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「弱ペダ」作者に聞く女性人気と少年向けへのこだわり

2015年08月24日 18:02配信
「弱ペダ」作者に聞く女性人気と少年向けへのこだわり

「劇場版 弱虫ペダル」の新キャラクター、吉本進。声優は宮野真守さんが務めます

(C)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/劇場版弱虫ペダル製作委員会

テレビアニメで2期5クール放送され、人気を博した「弱虫ペダル」。そして映画版として「劇場版 弱虫ペダル」が、いよいよ8月28日(土)に公開されます。これを記念して、原作者であり、劇場版にもシナリオ原案として参加する渡辺航さんに話を伺いました。2回に渡ってお送りしたインタビューの後編となる今回、話は劇場版新キャラクターから、現在の女性人気にまで及び――。

――劇場版の見どころは?

渡辺:新キャラクターの吉本進ですね。インターハイは怪我で出られなかった実力者が、いよいよレースで暴れ、ホスト校としての意地を見せるという。

――吉本進はどのようにして生まれたキャラクターですか?

渡辺:実際のロードレースでは、怪我や病気で出られないという状況はよくあるんですよ。もちろんマンガでは、全員フルコンディションで出られないと面白くありません。でも、そういう事情を抱えたチームがひとつくらいあってもリアルだろう、とはずっと思っていました。今回、熊本台一にそういう奴がいたとすれば、ロードレースの真実みたいな部分を描けるかなと思ってつくりました。

――他にも、そうしたことを考えてつくられたキャラクターはいますか?

渡辺:います。例えば、実際のロードレースでは選手がよくレース中に食べるんですよ。そうした部分を描くために、新開はレース中にとにかく食べるキャラクターにしようと、登場の1年くらい前から考えていました。あと、ロードレースはみんなサングラスをしています。マンガでは、そうするとキャラクターの見分けが付かないので、金城だけサングラスを付けるポジションにしています。

――吉本の深いバックグラウンドも考えられているのでしょうか?

渡辺:それは、別冊少年チャンピオンで連載中の「弱虫ペダル SPARE BIKE」で少し描いています。熊本台一は田浦と吉本が二人でつくってきたチームで、インターハイでリーダーゼッケン、もしくは優勝を取ろうと頑張っていたところで、吉本が怪我してしまった。今回がフルコンディションで出られる最後のレースになっちゃったということで、強い意気込みもあるしょう。

――では「弱虫ペダル SPARE BIKE」を読んでおくと、より映画が楽しめそうですね。

渡辺:熊本編だけは、読んでおいたほうがいいかもしれませんね。でも、まだコミックスになっていないのでバックナンバーを探さないといけないですけど…映画の特典として小冊子を付けますか(笑)。(※:公式パンフに掲載予定です)

――テレビアニメの放送で女性ファンも増え、ロードバイクに乗り始めたファンも多いようですが、こうした人気ぶりは予想はしていましたか?

渡辺:週刊少年誌での連載なので、基本的には少年向けに描いています。ただ、最初はサイン会に男性が多かったのに、いつからか「女性が増えたなぁ」と。100人中男性が3人くらいということもあって(笑)。女性のほうがチケットを取るスピードが早いのか、こういった競争が強いのか。ただ、(発行元の)秋田書店によるとコミックスは男女同じくらい売れているとのことなので、少年ファンや男性ファンと女性ファンは同じくらいいると思います。

――女性への人気の理由をどう考えますか?

渡辺:友達のある女性マンガ家によると、「弱虫ペダル」は女性が絶対に入り込めない男の部活を体験できるのがいいそうです。上下関係のなかで、上の命令を聞いて下が頑張り、それを上が褒めるというところですね。僕はまったくそんなことを狙っていなかったのですけど(笑)、「なるほど」とは思いました。本当に少年向けに描くなら女の子が目立って、サービスシーンがあればいいのかもしれません。ただ、僕としては「それは違う」と思っています。例えば、女の子が「頑張って!」と言うだけで、読者にはキャラクターたちが女の子のために頑張っているふうに見えてしまう。そうではなく、総北のメンバーや彼らのサポートをする人たちは、自分たちが積み上げてきたもののために走っているんです。だから、寒咲さんがゴール前で「頑張って」と励ましてキャラクターが頑張るというのは違う。彼女はあくまでサポートのひとりなんです。ということで、寒咲さんの出るコマが小さくなり、出番が減るという現象が起こっちゃってるんですよね…。

――その寒咲さんもアニメのエンドカードでは活躍していました。

渡辺:あれはアニメの人に遊んでもらいましたね。坂道君がぷら~っとか、やり過ぎだと(笑)。あそこも、劇中が真剣だからこそ映えたんだと思います。

――そんな女性ファンに人気の金城世代ですが、「弱虫ペダル SPARE BIKE」以外に彼らが活躍するスピンオフは考えられていますか?

渡辺:スピンオフについては、今は「弱虫ペダル SPARE BIKE」を一所懸命に描いているので、それを頑張るだけです。僕は「これもアニメ化してくださいよ」とお願いしているんですけど(笑)。【取材・文=はるのおと】

リンク:「劇場版 弱虫ペダル」公式サイト

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