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カントーーク!~原作物アニメってどうやって作るの?~ 上江洲誠氏主催トークライブ「BONKLIVE 2022秋 ~NO WAY HOME もっと楽しいバージョン~」レポート

2022年10月27日 20:00配信
カントーーク!~原作物アニメってどうやって作るの?~ 上江洲誠氏主催トークライブ「BONKLIVE 2022秋 ~NO WAY HOME もっと楽しいバージョン~」レポート
カントーーク!~原作物アニメってどうやって作るの?~ 上江洲誠氏主催トークライブ「BONKLIVE 2022秋 ~NO WAY HOME もっと楽しいバージョン~」レポート

さる9月24日に阿佐ヶ谷ロフトAにて、脚本家の上江洲誠さんが主催・MCを務めるアニメスタッフによるトークライブ「BONKLIVE(ボンクライブ)」が開催されました。今回はDJつむじさんが復帰してゴキゲンな楽曲群が流れました。

まずは上江洲さんのインフォメーション。
最終回を迎えた漫画「神サー!」は現在単行本作業中で、まもなく4巻、5巻が発売されるそうです。
それから新番組「クールドジ男子」は10月10日放送開始、「この素晴らしい世界に爆焔を!」は来年放送予定と告知されました。

カントーーク!~原作物アニメってどうやって作るの?~ 上江洲誠氏主催トークライブ「BONKLIVE 2022秋 ~NO WAY HOME もっと楽しいバージョン~」レポート
カントーーク!~原作物アニメってどうやって作るの?~ 上江洲誠氏主催トークライブ「BONKLIVE 2022秋 ~NO WAY HOME もっと楽しいバージョン~」レポート

次に、7月3日に開催された「READPIA朗読劇 この素晴らしい世界に祝福を!~紅魔族の矜持の下に!~」のメイキングトーク。演出の鈴木智晴さんと、アンダーキャスト(代役)を務めた声優の八木澤実里さん、羽野花奏さんが登壇しました。
通常このような一日限りのイベントの場合、キャストの皆さんは当日に集まってリハーサルを行ない、そのまま本番に臨む事が多いようです。ですが鈴木さんは前もってのリハーサルを行いたいと思い、アンダーキャストをしてくれる声優さん達を集めました。数週間前から稽古場でリハーサル。そして当日会場でのリハーサルで、キャストの皆さんはアンダーキャストの皆さんから演出プラン等を引き継いで本番を迎えました。上江洲さんからは、周到な準備ができたからこその大成功であったと語られました。
アンダーキャストの皆さんは、なるべく本番キャストの皆さんと声質が合った方々を探したとの事。アンダーキャストの皆さんも、演じるキャラだけでなく、キャストの皆さんの他作品も研究して取り組んだと語りました。
また八木澤さん、羽野さんは現在バーチャルYouTuberとしても活躍していると紹介されました。どのようなVTuberなのか、ぜひご覧になってください!

カントーーク!~原作物アニメってどうやって作るの?~ 上江洲誠氏主催トークライブ「BONKLIVE 2022秋 ~NO WAY HOME もっと楽しいバージョン~」レポート
カントーーク!~原作物アニメってどうやって作るの?~ 上江洲誠氏主催トークライブ「BONKLIVE 2022秋 ~NO WAY HOME もっと楽しいバージョン~」レポート

次に、10月28日16時にサービスが終了するスマートフォンゲーム「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき(略称、ゆゆゆい)」の五年間の軌跡を、株式会社オルトプラスのディレクターである二ツ森さん、Studio五組プロデューサーの青木隆夫さんが振り返りました。そして青木さんのTwitterで募集した質問に、二ツ森さんが答えました。

――ゆゆゆいの開発で大変だったことは?
フルボイスです。断トツ一番大変でした。ただ、僕が今の記憶を持って六年前に戻ってもまたフルボイスにします。フルボイスであってこその「結城友奈」だと思っていて、今もその気持ちは変わりません。

――「石紡ぎの章」の「石紡ぎ」とは、どのような意味が込められたタイトルですか?
「意思を紡ぐ」と掛けています。また、花の傍には常に石があるように、花(勇者)に寄りそう者達のエピソードという意味合いです。開発メンバーからの提案を採用しました。

