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【第15回「声優アワード」受賞者インタビュー】新人女優賞 和氣あず未さん

2021年03月22日 14:00配信
第15回「声優アワード」で、新人女優賞を受賞した和氣あず未さん
第15回「声優アワード」で、新人女優賞を受賞した和氣あず未さん

2021年3月6日、2020年度に最も活躍した声優を称える第15回「声優アワード」の受賞者が発表されました。本稿では、新人女優賞を受賞した和氣あず未さんへのオフィシャルインタビューをお届けします。

――新人女優賞の受賞、おめでとうございます! 一報を受けた感想を教えてください。
和氣 とてもびっくりしてしまって、第一声が「私でいいんですか?」でした(笑)。声優アワード自体は知っていましたが、受賞している人たちのことは「すごいなー」と別世界のように思っていた側だったんです。

――和氣さんは、「おしえて! ギャル子ちゃん」や「ウマ娘 プリティーダービー」など、多数の作品で主人公を演じられてきました。
和氣 とてもありがたいことです。主人公役をいただけるようになった当初は、あまり自分に自信がありませんでした。だから、役が決まると、不安もかなり大きかったです。NGをたくさん出してほかの役者さんの時間を奪ってしまったら申し訳ない、作品に泥を塗ってしまったらどうしようなど、ネガティブな思いがいっぱいで、演技以外の部分に気をとられてしまいました。

――今はどうでしょうか。
和氣 純粋にうれしくて、頑張ろうとポジティブな気持ちで向き合えるようになりました。

――その変化に、何かきっかけなどはあったのでしょうか。
和氣 特別な出来事があったというわけではなく、徐々に変わっていったと思います。経験を積んできたというのも、そのひとつだと思います。また、たくさんの共演者とアフレコを繰り返すことで、人見知りだった自分を克服して、いろいろなお話をできるようになったのも大きかったです。たとえば、演技の話になって、私が演じるキャラクターを褒めていただける。そんなやりとりが、自信に繋がったのではないかと思っています。

――賞の選考対象期間では、「私、能力は平均値でって言ったよね!」で、主人公のマイルを演じました。
和氣 すごく楽しく演じることができた作品でした。マイルは、作中で女子ハンターのパーティー「赤き誓い」のメンバーになります。そのキャストである徳井青空さんや内村史子さん、田澤茉純さんとは、以前もほかの作品で共演していたので、いい意味で力を抜いて和気あいあいと掛け合いができました。

――マイルは多面性のあるキャラクターでもありました。
和氣 マイルは異世界に転生したキャラクターですが、前世の栗原海里、マイルを名乗る前の貴族の娘・アデルと、3つの異なる性質をもっています。そのため、3役を演じたような感覚でした。難しさは感じましたが、監督や音響監督が私の演技プランを認めてくれ、前向きに議論しながらマイルを演じることができました。

――「ぬるぺた」では、天才発明家の小学生・ぬるを演じています。
和氣 個人的に小さな子供が好きなので、演じることができて楽しかったです(笑)。ぬるは、姉のぺたのことが大好きな女の子。ぺた役の上田麗奈さんの演技にすごく包容力があって、掛け合いをしていると自然に妹になれたことを覚えています。

――ほかに印象に残っている作品はありますか。
和氣 「世話やきキツネの仙狐さん」の仙狐さんは、演じたことのないタイプのキャラクターでした。積んできた経験で、いただく役は演技のプランが最初からある程度は見えてくるようになっていたのですが、仙狐さんはかなり特殊で見た目は幼女だけれど、中身は800歳以上と未知の存在でした(笑)。しかも、仙狐さんとして求められたのが包容力。これまで私と等身大や、どちらかというと幼いキャラクターを演じることが多くて、また、自分自身も人に甘えられるのが苦手だったんです。しかも、相手役のキャラクター・中野とは「おばあちゃんと孫のような関係」を指示されて、まだ20代の私には想像を超えていました(笑)。

