと、心を通わせながら会場一体となってあふれるきらめきの中、お互いの確かな誓いのように感じられた。
2月に東京ドームで開催される「アイドルマスター」シリーズ初となる5ブランド合同ライブも迫る中、3月には新感覚の朗読劇ステージ「THE IDOLM@STER SideM PASSIONABLE READING SHOW ー超常事変~対立スル正義~ー」が開催されることも発表となった。進化するアイドルたちとともに、315プロダクションの挑戦は続く。
【取材・文:キツカワトモ】