「聲の形」BDは5月17日に発売！日本アカデミー賞受賞御礼舞台挨拶レポート

劇場アニメ「聲の形」の第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞御礼舞台挨拶が2月1日(水)、東京・新宿ピカデリーで開催され、早見沙織さんと山田尚子監督が登壇しました。

映画「聲の形」は、大今良時さんが週刊少年マガジンに連載した同名コミックを原作に、京都アニメーションがアニメ制作を手掛けることでも話題になった作品。早見沙織さんは聴覚障害を持った転校生・西宮硝子という難しい役に挑戦しています。

登壇した早見さんは「またこうして年が明けて、2017年にも皆さんの前でお話できて嬉しく思います」と挨拶し、山田監督と久々の再会を喜びあいました。同作が第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞したことについては、早見さんも山田監督もまだ実感がない様子。山田監督は「作品賞はみんなのものなので、観客の皆さんも一緒に取った賞だと思います」と謙虚に語っていました。

2016年9月17日に上映スタートした本作ですが、舞台挨拶は今回で28回目とのこと。早見さんが京都に舞台挨拶に行ったことや、大垣での舞台挨拶のために早見さんが手紙を書いたことなどの思い出話でも盛り上がりました。山田監督は28回すべての舞台挨拶に参加したそうで、「手話付きの舞台挨拶があったり、いい思い出になりました」とのことでした。

この日は残念ながら参加できなかった石田将也役の入野自由さんからは手紙が届きました。石田さんは本作を「みんなが同じ方向を向いて精一杯の情熱を注ぎ込んだ作品」と評し、作品に関わった人々を祝福していました。山田監督も「みんなが同じ方向を向いた作品」という部分に強く同意していました。

収録を振り返ってのトークでは、早見さんは「1回のアフレコで録った作品ではないような印象で、すごく濃密な現場でした。1日半ぐらいの収録だとは思えないぐらい結び付きが強くて、一致団結して収録に臨みました」と収録現場の関係性の深さを強調。山田監督にとっては早見さん以外のキャストは初対面の人も多かったにも関わらず、すっと馴染める現場だったそうです。

2人にとっての「聲の形」という作品は？という質問には、じっくりと考え込む早見さんと山田監督。早見さんは「ひと言で表すのは難しくて、目に見えない形を描いた作品なので、私が見ているものもお客さんが見ているものも違っていて、言葉にはできない何かを受け取れた作品だと思います」と表現していました。一方、山田監督は「素晴らしい原作で、人生を賭けて収録しました。スタッフやキャストさんみんなとの出会いが本当に素晴らしかったです。人生を賭けられる、本当に素晴らしい作品でした」と語っていました。

この日の挨拶では新情報として、BD＆DVDが5月17日(水)に発売されることが発表されました。映像特典として映画公開記念特番のロングバージョンも収録され、さらにBD初回限定版にはキャラクターデザイン西屋太志さんの描き下ろし特製ケースと、スペシャルブックレットが付属するとのことです。

最後の挨拶で早見さんは「昨年の9月に上映が始まって、もう2月です。こんなに時間が経ってもこの作品を共有できることがすごく嬉しいですし、作品のパワーがあればこそだと思います。初めての人も、何十回目の人も、また違うものが見つけられると思うので、これからもこの作品を楽しんでください」、山田監督は「見た人に少しでも希望の光を灯せればと、スタッフ一同愛を込めて、人生を賭けて作った作品です。時間は経ちましたが大事なものは冷めていませんので、これから見る方にも希望の火を灯せればと思います。これからもよろしくお願いします」と締めくくっていました。【取材・文＝中里キリ】