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監督・神戸洋行×キャラクターデザイン・高品有桂対談インタビュー「水無月すう先生が描く男性キャラはかっこいい。男性キャラを描くときは、いまだに緊張しています」

2020年04月15日 23:30配信

いよいよ物語は世界の核心へ。衝撃的な展開を迎えたTVアニメ「プランダラ」。Web Newtypeのリレーインタビューでは、キャラクターデザインを担当している高品有桂さんと神戸洋行監督に、アニメのキャラクターデザインができるまでを伺いました。

――高品さんは原作の「プランダラ」をお読みになってどんな印象をお持ちになっていましたか?

高品 大変な内容だなと思いました。作画とか、いろいろな作業を考えると。実は原作を最初に手に取ったときはまだ、自分が描くかわからない時期だったんですよ。そのあとに、キャラクターデザインのオーディションを受けさせていただいたんです。だから最初は「自分に描けるか」ということは考えていなくて、おもしろい作品だなと思って読んでいました。

――神戸監督が高品さんにデザインをお願いしたのは、そのキャラクターデザインのオーディションの結果だったんですね。オーディションにはどのキャラクターを描いたのでしょうか。

高品 私がオーディションを受けたときは、リヒトーと陽菜だけを描きました。

神戸 オーディションをさせていただきましたが、(高品さんで)ほぼ一択でしたね。

TVアニメ「プランダラ」リヒトー
TVアニメ「プランダラ」リヒトー
(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会

TVアニメ「プランダラ」陽菜
TVアニメ「プランダラ」陽菜
(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会

高品 ああ、そうだったんですか。そのお話を聞けてよかったです。個人的には、別の人が描いたデザインも見てみたいなと思うんです。

神戸 高品さんのデザインは、原作を踏襲したかっこいい絵になっていたんです。他の方はどこか原作の絵と印象が違ったんです。

――実際に作品に参加することになって、原作の水無月すう先生の絵からキャラクターデザイン作業をされたと思います。原作の絵を、どのようにデザインしていこうとお考えでしたか?

高品 漫画家さんって連載をしていくうちに絵が変わっていきますよね。私がデザインをするときに読んだ原作の第1~3巻ぐらいって、キャラクターがかわいらしい印象があったんです。デザインした当時はとにかく「かっこよさ」と「かわいさ」をデザインに入れられるように描いていました。でも、4巻以降の絵はだんだん大人っぽくなっていく感じがあって。連載中の絵を見ると、もっと「大人っぽく」描いておけばよかったかなという気持ちが湧いてしまうんです。版権イラストを描かせていただくときは、そこが気になってしまいます。

神戸 原作はどちらかというと、頭身も高くて、頭が小さくて足が長い印象があって。でも、それをそのままアニメに落とし込むと、動かすときにバランスが崩れやすくなっちゃう。そこを高品さんはキャラクターをアニメで描くことを前提に描いてくださったので、ありがたかったです。

――この作品はシリアスな一面だけでなくコメディに振った表情も多い作品だと思います。キャラクターデザインをするときは、どのように作業をしていきましたか。

高品 ずーっと原作を見ながら描いていました。まず、原作のいい表情や好きな表情に付箋を貼っていき、その表情を自分で描いてみるんです。とにかく原作を読み込み、原作を模写する。「この子の泣き顔だったら、何巻の何ページ」「彼のキメ顔だったら何ページ」と覚えてしまうくらい描いていくんですね。あと、水無月先生のほかの作品も目を通してみて、先生のテイストを掴んでいく。そうしたところで、「こんな表情があるといいかな」と、いろいろ考えながら表情集(表情設定)を描いていくんです。キャラクターデザインは現場のアニメーターさんのたたき台になればいいと私は思っているので、なるべく描きやすくなるように、線も減らそうとしていたんですが……。

神戸 今回、線はなかなか少なくならなかったですね。リヒトーはマントをしているし……。

高品 軍服も階級章とかいろいろなものがついていますからね。

第9話よりリヒトーの階級章
第9話よりリヒトーの階級章
(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会

神戸 若干減らしましたけど、基本的なものは結局減らしていないんです。線を一番減らしたものは、太刀ですね。太刀についているヒモなどはかなりシンプルにしています。

――ご担当されたメインキャラクターで、水無月先生と多くやりとりをしたキャラクターは誰でしたか?

神戸 やっぱりジェイルですね。

高品 水無月先生は、ジェイルをとにかくかっこいいキャラクターにしたいとのことで、私も大事に描いていきました。おかげで、ジェイルはいまだに描くときに緊張してしまうんです。ジェイルは眼光の鋭さが大事なポイントだと思うのですが、メガネがあると、メガネのフレームによって目元が隠れてしまうことがあるんですよね。とくに目のハイライトがフレームに隠れてしまうと全体の印象が変わってしまう。漫画だとフレームを消すこともできるのですが、アニメではフレームを消す表現は難しいので、フレームと目の関係を描くのに苦労しました。

神戸 絵コンテではジェイルの目をわざと隠すような描き方をしていたり、いろいろと試行錯誤しています。

第14話よりジェイル
第14話よりジェイル
(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会

――高品さんが最も、筆が乗ったキャラクターは誰ですか?