――どうやって乗り切ったのでしょうか。
和氣 私は、昔から妄想が好きで、いつもキャラクターのバックグラウンドや描かれていない過去、未来を想像して楽しんでいます。本作では、「自分が大切に育てた娘が産んだ子供だったら、どれほどかわいいだろう」というイメージを中野に投影して、演じています(笑)。

――2020年1月には、「ふわっと/シトラス」でアーティストデビューを果たしました。
和氣 演技と同じように、メロディや歌詞を自分なりに解釈して演じるような感覚で歌っています。もし、自分がそういう状況に置かれたらどんな感情を持つか、架空の自分自身を演じている感覚ですね。だから、曲が終わっても、この先はどんな物語が続いているんだろうといつも妄想しています。デビューにあたっては、作品の看板を借りずに自分ひとりで活動することに不安を覚えましたが、応援してくれるファンの皆さんの声を直接いただき、元気をもらえました。

――賞の選考対象期間は、どんな1年だったでしょうか。
和氣 たくさんの役や歌にも挑戦させていただいた、濃密な1年でした。声優という仕事を始めてからキラキラしたことばかりで、大きく落ち込んだり、高い壁にぶち当たったりしたことはないんです。役作りに悩むことはありますが、それはどんなベテランの先輩でも誰しもが通った道。だからこそ、私も経験しなければならないことです。それをつらいと思わず、楽しくチャレンジできています。

――今後の活躍も期待しています。
和氣 役としては、「真・三國無双」や「バイオハザード」、「ゼルダの伝説」など、昔から遊んできたゲームシリーズに出演できたらうれしいです。そして、「和氣あず未が演じるのなら安心」だと思われる声優をめざしていきます。個人としては、私のことを応援してくれるファンの皆さんが、胸を張って自慢できるような表現者になれればうれしいです。もっと成長して、いろいろな役を通じて皆さんに元気を届けたい。そんな思いで、これからも頑張っていきます!

第15回「声優アワード」で、新人女優賞を受賞した和氣あず未さん
第15回「声優アワード」で、新人女優賞を受賞した和氣あず未さん


●わき・あずみ/9月8日生まれ。東京都出身。俳協所属。「アイドルマスター シンデレラガールズ」(片桐早苗)でデビュー。主な出演作に「おしえて! ギャル子ちゃん」(ギャル子)、「ウマ娘 プリティーダービー」(スペシャルウィーク)など。2020年1月「ふわっと/シトラス」でアーティストとしてデビューするなど、マルチに活躍中

第15回「声優アワード」で、新人女優賞を受賞した和氣あず未さん
第15回「声優アワード」で、新人女優賞を受賞した和氣あず未さん

第15回「声優アワード」で、新人女優賞を受賞した和氣あず未さん
第15回「声優アワード」で、新人女優賞を受賞した和氣あず未さん


撮影=田上富實子 取材・文=星政明

第15回「声優アワード」受賞者、受賞作品(敬称略)

●主演男優賞:津田健次郎
●主演女優賞:石川由依
●助演男優賞:子安武人、島﨑信長
●助演女優賞:上田麗奈、鬼頭明里
●新人男優賞:伊藤昌弘、小林千晃、土屋神葉
●新人女優賞:逢来りん、市ノ瀬加那、杉山里穂、藤原夏海、和氣あず未
●歌唱賞:ワルキューレ
●パーソナリティ賞:安元洋貴
●功労賞:増山江威子、津嘉山正種
●シナジー賞:プレミア音楽朗読劇「VOICARION IX 帝国声歌舞伎~信長の犬~」
●富山敬賞:関俊彦
●高橋和枝賞:榊原良子
●キッズファミリー賞:中川里江
●外国映画・ドラマ賞:山路和弘、小宮和枝
●インフルエンサー賞:小岩井ことり
●MVS(Most Valuable Seiyu):下野紘
●特別栄誉賞:鬼滅の刃
※今回は、ゲーム賞の該当者なし
※今回は、特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰しました。