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全自動なのに人の温もりを感じる味。May'n 「鯛使、たい焼き広めたいしっ!」第4尾

ボーカリスト・May'nさんが、歌うことと同じくらい大好きなもの――それは、たい焼き!

たい焼きオンリートークイベントを開催するなど、「たい焼き親善鯛使」としても活躍するMay'nさんの想いはたったひとつ。

「たい焼きのすばらしさを、もっとみんなに知ってほしい!」

――その想いを伝えるべく始まった連載の“第4尾”では、「たい焼き鉄次 大丸東京店」を訪問。ここは、全自動で一丁焼きを作り上げ“世界初”の全自動たい焼きマシン・鉄次があるお店。その味と物珍しさで、常にお客が絶えない人気店です。それでは鉄次の開発者の有光直哉さんとMay'nさんのたい焼きトークをどうぞ!

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May'n:なぜ、全自動たい焼きマシンを作ろうと思ったのでしょうか?

有光:「たい焼き鉄次」を運営する、私たち株式会社グレープストーングループは、「銀座 まめはな」や「シュガーバターの木」、「ねんりん家」などの店舗を展開し、お菓子の製造・販売を行なってきました。数あるお菓子の中でも、たい焼きはその原点だと私は考えていたので、いずれ挑戦したいと思っていたんです。

May'n:そうなんですね! あのおいしい菓子たちが、すべてたい焼きのためにあったのかと思うと、勝手な優越感を覚えてしまいます(笑)。

有光:たい焼きといえば、やはり職人が作る一丁焼きです。しかし、私たちが職人になることはできません。だったら、その作り方を徹底的に研究し、機械に作らせようと考えました。そうすれば、いつでも、同じおいしさでたい焼きを提供できますからね。

May'n:「たい焼き鉄次」さんのたい焼きを初めて食べた時は、衝撃を受けました。「これは、職人さんの一丁焼きだ!」って。

有光:開発にあたっては、たい焼きの名店に客として何度も足を運び、個人的に温度や焼き加減を研究させてもらいました。そして、自分でも何度も焼いてみて、納得できる味のたい焼きを作れるようになったんです。しかし、それを機械で再現するためには、また試行錯誤が必要でした。既存のお菓子づくりのマシンを応用して何度も試作をし、現在の観覧車方式のたい焼き機にたどりつくまでに数年かかりましたね。開発を始めたのは10年以上前で、実際に店舗をオープンできたのは2009年のことでした。

May'n:どんな苦労がありましたか?

有光:もっとも大きな失敗は、鉄次が故障して動かなくなってしまうことですね。あとは、お店で安定して作り続けることにも苦労しました。焼いているうちに温度が高くなりすぎてしまったり、アイドルタイムにたい焼きが過剰に生産されてしまったりといろいろありました。そんなことを防ぐために、作るタイミングや鉄次の回転の速さを変えながら、たい焼き作っています。

May'n:全自動と言いながらも、人の手がしっかりと入っているんですね。鱗の焼き加減も均一ではなくて、人が焼いたようです。

有光:職人さんは、焼いている最中に、鋳型の隙間を空けて、焼き加減の確認や温度を調整しています。鉄次もそれと同じことを行なっているんです。

May'n:すごい! だからこそ、人の温かみを感じるんですね!! 私がたい焼きを好きなのは、人と人とのつながりを感じられるから。食べたときに、人間ドラマが頭の中に浮かぶんです。実は、最初は「たい焼き鉄次」さんに懐疑的だったんです。しょせんは機械だろうと。でも、食べたときに、人の温かみを感じたんですよ! 恐怖すら覚えました(笑)。これが世界に広まったらどうなるんだろうって。でも、今のところは東京駅の一店舗だけ。その理由はなんでしょうか。私の故郷の名古屋にもぜひ出店してほしいです(笑)。

有光:多店舗展開をしないのは、鉄次が進化の途中だからです。現在も、おいしく提供できるタイミングを調整するなどの改良を続けています。その進化が完了したら、いずれ日本全国へと飛び立っていきたいなと思います。

May'n:楽しみです! あと、私が鉄次さんを大好きな理由として、かわいいパッケージがあります。最初は、それを目当てに足を運んだほどです(笑)。

有光:ありがとうございます。パッケージにこだわったのは、お客さまがお土産として持っていったときに、喜んでもらいたいからです。ちなみに、箱の模様は、小豆にちなんで、茶色の豆絞り柄を採用しています。

May'n:「たい焼き鉄次」さんのたい焼きをお土産にもらったら、嬉しくなりますよ!

有光:当店のたい焼きは機械で作っていますので、量産化された機械的なイメージを持たれがちです。でも、職人さんが手作りしたような“やさしさ”も詰めこんだつもりです。それを伝えたいというのも、パッケージにこだわった理由です。

May'n:全部、伝わってます! 私はたい焼き親善大使として活動しているのですが、たい焼きって、今時の子には古くさいイメージを感じられていることもあります。でも、もっと日本のお菓子として楽しんでほしいなと思っています。

有光:鉄次を通路から見えるところに配置したのは、子どもから若者、海外のお客さまにも興味を持ってもらい、たい焼きを楽しんでほしいから。ぜひ、世界中の老若男女にたい焼きを広めたいです。

May'n:ありがとうございます。その思いに感動しました!【写真:山口宏之/ヘアメイク:松田美穂(アルール)/文:星政明】
 



■プロフィール
May'n(メイン)/1989年10月21日生まれ、愛知県名古屋市出身。TVアニメ「終末のイゼッタ」EDテーマ「光ある場所へ」発売中。2017年1月からは、20か所を廻るアジアツアー「OVER∞EASY」が決定している

■たい焼き鉄次 大丸東京店
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店 B1
電話:03-3212-8011(代)
営業:10:00~21:00(土日祝日20:00)
定休:なし(1月1日を除く)

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