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「未来のミライ」公開記念! 連続開催された細田守監督出演のふたつのイベントをレポート!

2018年07月20日 22:07配信
「未来のミライ」公開記念! 連続開催された細田守監督出演のふたつのイベントをレポート!

左から細田守監督と、吉田尚記さん(ニッポン放送アナウンサー)

(C)2018 スタジオ地図

細田守監督の最新劇場用アニメーション「未来のミライ」の全国公開を記念して、公開直前となる7月19日(木)に角川シネマ新宿とTOHOシネマズ新宿にて細田監督出演のイベントが連続で開催されました。

角川シネマ新宿で行なわれたのは、“『未来のミライ』見る前にあの名作を観よう!スペシャル上映会”。7月28日(土)より角川シネマ新宿にて開催される“細田守フィルムフェスティバル”に先駆けての開催です。こちらのイベントには、細田監督がサプライズ出演し、吉田尚記さん(ニッポン放送アナウンサー)とともに歴代作品に関わるトークショーを繰り広げました。

細田監督作品の大ファンの吉田さんは、アニメファンの視点に立った切れ味の鋭い質問をいくつも投げかけました。その中で細田監督は、「各作品はそれぞれ異なるモチーフですが、連続性をもっています」と語り、「子供が見ている世界の可視化と、爽快なアクション性」の、細田作品の根底に流れるふたつの柱を挙げました。また、「『サマーウォーズ』は子供だからといって大人にバカにされない世界観だと感じました」という吉田さんの感想に、細田監督は「おばあちゃんがケンジを見込んだのは、功績があるからではなく、この人なら失敗しても許せると思ったから。かつて功績が少ない僕が抜擢され、監督という大役を任せてもらえたことへの経験が反映されています」と、自身の経験と作品の関わりについて語っていました。

細田監督は「『未来のミライ』で細田監督がチャレンジされたものは何ですか」という質問に、「主人公が4歳であること」とコメント。誰をターゲットにして作品を作ろうとしているのかと周囲に尋ねられたことを振り返りつつ、『デジモンアドベンチャー』を製作した経験から、子供の視点から見た世界を描こうとした経緯を語りました。そして「この作品は僕が子供だったときのことを思い出し、自分が子供時代と対話する気持ちで作りました」というコメントから、細田監督の子供という存在への想いが感じられます。「大人では気付けない、子供だからこそ見えるものを素直に描いた」という最新作に要注目です。

なお、このイベントでは、“細田守フィルムフェスティバル”で上映される作品から、「劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」と「サマーウォーズ」が高解像度にデジタル処理したもの上映で披露されました。細田監督は「劇場版フィルムをBlu-ray・DVD用にデジタル化したものを、さらに高解像度処理した映像です。作品を高画質でみなさんにご覧いただける意義は、大変大きいと思います」とコメント。“細田守フィルムフェスティバル”では高画質映像で歴代作品が上映されるので、ぜひ足を運んでみてください。

続いてTOHOシネマズ新宿で開催されたのは、「未来のミライ」のティーチイン舞台挨拶&世界最速上映。公開日となる7月20日の0時よりの世界最速上映に先駆けて、主人公・くんちゃん役の上白石萌歌さんとともに細田監督が登壇しました。この舞台挨拶では、当日来場してくれたファンへの感謝のことばとともに、司会やファンからの質疑応答が展開されました。

新たな家族の物語を描こうと思った経緯を尋ねられた細田監督は、「僕のふたりの子供たちを見ていて、赤ちゃんが家に来るというのはささやかだけど、冠婚葬祭に並ぶ大イベントだと思ったから」ときっかけを説明。また、4歳の男の子を主人公に据えることについて、「自分の4歳の子供を見ると随分いろいろなことを考えています。たとえば親の愛情を奪われて泣き叫ぶこと、そこには人間の原型があると思います。純粋な子供の世界を描くことで、純粋な映画を作ろうと思います」とコメントしました。

また、くんちゃん役のオーディションの経緯について尋ねられた上白石さんは、「元々はミライちゃん役のオーディションを受けに行ったんですが、監督にくんちゃん役の台本も読んでほしいと言われ、とてもびっくりしました」と当時を振り返りました。これについて、細田監督は「くんちゃん役はリアリティを重視して本物の子供か、演技力に期待して大人の女性に演じてもらおうと思っていたのですが、もかちゃんを見てこの子だ! と思いました。まさか当時高校3年生だったもかちゃんが適任だったとは思わず、固定観念を打ち砕かれた思いでした」と語っていました。

収録当時の思い出について、上白石さんは「てっきりひとりずつ別録りするのだと思っていたら、細田監督のルールとしてアフレコはその場にいるキャスト全員が参加するというのがあって、びっくりしました」と回想。さらにおとうさん役の星野源さんや、おかあさん役の麻生久美子さんも交えて、本物の家族のように接してもらえたと楽しそうに語りました。

上白石さんが役を演じている間は、4歳の男の子に接するような態度を自然と取っていたという細田監督が、「後になってもかちゃんが大学生になっていたことに気付き、4歳から大学生に急成長してびっくりしました」と語って会場の笑いを誘う一幕も。和気あいあいとした収録風景の様子がうかがわれます。

それぞれの思い入れ深いシーンについては、上白石さんは「くんちゃんが怒っているシーンは、床にのたうち回って全力で怒りを表現しています。自分の中にこんなに強い感情があったんだなと気付かされました」とコメント。細田監督は「子供が見ている世界には、大人が忘れてしまったものがいっぱいあります。子供は未熟なのではなく、大人とは違う物の見方をしているということを思い出せる作品です。この映画では、そういった部分に注目してください」と本作を楽しむヒントをくれました。

細田監督が3年をかけて〝家族の絆〟を描いた感動の最新作「未来のミライ」。ご自身の家族のことを思い返しながら楽しめる傑作に違いないと思わせるイベントでした。

【取材・文:石谷太志郎】

■劇場用アニメーション「未来のミライ」

全国ロードショー中

スタッフ:原作・監督・脚本…細田守/作画監督…青山浩行、秦綾子/美術監督…大森崇、髙松洋平/音楽…高木正勝/画面設計…山下高明/色彩設計…三笠修/CGディレクター…堀部亮/衣装…伊賀大介/プロダクションデザイン…上條安里、谷尻誠、tupera tupera、亀田芳高、小野令夫/企画・制作…スタジオ地図

キャスト:くんちゃん…上白石萌歌/ミライちゃん…黒木華/おとうさん…星野源/おかあさん…麻生久美子/謎の男…吉原光夫/ばあば…宮崎美子/じいじ…役所広司/青年…福山雅治

リンク:「未来のミライ」公式サイト

    「スタジオ地図」公式サイト