新作&おすすめアニメのすべてがわかる!「月刊ニュータイプ」公式サイト

rssボタン

アッセンブル!「BONKLIVE 2019TOUR追加公演」レポート

2019年06月24日 17:02配信
アッセンブル!「BONKLIVE 2019TOUR追加公演」レポート

2019年5月19日に阿佐ヶ谷ロフトAで開催された「BONKLIVE 2019TOUR追加公演」より

脚本家の上江洲誠さんが主催・MCを務める、不定期で行われるアニメスタッフによるトークイベント「BONKLIVE(ボンクライブ)」。今回は2019年5月19日に阿佐ヶ谷ロフトAで開催されました、本イベントのレポートをお送りします。

謎の新連載漫画「神サー!」とは!?

まずは今夏から来年にかけて上江洲さんが手掛ける作品「ケンガンアシュラ」「舞台 乱歩奇譚 ~怪人二十面相~」「映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」「ラディアン 第2シリーズ」「空挺ドラゴンズ」のインフォメーションが行われ、そしていよいよ本題。連載が始まったばかりの漫画「神サー!」について上江洲さんが語りました。

「神サー!」は上江洲さんと黒山メッキさんによる、今年4月から「コミックNewtype」にて連載を開始した漫画です。アニメクリエイターに憧れるオタク大学生の元にエジプトの神様が住み着くという、上江洲さんいわく「オバQタイプのコメディ」。主人公がアニメや映画について熱く語るさまは、まるで上江洲さんご自身のようだとのことです。

大阪芸術大学出身の上江洲さんが1996年の大阪の芸術大学を舞台にした青春物を描くということで、上江洲さん版「アオイホノオ」を思わせますが、それだけではない気配。1996年と言うと「新世紀エヴァンゲリオン」のテレビ放送が終わり「天空のエスカフローネ」や「機動戦艦ナデシコ」などが放送されている頃で、一体どのような物語になっていくのか楽しみです。また、作中にイメージ画として登場する主人公の憧れの方々、宮崎駿さん、押井守さん、庵野秀明さんのビジュアルはインパクト大!

とにかく「エンドゲーム」を語りたい二人!

続いてテーマトーク、現在公開中の映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」コーナー。上江洲さんと岸誠二監督が映画に登場する量子戦闘服のコスプレで登場! 大興奮でトークを始めます。

「アベンジャーズ/エンドゲーム」は、2008年の映画「アイアンマン」から続くマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の22作目にして完結作。お二人は応援上映で、マーベルファン達と共に大はしゃぎ。壇上のモニターには、お二人がヒーローのコスプレをした方々と並んで撮った写真が並びました。お二人とも21作目まで長年追ってきただけに、「ともかく泣ける!」と感動もひとしお。これから「エンドゲーム」を見る方に向けて、これまでのMCU21本を「すべて見なさい!」と口を揃えました。

まとめとして、上江洲さんは「シナリオの構成が美しすぎる」、岸さんは「キャラ押しが徹底している」と語りました。

上江洲さんは、複雑でキャラの多い、3時間もある映画なのに面白いのは、尺の配分が正しいからだと評しました。序破急が1時間ごとのきっちり3幕構成なので内容が整理される、これは真に美しいとのこと。面白そうなのに退屈な作品は尺の配分を間違えているからで、それほどに時間の構成は大切だと説明しました。

岸さんは、ストーリーや設定の押し付けをせず、各キャラの面白いことしか起きないから退屈しないと評しました。難しい説明シーンもキャラの軽妙な会話のおかげで自然と理解できる作りが、勉強になったそうです。

声優・花守ゆみりさんをがっつり掘り下げる!

続いて声優の花守ゆみりさんを迎えてのトークコーナー。上江洲さんとは「結城友奈は勇者である-鷲尾須美の章-」三ノ輪銀、「レイドバッカーズ」本天沼久美、「ラディアン」セトと、まったく異なる役でお仕事をした仲。お二人でそれぞれのキャラについて語りました。

花守さんは三ノ輪銀を振り返って、他の仲間2人と違いお嬢様ではない家庭的な子で、そこを身近に感じたそうです。好きな気持ちが強くなりすぎて、演じ終えた直後は死んだことを自覚できない放心状態だったと語りました。

作中では銀の葬式シーンがあるのですが、残された側のドラマを描くことでその人物をより深く掘り下げられたことに、上江洲さんは作った甲斐があったと語りました。

花守さんは本天沼久美を演じるにあたり、「花守さんでいいんです。普段の声をください」と監督から指示を受けたとのこと。なので久美はローテンションな、普段の声で喋ったそうです。上江洲さんいわく「久美のイメージカラーは灰色。異世界出身の他キャラと違い、地味で現実的なキャラ代表」。花守さんは久美への親近感がとても感じているとのことで、キャスト陣の結束も強く、アフレコはとても順調に終わったそうです。

