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「デカダンス」リレーインタビュー デカダンスデザイン・シュウ浩嵩「巨大なものが起こした巨大なエフェクトはアニメのロマン!」

2020年07月09日 00:30配信

ついに放送がスタートしたTVアニメ「デカダンス」。移動要塞デカダンスの圧倒的スケールに度肝を抜かれた人も多いはず。WebNewtypeのリレーインタビュー第4回は、デカダンスデザインのシュウ浩嵩さんに、このデザインや設定はどのようにして生まれたのかを伺いました。

デカダンス設定
デカダンス設定
(C) DECA-DENCE PROJECT

――「デカダンス」の物語と設定を知ったときの感想、印象はいかがでしたか。

シュウ 斬新な設定、ストーリーに驚きました。「デカダンスパンチ」の強烈な印象、全高3000メートルという圧倒的なスケール感。一見、ふざけているようでいて、どこかリアリティを感じる設定が面白かったです。デカダンスのデザインは、「無二」の依頼でした。多くの場合、既成のジャンルからパーツを選び、組み合わせて、バリエーションを模索すれば済みますが、今回は一から創造しなければならないオリジナリティに溢れた作品。大変ではありましたが、とてもワクワクしました。

デカダンス設定
デカダンス設定
(C) DECA-DENCE PROJECT

――シュウさんがデカダンスデザインを担当されることになった経緯を教えてください。

シュウ 「フリクリ オルタナ」で初めてNUTとお仕事をしたのがきっかけです(「フリクリ オルタナ」はProduction I.G、REVOROOTと共同)。そのときは「ロボットの頭が割れて中身が飛び散る」というシーンを描きました。特に設定などはなく、デザインを任せていただいたんですが、どうせ描くなら面白いものにしようと思ってディティールを詰めたところ、NUTの角木(卓哉)プロデューサーが気に入ってくれたみたいで。それで今回、オファーをいただきました。

――デカダンスのデザインに関して、立川譲監督をはじめ制作サイドからはどのようなリクエストがあったのでしょうか。

シュウ 最初は監督から「変形した手で攻撃する」という話をされました。それと「デカダンス」という名称と「3000メートル」の高さでしたね。とにかく制限が少なく、描きたいものを描かせていただいた感じです。イメージを画に固めるにつれ、いくつかの中間点で立川さんに直接添削していただきました。例えば両側にロープを垂らしたいとか、外装甲にもっとボロくしたいとか。部分的にできたデザインを少しずつ詰めていく工程でした。監督からも新しい発想をいただいたり。わりと細かめにコミュニケーションをとりつつ、リクエストに応えていく感じでした。

――デカダンスのデザインの原点、アイデアの源はなんでしょうか。何か参考にしたものなどはありますか。

シュウ 具体的に何かを参考にしたというよりも、自分のスタイルを築くために吸収してきた数々のデザインを「デカダンス」風にピックアップして表現しているのかもしれません。見た目の印象だけでいえば、世紀末風の「マッドマックス」シリーズや、クラシックで先端文明感もある「スターウォーズ」シリーズ、「ブレードランナー」、メビウス(ジャン・ジロー/フランスの漫画バンド・デシネの作家)や空山基のイラスト、「銃夢」、さらに「ベルセルク」も?(笑) 現実では中国の北部で広がる巨大で単調な工場、上海の高層ビル群など、多少でありますが影響は受けています。

デカダンス設定
デカダンス設定
(C) DECA-DENCE PROJECT

――デカダンスのデザインで、シュウさんがもっとも大切にしたことを教えていただけますでしょうか。

シュウ まずは「デカダンス」(退廃的)という単語の意味に着目しましたね。映像のデザインは、かっこよく見せるだけではなく、ストーリーや作品の舞台に繋がることも大事だと考えています。従ってタイトルやキーワード、脚本や人物などから手かがりを探りました。世界の上下関係は内部の縦構造に、デストピアは内部と外部のギャップに表すなど、文(ストーリー)はやがて画と通じると感じましたね。

今の時代は多くのデザインが先人たちによって作られていて、見たことのないデザインを考えるのは難しくなっているかもしれません。ただ、ストーリーを生かしたデザインが、観る側に「無二」の印象を残すケースはきっとあると思います。脚本にぴったりの「無二」さを大切にしてデザインしたので、物語に入ってそのデザインを見ていただけることで「無二」さを感じてもらえたらうれしいです。

