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「美少女戦士セーラームーン」担当編集だから語れるエピソード満載――「おさBUと行く!美少女戦士セーラームーン展ナイトツアー」レポート

六本木ヒルズ展望台スカイギャラリーで、4月16日(土)から6月19日(日)まで開催されている「美少女戦士セーラームーン展」。「美少女戦士セーラームーン」20周年記念プロジェクトの集大成として企画・開催されたこの展覧会は、すでに累計来場者数30万人を突破しそうな勢いです。

今回は、6月9日(木)に行なわれた、「美少女戦士セーラームーン」原作の編集担当である小佐野文雄さん(ニックネーム:おさBU)と展覧会を巡る「おさBUと行く!美少女戦士セーラームーン展ナイトツアー」に潜入取材してきました。

ツアーは、着彩された原作漫画第1話が壁一面に展示されている「カラー着彩原稿コーナー」からスタート。ここでは、武内直子さんによる着彩原稿を見本に、どこまでイメージに近づけられるのか挑戦したエピソードや、武内さんの「(可能であれば)フルカラー版のコミックスを出したい」という希望が明かされました。

さらに、連載開始時のエピソードとして、当初「セーラームーン」がかけていた眼鏡がコミックでは早々になくなっていたのに対し、付録ではしばらくかけていた理由について明らかに。なんと、「かけていない方がかわいかった」「眼鏡を付けたキャラクターをアニメーションで動かすのが、当時難しかった」という、思わぬ2つの理由によって決められたとのこと。ただ、付録は雑誌発売の半年前から制作が行なわれるため、眼鏡をかけた「セーラームーン」が付録でしばらく登場し続けることになってしまったそうです。

この他にも、最初期設定が出来上がってから、約1か月という短い間で連載設定まで持っていったというエピソードが披露され、原作担当者ならではの裏話に、参加者は興味深そうに耳を傾けていました。

続いては、生原画が一面に展示された原画コーナーへ。ここでは、当時の武内さんの猛烈な仕事ぶりについて語られました。連載時は、20日間で40枚の漫画原稿と付録用のカットを20枚、さらに扉絵やアニメ用のカラー原稿を数枚仕上げていたとのこと。その上、「るんるん」誌には、隔月で「コードネームはセーラーV」を連載していたのですから、そのパワーにただただ驚愕です。

そして、小佐野さんは当時を振り返り、「セーラームーンは、(武内さんが)今日いらっしゃる皆さんと同じぐらいの歳に手掛けた作品です。実は、描いていたのは、日々の自分の生き様、『戦い』そのものなんですよ。今読み返していただくと、当時とはまた違った印象を持っていただけると思います」と語りました。

短い時間ではとても語り尽くせない、興味深いエピソードがたくさん飛び出したナイトツアー。最後に、小佐野さんからの「来年は25周年の記念イヤーなので新たなトライをしていきたい」という挨拶で幕を閉じました。

20周年記念プロジェクトの集大成といえる「美少女戦士セーラームーン展」は、6月19日(日)までの開催。また、期間限定のファンクラブ「Pretty Guardians2016-2017」の入会受付は、6月30日(金)まで。会場には、「なかよし」の付録カードを復刻デザインした会員証とメイクアップリップグロスも展示されています。【取材・文=小川陽平】

■美少女戦士セーラームーン展
会期: 4月16日(土)~6月19日(日)10:00~22:00(最終入館は21:30)※会期中無休
会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内 スカイギャラリー
料金:当日券一般1800円/学生(高校・大学生)1200円/子ども(4歳から中学生)600円/シニア(65歳以上)1500円
リンク :「美少女戦士セーラームーン展」公式サイト


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