「ラディアン」のセトは初めての熱血少年主人公役ということで、花守さんは大変なプレッシャーだったと語りました。演じるにあたり、先輩の女性声優さんが少年を演じる作品をたくさん見て、自分なりの演じ方を模索したそうです。

ラディアン第17話は、敵対していた魔法使いハーメリーヌ(CV.内山夕実さん)と心が通じ合うも戦わねばならない第1シリーズのクライマックス。花守さんが「夕実さん(の演技)がずるい!」を連呼する感動回で、原作者のトニー・ヴァレントさんから「母親が泣いた」と制作スタッフに報告が届くほど。さらに内山さんのお母さんも泣いたと伺ったのことです。「ラディアン」はキッズ向けの殻を破ってハードな展開になってゆくそうで、この先も楽しみです。

公開後だから語れる「レイドバッカーズ」!

続いて劇場アニメ「レイドバッカーズ」の橋本裕之監督、吉田博プロデューサー、南健プロデューサーに花守さんを交えてのスタッフトークコーナー。

橋本さんいわく、この作品は「だらっとしたやつ」といきなりのぶっちゃけトーク! 元々は日常ギャグアニメを作ろうと始まった企画なので、戦闘シーンが意外と多くなって大変だったとのこと。劇場アニメだから見応えとして派手なシーンを入れたので、もしTVアニメだったらずっと駄菓子屋でだらだらしていたかったそうです。この作品は、TVシリーズがあると仮定して作られた劇場版というユニークな作品で、長いシリーズ内の1エピソードのような話になっています。上江洲さんは「キャラがいかにもな自己紹介をする物が好きではないので、本作では意識的に自己紹介をしない物を作ろうとして、それはとても成功した」と語りました。

壇上のスクリーンにキャラクター原案・鈴木次郎さんの絵を映しながら、キャラ説明が行われました。ハラミ、舞、K達の転生前はダークファンタジー風のかっこいい姿で、上江洲さんからは「ゲッターロボ」の「ゲッターチーム」のイメージで発注したとのこと。「ですがこの前世の姿は冒頭にだけ登場する言わばハッタリで、本編ではほとんど出ません」とやり過ぎな仕掛けを明かし、会場を沸かせました。転生後は一転、みんなゆるくかわいい日常的な姿になっています。

他にも、犬のアーネリア(CV.内山夕実さん)のイメージイラストが披露され、完成したアニメ以上に局部が開けっぴろげに描かれていたことに会場は爆笑。アフレコの際、内山さんはこの犬のキャラクターに正しく動物の鳴き声らしい声で臨まれたのですが「もっと漫画みたいに露骨にワンワン言って!」という上江洲さんと橋本さんの理不尽なリテイクを要求され、役者魂を燃やして今の特徴的なアーネリアが完成したそうです。

また、2016年夏に作品の舞台である京都をロケハンした時のことを、VTRで振り返りました。大文字焼きや上賀茂神社を見に行ったり、駄菓子屋もたくさん取材したそうです。商魂逞しい駄菓子屋のおじいさんとの出会いが作品の内容に影響を与えたり、ハラミの「かき氷食べたい」「タクシー呼んでいい?」は実体験からのセリフだったりと、取材の成果があったそうです。

それから今後の展望として、「TVアニメ化したい!」「OVAシリーズとして続けたい!」「水着回やりたい!」「京都と滋賀で琵琶湖を挟んで戦争したい!」等と皆さんは好き放題に発言。自由度の高さこそがレイドバッカーズであると語られました。

そして終演……!

最後に抽選コーナー。様々なグッズがプレゼントされましたが、岸さんは着ていたエンドゲームの衣装とハルクバスターTシャツをその場で脱いでプレゼントにしました。興奮のあまり上半身裸となった岸さんの筋肉撮影会が突然に始まり、打撃系アニメ監督と称されてTwitter上に写真が拡散されました。

最後に岸さんは、NHK「みんなで筋肉体操」の出演者募集に応募したと告知しました。「本気で出演を狙っています! 目指せ紅白出場!」と、もはや何のイベントなのか分からなくなってきたところで、3時間半の濃厚濃密なイベントが終了しました。

各分野のすごい方々の創作論や作品の制作過程、その本気の熱量を伺える、大変興味深いイベントでした。定期的に開催されているのでぜひ実際にご覧ください。

今後の開催予定は上江洲さんのTwitter(@uezux)で告知されますので、チェックしてみてください!

終演後にサプライズ!?

イベント終了後の控え室に、なんと声優の内山夕実さんが遊びに来られました。

上江洲さんは肝を冷やしました。その理由は、前回のBONKLIVEで「結城友奈は勇者である」観音寺市コラボポスターが展示されたのですが、全種類の内の犬吠埼風先輩(CV.内山夕実さん)ポスターだけ展示し忘れていたからです。風先輩ポスターは今回の会場に奉られており、内山さんご自身に記念写真を撮ってもらったことで、無事ことなきを得たのでした!

【取材・文=山田花名】