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「甘々と稲妻」シリーズ構成・広田光毅に聞く“父と娘の物語”

2016年08月15日 16:24配信
「甘々と稲妻」シリーズ構成・広田光毅に聞く“父と娘の物語”

第4話「きらいな野菜とコロコログラタン」より

(C)雨隠ギド・講談社/「甘々と稲妻」製作委員会

7月から絶賛放送中のテレビアニメ「甘々と稲妻」。雨隠ギドさんによる漫画が原作の本作は、各話が放送されるごとに話題を呼んでいますが、これは出演陣の好演や、きめ細やかなアニメーションが、料理を通じた父ひとり娘ひとりの親子と女子高生の交流を情感豊かに描き上げているからこそ。

そこで今回は、「甘々と稲妻」の物語づくりに迫るべく、本作でシリーズ構成を務めている広田光毅さんをインタビュー。テレビアニメだけでなく映画やドラマ、舞台など幅広く手がけている広田さんから語られたのは、作品に対する深い理解と愛情でした。

――広田さんが「甘々と稲妻」に携わることになったのは、どんなきっかけでしょうか?

アニメ制作を担当したトムス・エンタテインメントの文芸担当・小宅さんから声をかけていただきました。小宅さんとは以前、同社制作の「イタズラなKiss」「BRAVE10」などでご一緒させていただきました。

「子供のいるライターを」という岩崎監督のリクエストで私に声をかけていただいたようです。初めて小宅さんとお仕事をした「イタズラなKiss」の当時、長男が生まれました。当時、ミルク代とオムツ代を稼がせていただいたご恩もあるので「こいつは断わるわけにはまいりますまい」という感じでした(笑)。

――原作コミックはご存知でしたか?

すみません。お話をいただいた時に、初めて知りました。ただ、姉の娘である姪っ子はアニメ化が決まる前からファンで読んでいたようで、アニメ化が決まった際に、私の姉に連絡してきて「一押しアニメ」とプッシュしてくれたそうです。

――原作コミックに触れて、どのような作品だと思われましたか?

ゆったりとした時間の流れが魅力的な作品。ページをめくると、第一話の「土鍋ごはん」の蓋を開けた時に香る炊き立てご飯の香りがする印象です。土鍋ご飯、私も食べたことがありますが、本当に香りが良くて美味しいんですよね。

――作業を前に、どのようなアニメにするかなど、岩崎監督とは、どのような話をされましたか?

原作にある「娘に美味しいご飯をたべてもらいたい」という、父親の気持ちと娘との関係性を、より強調できるアニメにしましょう、と。奇をてらわず、原作の持つ「ゆったりした時間」と「間」を大切にしようと。そのために、原作にある、キャラクターのモノローグをアニメでは一切使っておりません。ここは岩崎監督の強いこだわりでした。監督は「娘・つむぎの目線」を、私は「犬塚の親としての目線」を大事に、意識していたように思います。

――原作コミックは現在7巻を数えていますが、アニメで描かれるエピソードを選んだポイントを教えてください。

実際、アニメの脚本作りを始めた段階では4巻までしか原作コミックは刊行していなかったので、エピソードはその中から選抜しました。

アニメは1クール12回分しかありませんので、やはりできるだけバラエティに富んだ流れにしよう、と。主食も入れたいし、お菓子も入れたい――ここは構成時、一番の悩みどころでした。

ただ、エピソードとして、1話完結でありながら「犬塚とつむぎの成長というか、変化」みたいなものがみえてくるエピソードは意識的に入れるようにしました。あとはしのぶや八木の登場回に関してはできるだけ入れるようにしました。

あと、5話でドーナッツを1度失敗する部分はアニメオリジナルですが、これに関しては、やはり料理は素人に近い犬塚なので、あまり毎回順調に進むのではなく、できるだけ早い段階で1度失敗を描くのも必要なのでは?と提案して入れさせていただきました。

――他作品では、原作の複数エピソードを使ってアニメの1話を構成されがちですが、本作ではアニメ1話に対して原作1エピソードのみを使用されています。この構成のポイントを教えてください。