高品 リヒトーやジェイルといった男性キャラクターはやっぱり緊張してしまうんですよね。女の子のほうが描きやすかった。たとえば陽菜ちゃん。陽菜ちゃんのけなげなところと、サバイバル術に長けているところ(笑)、いい嫁的な立ち位置のキャラクターなのかなと思って、母性のようななものが出るといいなと思って描いていました。一方、ナナさんは成熟した女性のように見えて、かわいらしいところがある。最初はお姉さんキャラとして出てきましたが、原作を読み進めていくと、かわいらしいところがたくさんあるなと思っていました。

神戸 陽菜ちゃんをはじめ女性キャラはみんな「ハの字眉毛」なんですよね。原作の雰囲気を再現しようと思うと、ここが難しいんです。

高品 そうですね。女性キャラは目と眉の位置が絶妙なんです。

神戸 だから女性キャラは、現場では難しいと言われています。でも、この作品の特徴でもあると思うので、大事に描こうと考えています。

第13話より陽菜のハの字眉毛
第13話より陽菜のハの字眉毛
(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会

――リィンやペレはどのように描いていますか。

高品 リィンとペレはほかの方がデザインしたものに、原作のニュアンスを再現できるよう、修正を入れさせてもらっています。リィンとペレも眉毛の場所が難しいんです。とくにペレは髪の毛を上げておでこをだしているので、眉毛の場所がすごく目立つんです。

神戸 ペレは難しい……。現場でも、一番描きづらいキャラクターだと言われていますね。

高品 そうなんですよね。とても難しい……。リィンに関してはずっと「かわいくなあれ、かわいくなあれ」と呪文のように唱えながら描いてました。

――監督も含め、男性のキャラクターで筆が乗るキャラクターは?

神戸 僕はおっさんを描くのが好きですね。アレク(アレクサンドロフ=グリゴローヴィッチ)のキャラクター設定は、ラフはほぼ自分が描いています。クリンナップはキャラクターデザインの方にお願いしましたが。

高品 そうだったんですね!

――シュメルマンは高品さんがお描きになっているのでしょうか。

高品 立ち姿だけ担当しました。

神戸 最初に別の方にお願いしていたデザインでは、シュメルマンのプロポーションが肉感的なスタイルになっていたんです。でも水無月先生の絵は、やはり足が長いシュッとしたプロポーションなんですよね。そこで高品さんに、立ち姿だけ修正していただこうと。

高品 細マッチョな感じを出すために、少しだけ調整をさせていただきました。あと、シュメルマンのよくわからない不気味さみたいなものは、やはり難しいんだと思います。

――高品さんは第12話以降、300年後の世界が舞台となる「過去編」のキャラクターでは誰をデザインしているんでしょうか。

高品 離人を担当しています。幼い感じで、背も低く……監督のリクエストで髪の毛を直しました。

神戸 高品さんから最初にあがってきた離人の髪の毛が、愁いを帯びたような感じだったんです。

高品 それで髪の毛を直線的に短くしたんですよね。ほんのちょっとした修正ですけど、それだけで印象が変わることもあるので。

神戸 そういう微妙な調整をして、かわいらしくて、元気な男の子を描いてもらいました。

TVアニメ「プランダラ」坂井離人
TVアニメ「プランダラ」坂井離人
(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会

――「過去編」のキャラクターをデザインするうえで、印象に残っているキャラクターは誰ですか?

神戸 道安(武虎)は難しいですね。色味も独特だし……。

高品 私、道安のキャラ表、好きなんですよ。私が描いているわけではないんですが。

――今回、デフォルメキャラクターの設定はつくっているんですか?

高品 つくっていないんですよね。

神戸 設定をつくるかどうかはかなり悩んだんです。でも、デフォルメキャラを活かすところが限られているので、作画をするときは原作を参考することにして、設定としてはつくらないという判断をしました。

――高品さんは本編の作画にも参加されているんですか?

高品 少しだけ原画修正をさせていただきました。たとえば、第2話の最後、リヒトーと別れたときの陽菜の泣き顔とか。やはり、かわいらしく見せたかったので。

――絶賛オンエア中ですが、高品さんは「プランダラ」に参加して、どんなご感想をおもちですか。

高品 今回は私自身があまり作画作業に参加できず、もどかしい気持ちをずっと感じています。現場の皆さんにはお世話になっているので、ぜひ皆さんの制作がスムーズに進むように、応援しております。

神戸 僕らもクライマックスの作業を進めているので、オンエアを楽しみにしてもらえるとうれしいです。

【取材・文:志田英邦】

■TVアニメ「プランダラ」

放送:TOKYO MX…毎週水曜25:05~

   テレビ愛知…毎週水曜26:35~

   KBS京都…毎週水曜25:05~

   サンテレビ…毎週水曜25:30~

   BS11…毎週木曜23:00~

   AT-X…毎週金曜23:00~ ※リピート放送あり

配信:dアニメストア…毎週水曜23:00~

   ※他配信プラットフォームでも順次配信

スタッフ:原作…水無月すう(月刊少年エース連載)/監督…神戸洋行/副監督…西片康人/シリーズ構成…鈴木雅詞/キャラクターデザイン…高品有桂、福地友樹、福田裕樹/音響監督…えびなやすのり/音楽…松本淳一/音楽制作…日本コロムビア/オープニングテーマ…「孤高の光 Lonely dark」伊藤美来/エンディングテーマ…「Reason of Life」陽菜(CV:本泉莉奈)、リィン(CV:小澤亜李)、ナナ(CV:伊藤 静)/アニメーション制作…GEEKTOYS/製作…プランダラ製作委員会

キャスト:坂井離人…中島ヨシキ/陽菜…本泉莉奈/ジェイル=マードック…梅原裕一郎/リィン=メイ…小澤亜李/ペレ…市川蒼/ナナ…伊藤静/園原水花…悠木碧/道安武虎…日野聡/坂井時風…石川界人/シュメルマン…関俊彦/アラン…東地宏樹/フィレンダ…三石琴乃

リンク:TVアニメ「プランダラ」公式サイト

    公式Twitter・@plundereranime