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日本アニメ(ーター)見本市 資料集発刊記念トーク&サイン会前半戦に本田雄と前田真宏が登場、「アニメ(ーター)海の家 @ 渋谷2.5D」企画語り編

2016年08月17日 15:48配信
日本アニメ(ーター)見本市 資料集発刊記念トーク&サイン会前半戦に本田雄と前田真宏が登場、「アニメ(ーター)海の家 @ 渋谷2.5D」企画語り編

写真左より、前田真宏さん、本田雄さん、沖浦啓之さん。本田さん&前田さんは「企画語り」、本田さん&沖浦さんは「作画語り」に登場

さまざまなクリエイターが自由に短編作品をつくり、日本のアニメーターの魅力を伝える企画「日本アニメ(ーター)見本市」。今夏に関連本が発売されることから、「アニメ(ーター)海の家 @ 渋谷2.5D」として、参加クリエイターのトークイベントが開催されました。

第1回目は「企画語り」と称して、「西荻窪駅徒歩20分2LDK敷礼2ヶ月ペット不可」を共同監督した本田雄さん(原案・キャラクターデザインも兼任)と前田真宏さん(絵コンテ・演出も兼任)が登壇。司会は本作を手掛けたスタジオカラーの制作進行・里見かなさんが務めました。

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最初の話題は、この作品の成り立ちから。

「そもそも僕が本田くんといっしょにやりたいというところから始まったんです。本田くんに『あのさー、何やりたい?』とゴニョゴニョと話したら、『コビトの話がやりたい』と」(前田)

「俺はとにかく楽がしたかったので出来るだけ簡単に描ける様な、例えば女の子が裸で走り回る様なものにしたいと言ったの。早く終わらせたかったから(笑)」(本田)

「師匠(本田)の絵はキレイなんですよね。デッサンが正確であり、フォルムが柔らかでしなやか。それで巨人が出てきて、小さい女の子が逃げ回るような企画を考えたんです。でも、そうしたらどんどんやりたいことが出てきて。いわゆるファンタジー的な空間ではなくて、僕らが普通に生活しているような場所でやれないかなと。そうやって僕がどんどん盛り込んでいったのを、師匠が『ちょっと待て』と止めてくれたんです」(前田)

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そして会話はキャラクターデザインと作画の話に。本作のキャラクターデザインの方向性は……なんと「少女漫画風」。

「今のアニメはキャラクターひとりにたくさんの(色の)塗り分けをする。それをやりたくなくて、もっとシンプルに描きたかった。そこで80年代の少女漫画風のキャラデをやってみたかった。必要最小限しか描いていない、たとえば目の描き込みは細かくても、輪郭は途切れ途切れにしか描いていない、ふわふわした感じ……」(本田)

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当初は本田さんひとりで全部の原画を描く予定だったが、前田さんのコンテの内容がハードになるに従い、ベテランアニメーターが参加することになったそうです。なお、当初「裸のほうが作画が楽」という本田さんの発想は、井上俊之さんや沖浦啓之さんといったアニメーターたちからは「生身の肉体のほうが描くのが大変」という意見があったとか。

「3Dアニメーターも舌を巻く沖浦さんみたいな人もいれば、アーティスティックな作画をする大平(晋也)さんもいる。すごくメリハリのある顔ぶれがそろいました。どのシーンもそうですが、頼みたいところを頼みたい方に描いていただけましたね」(本田)

「同じゴキブリでも、橋本さんと大平さんは対照的な描き方なんですよね。大平さんが足の毛の一本ずつまでていねいに描いているのに対し、橋本さんは原画を見てもよくわからない。でも、撮影するとすっごくリアルっていう」(前田)

「俺も最初はゴキブリを描こうと思ったんだけど、写真参考を見たら……うわー描きたくない!となって(笑)。あれ。けっこうキツイよー」(本田)

2人の監督に垣間見える、アニメーターとしてのこだわりと、演出家としての意地。楽しい会話の中に、時折ベテランならではのすご味が感じられる貴重なイベントでした。