――香川、観音寺の風景がたくさん描かれていますが、ロケハンを行なったのはスタッフさんですか?
観音寺の某旅館に宿泊した時、番頭さんに地元の方をご紹介していただき、観光案内してもらいました。その時に撮った写真を元にしています。あとGoogleEarthという文明の利器を参考にしています。またグループ会社であるオルトプラス高知のスタッフに、高知ならではの知識や意見を聞きました。

――「赤嶺友奈の章」の続きは存在するのですか?
タカヒロさんの中にはちゃんと存在していると思います。

――「ゆゆゆい」は正史に含まれますか?
まず「ゆゆゆい」は時間軸としてはアニメ1期と2期の間の出来事としていて、なのでアニメ2期は「ゆゆゆい」を経た後だと僕は思っています。ただ「ゆゆゆい」の中で「記憶が失われている」と語っている通り、断言はできません。僕の個人的な見解として、「ゆゆゆい」で得た経験を心の中では持っていて、それが活きて「大満開の章」があったのではと思っています。
……上江洲さんは補足として「皆さんが自分にとって一番良いと思う解釈でいてくれるのが正解で、物語に想像をはせて楽しんでいただけていることが自分にとっての幸せです」と語りました。

――作中ではパロディや中の人ネタの逆輸入、東郷さんを筆頭にキャラの暴走などがありましたが、どなたが担っていたのですか?
暴走は大概、はるかさん(アニメ「結城友奈は勇者である ちゅるっと!」シリーズ構成・脚本も担当)です。パロディや中の人ネタは、タカヒロさんが結構お好きで、やっています。

等々、二ツ森さんが時間いっぱい回答しました。本イベントのメイキング兼、回答の続きのムービーが青木さんのYouTubeチャンネルでアップされています。チェックしてみてください!

そして、今回のメインイベント。吉平tady直弘監督、岸誠二監督と上江洲さんがテーマトーク「カントーーク!~原作物アニメってどうやって作るの?~」を繰り広げました。

――今まで原作物アニメを制作してきた中で、手応え・自信があったことは?
吉平 プレスコ(音声を先に収録して、映像を後から付ける手法)ですね。僕の作品は全てプレスコなのですが、画はまったく無しで声優さん達にお芝居してもらいます。それは命が吹き込まれる瞬間で、キャストの皆さんとキャラクターを練り上げてゆく事で、声の演技だけで感動するものになった時、よっしゃ! となります。セルルックCGは下手すると人形アニメになってしまうので、初めに命を与えています。
岸 原作がさらに儲かった時!  我々は原作をお預かりする立場なので、アニメやった後に原作売れてますよ! と言われると、でしょ! と答える。つまりお客さんに喜んでもらえているという事、これに尽きる。
上江洲 そういう話でしたら僕からも一つ。このすば1000万部! こういうことだよね。
岸 手応えというか、結果として現れるのが爽快だよね。

――原作物は、どのように依頼が来るのですか?
吉平 僕の場合、こちらからラブコールさせていただく事が多いです。貴方の原作をアニメにするとこうなります、と懸命に口説きます。原作者の先生にもよりますが、いっぱい話をします。
岸 メーカーのプロデューサーから来る。たまに原作側から来るパターンもある。原作側からご指名されると嬉しいし、話が合って非常に有難い。
吉平 僕は、譲れない所は突っ張ってでも話し合って、そして仲直りします。
岸 若いなあ!

――尺や予算など制限があると思いますが、何を優先し、取捨選択しますか?
吉平 感情ライン。キャラクターの感情と、それを見る視聴者に抱いてもらう感情のライン。まずこれを大事にしないと、映像がどんなに良くても独りよがりになる。新キャラを出す前に、既存のキャラでもっと深くやれないかと置き換えを考えたりする。その代わり他をガスガス削ります。
岸 原作テーマ最優先。とは言っても、いろいろある。映像にするとおかしくなる場合もある。場合によるが、この原作の持ち味であり武器であると信じて、そのまま突き進んだ事もある。心中ですよ。
上江洲 原作テーマって、どう読み取るのですか?
岸 結局のところ、こっちの読み取り方による。例えば「ケンガンアシュラ」の場合、格闘漫画である事を最優先して組み立てていった。でも捉え方によって違ってくる。
上江洲 監督によっては、例えば拳願会の企業の話をもっと拾う場合もあるでしょうね。
岸 自分はエンタメ寄り。ようは金勘定。どうしたら売れるかとテーマ性を結び付けてゆく。それ結局はお前の解釈やんけ! と言われるかもしれないけど、仕方なし。映像化にあたって何か一本筋を通さないといけないので。
上江洲 脚本家からすると、監督のそういう狙いはハッキリ持っていてほしいですね。
岸 業界によっては、こういう事はプロデューサーが決めたりする。依頼する側が。
吉平 アメリカは特にそうですね。
岸 監督はあくまでディレクション、映像を作る立場に置かれる。そこから突き抜けて、作家性を持ってプロデュースまで受け持ってるのがルーカスとかスピルバーグ。我々はお金を払わないどころか、お金を貰ってやらせてもらっている特異な立場。その代わりヒットさせないと殺される(笑)。なので自分の場合、原作テーマ優先と言いつつも、エンタメにするにあたって原作から何を優先して引き出すか。

