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アニメ「ドリフェス!」村野佑太監督×DearDreamインタビュー「お客さんからもらった“エール”を真摯に返していきたい」

アニメやアプリのなかのキャラクターと、彼らの声を演じるキャストとの活動がリンクする、2.5次元アイドル応援プロジェクト「ドリフェス!」。発売中の「ニュータイプ・ロマンス 2017 SPRING」では、村野佑太監督と、演じるDearDreamメンバーとの出会い、放送中の思い出などをお伺いしていますが、ここでは村野監督をフィーチャー。アニメ2ndシーズン制作が決まった今の思い、そして、監督に聞いてみたい質問を、DearDreamの5人に直撃してもらいました。

■アニメをつくりはじめてから頭の中は「DearDream」一色!

――1クール目の放送を終えた今の気持ちを教えてください。

村野:僕もこういう作品づくりが初めてで、アニメをつくっているというよりは、アイドルの生き様を描いていたという感じですね。初めてのことばかりだったので現場も試行錯誤を重ねながらつくっていたし、DearDreamのみんなも初めてのアフレコということで、毎回いろいろ考えて臨んでくれていたのが、いい具合にフィルムに出て。それぞれの人間の生き様や深みが、ほかの作品にはない魅力になったと思います。

――アフレコ現場でのDearDreamはどんなようすでしたか?

村野:この5人は、できないことがあるとみんなで寄ってたかって意見を出し合って、できないままにしないんです。アフレコだといちばん経験がないのは自分たちだということを5人が一番よくわかっていて、自分たちでできることは何でもやらなきゃと思っている。その姿勢を見て、一緒にやっている役者さんからも「あの子たち本当によくやってるね、見習わなきゃね」という意見が自然と出てきました。そのくらい、この5人はすごく頑張っていたと思います。

――DearDreamのみんなから監督に聞いてみたいことを教えてください。

溝口:監督が描いてくださっていたサンクスイラスト(毎話放送後、公式Twitterにて公開)などでもわかるように、ふだんから僕らのことをすごく見てくださっているんですけど、メモとか写真をとっているのを見たことがないんです。どうやって覚えているのかすごく不思議です。

村野:「ドリフェス!」のアニメをつくりはじめてから、四六時中考えてるんですよ。アニメのなかのDearDreamのことも、実際の君たちのことも。起きてる間はだいたい頭のなかで。だからあまり忘れない。

溝口:監督、新婚さんなのに、すみません……。

村野:いやいや(笑)。ふと見たとき、会ったときの表情とか、アニメのキャラの顔を描いているときに、あのときの壮馬くんのやっていた表情だよなとか、自分のなかですりあわせるのがまた楽しいんです。

石原:アニメの1stシーズンは僕らも初めての経験がいっぱいで、キャラクターと一緒に成長していく部分がありました。2ndシーズンを前に僕たちがやるべきことがあれば教えてください。

村野:意識してやってほしいこと、というのは別にないです。「ドリフェス!」においてDearDreamはこうあるべきとか、こうあってほしいなと、こっちから発信してしまうと、「つくられたアイドル」になってしまうので。君たちが君たちなりにやっていることを、アニメ側が逆に鏡として描いていきたいなと思っています。だから今のまま、自然体でやっていてくれるのがいちばんいいですね。

石原:ありがとうございます。こんな幸せな現場ってないですね……!

太田:僕は「ドリフェス!」のアニメがめっちゃ好きで、2ndシーズンをこれからやらせていただくのもすごく嬉しいんですけど、「ドリフェス!」って学校の話とかじゃないから、無限に続けられますよね。この先の構想はありますか?

村野:僕としては「ドリフェス!」の劇場版もやってみたいです。アイドルって生き物だし、何をやったらゴールというのがないですよね。1stシーズンで描けなくて、2ndシーズンで描きたいなと思っていることが山ほどあるんだけど、きっとまた2ndシーズンが終わったら描きたいことがたくさん出てくると思う。君たちが活動を続けていく以上は、こっちとしても作品をつくること、それをファンに届けることで、DearDreamを応援したいなと思っています。

富田:絵ってどうやったらうまくなるのか聞いてみたいです。「ドリフェス!」は表情がすごくよくて、それこそ第10話の、奏と純哉で言い合って「だったら行くなよ」と言われたあとのあの純哉の「奏……」という表情とか、絵でグッとくることがすごく多くて。

村野:「ドリフェス!」は熱い青春群像劇にしたいという思いが、始めからありました。そのために、キャラクターの動きを描く以上に、第8話のいつきにせよ、第10話の純哉にせよ、心が動いた瞬間の表情を絶対に逃さないように描いています。

富田:頭のなかで想像して描いているんですか?

村野:うん、自分がその立場になったとき、どう思うかを考えながら描いてます。アニメって「虚構のもの」と思って絵を描いてしまうと心が入らなくなってしまうから、「これは生きている人たちですよ」と考えて描いていくのが大事かなと思います。そういう意味では、「ドリフェス!」は、君たちがDearDreamとして存在してくれているので、すごく作業がラクというか、生きている人たちなんだなという実感をもちながら描くことができます。

太田:オープニングで伏線というか、それぞれの過去が映っていましたよね。今までの僕が見てきたアイドルもののアニメって、まずはキラキラしているイメージだったんです。アプリゲームでも今までそういう暗い部分って見せてこなかったから、結構、挑戦だったんじゃないかなと思うんですが……。

村野:アイドルものだけれど、ただキラキラしてるだけの話ってやっぱりつまらないですよね。それに、“影”の部分を描かないと、“光”の部分に説得力が出ないんじゃないかな。いい意味でまだアイドルになりきれていないのが1stシーズンだったから、普段だったら見えないような、キャラクターの深い掘り下げをしたいなというのがずっとテーマとしてあったんです。

太田:本当に素敵なオープニングで、大好きです!

村野:ありがとうございます。とはいえ、エンターテインメント上の都合で必要以上に深刻にしすぎるのは絶対やっちゃいけないと思っていて。見ている人に実感がもてるくらいのリアルな悩みを描いたつもりです。

正木:2次元のDearDreamのこれからの物語として、いろいろ描きたいと思っていることがあると思うんですけど、3次元のDearDreamの今の僕たちにやってみてほしいこととか、見たい景色とかありますか?

村野:今の君たちもそうだろうし、アニメの2ndシーズンのテーマでもあるんだろうけど、お客さんにもらったエールをどう返していくかが大事なんじゃないかな。そこに対する答えは、簡単に出しちゃいけないなとアニメをつくっていても思っています。それをリアルのDearDreamがどう答えを見つけて、そこに向かっていくのかが見てみたいですね。単純にデカいハコでやるという物理的なことかもしれないし、もっと精神的なことかもしれない。アニメでも「ドリフェス!」らしく真摯に答えを出していくので、みんなもどんな答えを見つけていくのか、今から楽しみです。【撮影=シオヤ ミク、文=上田繭子】

■アニメ「ドリフェス!」
BD&DVD第4巻3月2日(木)発売
DearDream 1stアルバム「Real Dream」発売中
DearDream 1st LIVE 5月4日(木・祝)Zepp DiverCity TOKYOにて開催決定
発売中の「ニュータイプ・ロマンス 2017 SPRING」では、村野監督×DearDreamの座談会を掲載。監督から見た5人の第一印象とは?

リンク:アニメ「ドリフェス!」公式サイト
    公式Twitter・@dfes_official

■アニメ「ドリフェス!」年末特別番組収録に密着!
リンク:PHOTOレポート
    コミックレポート
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