ポイントというか……原作が基本、1話完結ですので(笑)。やはり「お父さんが娘のために料理を作る」お話ですから。原作を2つまとめると無理があるというか、詰め込み過ぎになりますね。

イレギュラー的に、原作の別々のエピソードを組み合わせてアニメの1話分に構成したエピソードはありますが、これはドラマ部分のエピソードをどうしてもやりたかったのですが、同時にどうしても採り上げたかった料理があって、やむを得ずの措置でした。

ただ、先に述べたように、この作品は「ゆったりした時間の流れ」に魅力があると個人的には思っていますので、アニメ1エピソードに原作1回分。それがベストだと思います。

――続いて、メインキャラ3人とそのキャストについてご感想やエピソードをお願いします。まずは犬塚公平と彼を演じる中村悠一さんについて。

ヘンな表現ですが、「不器用な自然体」というんでしょうか。でも、一所懸命な愛情表現が魅力的ですね。

中村悠一さんは、個人的には父親の声という印象が今までなかったのですが、実際にアニメを見てみると、父親の愛情が画面から溢れ出てくる感じがして素晴らしいですね。1話では「娘に美味しいご飯を食べさせたくて!」という犬塚の台詞だけで涙腺崩壊してましたから、私(泣)。

――では、続いて公平の娘・つむぎと、彼女を演じる遠藤璃菜さんについては?

つむぎ……いや、もうホント、かわいい!!

遠藤さん…いや、もうホント、かわいい!!

2人に共通しているのは、「全力」っていうか「生命力」を感じる、ということでしょうか……ああ、自分も歳取ったと思います(笑)。

――飯田小鳥と、小鳥役・早見沙織さんについてはいかがですか。

食に対する溢れんばかりの愛情。きっと食材と作ってくれる人すべてに感謝できる人。だから自分でも気づかないうちに、大きな母性を出せる人。

早見さんの小鳥は、女子高生と母性、そして時々垣間見せる天然っぷりが最高にハマっていて素敵ですね。

――ちなみに、お気に入りのキャラは誰でしょうか?

全キャラ大好きです。強いて誰かひとりと言うなら、八木ちん。

――それでは最後に、アニメ後半の見どころをお願いします。

前半以上に、つむぎのいろいろな表情や感情が炸裂していきます。犬塚はより「おとさん」ぽい犬塚に、つむぎはより「かわいい」つむぎに、小鳥はより食欲旺盛に! ジワッとくる「あの」エピソードもいよいよ登場します。

後半戦も、どうぞみなさん、カウンターの向こうから犬塚父子と小鳥を優しく見守ってあげてください。そして観終わった後、「明日誰かとご飯食べようかな」と思っていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

■テレビアニメ「甘々と稲妻」

放送  :TOKYO MX…毎週月曜25:05~

     読売テレビ…毎週月曜25:59~

     BS11…毎週火曜25:30~

     AT-X…7月7日(木)より毎週木曜23:00~ ※リピート放送…毎週土曜15:00~他

配信  :dアニメストア・J:COMオンデマンド・J:COMオンデマンド メガパック・milplus(みるプラス)・auビデオパス・ひかりTV・U-NEXT・フジテレビオンデマンド・アニメ放題・GYAO!・ニコニコチャンネル・Google Play・楽天SHOWTIME・ビデオマーケット・HAPPY動画・Amazonビデオ・バンダイチャンネル・Hulu

スタッフ:原作…雨隠ギド(講談社「good!アフタヌーン」連載)/監督…岩崎太郎/シリーズ構成…広田光毅/キャラクターデザイン…原田大基/アニメーション制作…トムス・エンタテインメント/企画協力…シンエイ動画/製作…「甘々と稲妻」製作委員会

キャスト:犬塚公平…中村悠一/犬塚つむぎ…遠藤璃菜/飯田小鳥…早見沙織/小鹿しのぶ…戸松遥/八木祐介…関智一

リンク:アニメ「甘々と稲妻」公式サイト

    アニメ公式Twitter・@amaama_anime