――原作物を制作する面白さを教えてください。
岸 手応えにも似てるけど、原作超え! と言ってもらえた時。それって映像化した意味があるって事だから。当然原作を踏まえた上で、映像化にあたってこういう解釈にしてみましたが、どうでしょうか? とお客さんに問うわけだから。
吉平 オーケストラの指揮者、的な喜び。岸さんが言ってる事と同じですね、原作をより面白くしたいわけですよ。原作がある、つまり楽譜は決まっている。それを自分達の編成で演奏したらどうなるかが腕の見せ所。自分達がやる意味を求めちゃいますね。カバーバンドでオリジナルより良いじゃんと言われたい、みたいな承認欲求。
上江洲 大事ですね承認欲求。あとtadyさんは物の例えがオシャレ。岸さんは金の話しかしてない(笑)。

――これから自分がやりたい原作作品を教えてください。
上江洲 僕は「暗殺教室」が好きだ! やりたい! と言ってたら仕事が来たので、どんどん言うのが良いと思います。
吉平 ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」。大人も子供もワクワクするし、CGでやる醍醐味がある。
上江洲 見たい。TV2クールくらいか、映画3部作か。
岸 俺はまず「連ちゃんパパ」。いいから俺にやらせろ。夜のサザエさんとしてお送りしたい、日本の闇の家庭を描きたい。そしてやっぱり「銃夢」。ずっと言ってる。あとバイオレンス全般。いいから暴力物は全部よこせ、いい感じにするから。
吉平 あと「空挺ドラゴンズ」の続き! 作りたいです!
上江洲 まったくです。僕ら作りたいと常々言ってます! 聞いてますか+Ultraの方? いまあなたの脳に直接語りかけています。
岸 あと「のわゆ(イラストノベル「乃木若葉は勇者である」の略称)」。見たいよねー。
上江洲 やるなら僕は2クール欲しい。僕の好みだけど、元の話を知ってる人でもビックリするようなプラスアルファを足したい。まだ描かれていない部分を足すとか。4年後の勇者部の物語と、2つの時間軸が交差して、どこかで物語がリンクする瞬間があるとか。
岸 やだステキ! やりてえー!
上江洲 僕は……「ファイアパンチ」やりたい!  あと「宇宙英雄物語」。ずっと言ってる。岸さんの「銃夢」と同じ。
岸 実は「連ちゃんパパ」は、何度も企画に上げてるけど毎回蹴られてる。みんな口揃えて「これどう商売にするのか分かりません」と言う。ですよねーって思う。けど絶対話題になるし、内容は圧倒的に面白い。いつか日本の深夜帯で放送される日が来るはずなので、その時はよろしくお願いします!
……と岸さんがオチを付けて、大盛り上がりでトークは終了しました。

カントーーク!~原作物アニメってどうやって作るの?~ 上江洲誠氏主催トークライブ「BONKLIVE 2022秋 ~NO WAY HOME もっと楽しいバージョン~」レポート
カントーーク!~原作物アニメってどうやって作るの?~ 上江洲誠氏主催トークライブ「BONKLIVE 2022秋 ~NO WAY HOME もっと楽しいバージョン~」レポート

そして……特報! なんと次回のBONKLIVEは「結城友奈」の舞台である香川で開催です!
「BONKLIVE in KANONJI」のTwitterアカウントをチェックしてみてください!

【取材・文:山田花名】