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“伝えること”で争いはなくなる「台風のノルダ」公開

6月5日(金)、映画「台風のノルダ」の舞台挨拶が行われ、中学生の野球少年・東役を演じた野村周平、スタジオコロリドの新井陽次郎監督、キャラクターデザイン・作画監督を務めた石田祐康の3人が登壇した。

本作は、台風と一緒にやってきた不思議な少女ノルダと、少年2人の友情を描く青春ファンタジー。2013年の「陽なたのアオシグレ」につづくスタジオコロリドの新作で、スタジオジブリで腕を磨いた26歳の新鋭・新井陽次郎が初の劇場版監督であることでも注目されている。

新井監督と石田は、前作でもタッグを組んだコンビ。今作は、前作よりスタッフの数が大きく増えたが、新井監督は「その挑戦を、スタジオのみんなで乗り越えることができた」と感慨深げに語った。

さらに、「企画会議では、ホワイトボードに要素や起承転結を書きながらストーリーを組み立てた」という“脚本をつくらない”独特の制作方法についても明かしていた。

作画監督の石田は、「ふだんは頭身の低いキャラクターを書くことが多いが、この作品は新井監督の要望を取り入れてイメージを変えた」と、本作への想いの強さを言葉の端々にほとばしらせた。

いっぽう、東役の野村は本作で初めて声優に挑戦。「ふだんは俳優という職業なので、初めてドラマに出た感覚。それなのに、これだけ多くの人に見てもらうなんて。自信がないわけではないが、すごく恥ずかしいです」と照れ笑い。

アフレコでは、「こんな声なんで大丈夫かと思ったが、監督が乗せてくれて。最後は安心して帰れました」と現場のエピソードを語った。監督が「時間がないなか、すばらしい演技を見せてくれた」と語ると、野村が「恥ずかしいっす」と、ステージ上で言葉を交わす場面も。

野村は、監督と石田について「陰と陽のような2人。監督は月のようで、石田さんは太陽のよう」と表現。さらに、彼らが生み出した本作について「劇場を出た後まで心が温かくなる作品です」と観客にアピールした。

新井監督は、「『素直に伝えること』の重要さを表現しました。それができれば、人の争いやすれ違いは少なくなると思う」と、本作の軸になった人と人のつながりの大切さについて、真摯な表情で語った。【記事:WebNewtype】

■「台風のノルダ」
6月5日(金)から全国にて3週間限定ロードショー 
※「陽なたのアオシグレ」と同時上映
配給:東宝映像事業部
監督:新井陽次郎
キャラクターデザイン・作画監督:石田祐康
声の出演:野村周平、金子大地、清原果耶
アニメーション制作:スタジオコロリド
主題歌:「嵐のあとで」Galileo Galilei
公式サイト:typhoon-noruda.com

取材・文=麻布たぬ
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