――デカダンスの変形シーンは、とてもワクワクしました。あの変形機構はどのように考えられたのでしょうか。

シュウ 変形のデザインは実に大変でした。印象に残る難関と言いますと、手のひらの下のつなぎと支えのデザインや動き方。それに3000mのスケールが合わさってくるという(笑)。各パーツの自重や慣性も大きいですし、サイズを変えれば構造も変わります。これほど巨大なものが今の世にない理由は、重力や力学に縛られているからです。故に必ずファンタジーなウソ構造が必要になります。そこに車両工学専門の知り合いに助けてもらって、ウソと現実の混じり合ったメカニズムを生み出しました。とはいえ、これは本番映像ではほとんど見えない構造なんですけどね(笑)。

デカダンス設定
デカダンス設定
(C) DECA-DENCE PROJECT

――実際に動いているデカダンスをご覧になっての感想はいかがでしたか。

シュウ やっぱりかっこいいです! 演出を乗せたレンズ越しに見たデカダンスは本当にでかいです(笑)。スケール感が伝わっていると思います。第1話のクライマックスでパンチをするところは、エフェクトの原画も僕が担当しました。巨大なものが起こした巨大なエフェクトはアニメのロマンとも思いますね。あと、ナツメとパイプがかわいいです(笑)。

「デカダンス」PVより
「デカダンス」PVより
(C) DECA-DENCE PROJECT

「デカダンス」PVより
「デカダンス」PVより
(C) DECA-DENCE PROJECT

――シュウさんから見たカブラギとナツメの印象はいかがですか?

シュウ カブラギもナツメもすごくいきいきした演技で、豊かな人格が伝わってくるキャラクターです。近年、「おっさん×少女」の作品をよく見る気がするんですけど、それは生命力の差でドラマが生じるが故かもしれません。カブラギはたんなる年上ではなく、まったく違う存在ともいえるもので、ナツメとの接触でおきた火花はきっと違う色だと思います。コンテや脚本を見ていても、音が吹き込まれたアニメの映像になるとまったく新しい楽しみ方ができます。今後の展開に僕もすごく期待しています。

「デカダンス」PVより
「デカダンス」PVより
(C) DECA-DENCE PROJECT

「デカダンス」PVより
「デカダンス」PVより
(C) DECA-DENCE PROJECT

――最後に読者へメッセージをお願いします。

シュウ アクションが多く、エフェクトが派手なディストピア・コメディです!(とても個人的な感想) ファンタジーな世界だと思われそうですが、意外と我らの社会や生活に近いと感じてくるかも?と思います。ぜひ最後まで楽しんでいただきたいです。

【取材・文:岩倉大輔】

■TVアニメ「デカダンス」

放送:AT-X…7月8日より毎週水曜23:30~

   TOKYO MX…7月8日より毎週水曜25:05~

   テレビ愛知…7月8日より毎週水曜26:35~

   KBS京都…7月8日より毎週水曜25:05~

   サンテレビ…7月8日より毎週水曜25:30~

   BS11…7月9日より毎週木曜23:00~

配信:ABEMA…7月8日より毎週水曜24:00~ ※地上波先行・最速単独配信

   dアニメストア…7月11日より毎週土曜24:30~

スタッフ:原作…DECA-DENCE PROJECT/監督…立川譲/構成・脚本…瀬古浩司/キャラクターデザイン・総作画監督…栗田新一/キャラクターコンセプトデザイン…pomodorosa/サイボーグデザイン…押山清高(スタジオドリアン)/デカダンスデザイン…シュウ浩嵩/ガドルデザイン…松浦聖/音楽…得田真裕/音響監督…郷文裕貴/アニメーション制作…NUT/製作…DECA-DENCE PROJECT

キャスト:カブラギ…小西克幸/ナツメ…楠木ともり/ミナト…鳥海浩輔/クレナイ…喜多村英梨/フェイ…柴田芽衣/リンメイ…青山吉能/フェンネル…竹内栄治/パイプ…???

リンク:TVアニメ「デカダンス」公式サイト

    公式Twitter・@decadence_anime