「ダンベル何キロ持てる?」ファイルーズあい×石川界人インタビュー【前編】「ひびきに共感してトレーニングを始めて」トレーニーだからこそ伝えたい魅力

女子高生たちが筋トレにチャレンジするコメディーマンガ「ダンベル何キロ持てる?」がアニメ化！　これを記念して、WebNewtypeでは主人公・紗倉ひびきを演じるファイルーズあいさんが、キャストやスタッフにインタビューする連続インタビューを実施中です。今回は、ジムのトレーナーとしてひびき達にトレーニングを教える男性・街雄鳴造役の石川界人さんに突撃。いつも笑顔のマッチョマン“街雄さん”を石川さんがどう演じているか語ってもらいました。

ファイルーズ　普段からトレーニングしているし、石川さんは街雄さんのイメージにピッタリです。オーディションだったんですよね？

石川　そうそう。「ダンベル」は山﨑みつえ監督が音響監督も兼ねているんだけど、ディレクションがすごく的確で、何を表現したくてどういう芝居が欲しいかすごくわかりやすかった。オーディションで何パターンも取ったのは初めてだったな。

ファイルーズ　それは全然違うパターンで？

石川　例えばボディビルのポーズを取るシーンがあったけど、爽やかに叫ぶか、ゴリゴリに叫ぶか、楽しんでいる風に叫ぶか、普通に言うか、みたいな。他にもナレーション風に言ってみたりして、いろいろなパターンでやった。あと「筋トレについてどう思いますか？」みたいな質問があったのを覚えてる。僕が「筋トレは人生において必要なものです」という話をじっくり語ったらすごく笑ってくださったので、「よし、ウケたな」とホクホクしながら帰ったね。

ファイルーズ　私は筋トレについて聞かれませんでした！ 聞いてくれたら自信満々で答えたのに……。

石川　逆に言えば、ファイちゃんは筋トレ話をしなくてもオーディションで受かったんだから。筋トレへの熱い思いが芝居に乗っていたんじゃない。

ファイルーズ　よかった！ 続いて、街雄さんを演じる際にどんな風に役作りをしていますか？

石川　あまり考えてないかな。この作品はプレスコ（作画より先に音声を収録）だから、演技をガチガチに固めて収録するより現場の雰囲気でできたもののほうが面白くなるだろうし。ただ街雄は筋トレに詳しいキャラクターだから、作中に出てくるトレーニングがどこの筋肉に効いて、どういう風に苦しいのか自分もわかっておきたくって、アフレコ前にジムでやってから来るようにはしている。

ファイルーズ　スタジオでも、他の人がトレーニングでわからないことがあったら「こうやるんですよ」と指示していますよね。本当にトレーナーの街雄さんみたい。

石川　それはファイちゃんもでしょ（笑）。

ファイルーズ　そんなことないですよ。あと毎回アドリブがすごいですけど、秘訣は何ですか？

石川　キャラからなるべく逸脱することは意識してる。「ダンベル」に限らないけど、アドリブを任されるということはキャラクターの幅を広げるチャンスだなと捉えていて。だからテスト収録の段階でなるべく逸脱したことを言ってみて、「それはちょっと」と言われたら本番で戻すし、大丈夫だったらキャラクターの持つ幅の内に入れる。これを繰り返してるね。街雄の場合は、声を張りながらボディビルの掛け声を言ってみたりしているけど、意外とオッケーが出るので驚いているかな。

ファイルーズ　なるほど～。私もアドリブでボディビルの用語が言いたいんですよ、「もっと固めろ～！」とか。でもひびきは初心者だから言えなくって。

石川　知ってるだけにもどかしいのか。でも逆に「ダンベル」はトレーニングしているからこそ面白い部分もあるよね。筋トレってする場所によって考え方やメソッド、器具も含めて何から何まで違うじゃない。今回オーディションを受ける際に初めて「ダンベル」を読んだけど、自分が行っているジムでやっていることが、必ずしも一般的ではないんだなと気付けたし。

ファイルーズ　わかります、私と石川さんも流派が全然違いますからね。では、「ダンベル」で気になるキャラクターを教えてください。

石川　どういう観点で気になるか、によって違うから難しい質問だよね。うーん……。

ファイルーズ　（小声で）ひびき、ひびき、ひびき！

石川　朱美かな～（笑）

ファイルーズ　持っていかれた！

石川　だって女性でベンチプレス40kg上げるんだよ、エッチな視点じゃなくて、普通に身体を見てみたい。一体どういう筋肉の付き方をしているか。それにベンチと言っても色々な種類があるので、どのベンチで40kg上がるのか。気になります。

ファイルーズ　私、スミスマシン（バーを上げる際の補助となる機械）を使わないと40kg上げられないんです……って、石川さんに初めてお会いしたときに話したら「え～？」ってバカにしてきましたよね。

石川　バカにはしてない！ でもその前に僕が下半身をあまりトレーニングしないって言ったらすごいdisってきたじゃん。「やんないんですか、石川さ～ん」って。

ファイルーズ　でも私はベンチで30kg、スクワットだと50kg上げられるし。

石川　僕、ベンチ50kgでスクワットは70kg。なんでケンカ売ってきたの？

ファイルーズ　……やっぱり流派が違うんですよ（笑）

石川　なんて感じでファイちゃんとは冗談を言い合えるので、すごく楽。普通に友達みたいだから、いつ敬語やめてくれるかなって思ってて。

ファイルーズ　よかった～。ブラザーって呼んでくれていいですよ。

石川　え、こっちが「ブラザー」って呼ばれる方じゃない？　そっちはシスターでしょ？（笑）

ファイルーズ　はい、すみません！ では最後にアニメの注目ポイントを教えてください。

石川　ひびきの精神面の変化だね。筋トレに対してネガティブなイメージを持っていた彼女が、それに触れていく中でしっかり筋トレをやろうという気持ちになっていく。その変化は僕も同じだったので、視聴者のみなさんにも追体験していただいてぜひ筋トレを始めてほしいです。

ファイルーズ　絶対、ひびきに共感してくれる女の子は多いと思いますよ。

石川　今、日本人の若い女性の体脂肪率って上がっているからね。

ファイルーズ　私はまだ大丈夫だよね……。

石川　知らないけど！ もちろん削りすぎると体調不良で駄目になるから、この作品で勉強しながら上手く体脂肪率を減らしてもらえれば。

ファイルーズ　みんなで鍛えて、スクワットするイベントとかしたいですよね！

石川　う～ん、僕は嫌だな！（笑）

【取材・文：はるのおと】