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“まじめ”な赤羽根健治が落語に挑戦すると!? 「声優落語天狗連 第七回」が開催

2016年11月29日 17:00配信
“まじめ”な赤羽根健治が落語に挑戦すると!? 「声優落語天狗連 第七回」が開催

左から、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さん、赤羽根健治さん、橘家文蔵師匠、立川志ら乃師匠、サンキュータツオさん

11月19日(土)、東京・浅草の東洋館にて「声優落語天狗連 supported by 昭和元禄落語心中」が開催されました。

今回で7回目となったこのイベントは、テレビアニメ「昭和元禄落語心中」がきっかけで落語に興味をもってくれた人に、生の落語を楽しんでほしいと、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚紀さんと学者芸人・サンキュータツオさんの2人によって企画されたもの。

今回も、2人による軽快なトークからイベントはスタート。アニメ好き、落語好きにとっては辛い季節だったという1990年代に学生時代を過ごした2人ですが、「落語心中」が始まった時は“ようやく時代が俺たちに追いついた!”と、とても嬉しかったそうです。そして、作品をきっかけに落語に興味をもってくれた人に、もっと落語を楽しんでもらいたいという一心でこのイベントを企画したとのこと。「そうやって始めたイベントがもう1年を越えて続けられたのは、アニメ好き・落語好きの皆さんのおかげ」と、感謝の気持ちを語っていました。

そして話題は、今回、橘家文蔵師匠が口演する「芝浜」へ。作中では12話で助六が披露した有名な古典落語ですが、「なぜここまで有名になったのか?」という疑問を吉田さんがサンキュータツオさんにぶつけます。それに対し、サンキュータツオさんが、笑みを浮かべながら「僕に『芝浜』を語らせると長くなるよ~」と「芝浜」の成立と人気が出たと思われる理由を語ることに。

「芝浜」は、1900年に亡くなられた三遊亭圓朝の作といわれていますが、実際のところ圓朝全集にも公演記録にも「芝浜」の名前は一切なく、“圓朝作”と銘打って上演されたのは1901年の歌舞伎が初なのだそう。圓朝が存命だったころに弟子が口演している記録は残っているので、箔を付けるために“圓朝作”と付けたのではないか……というのが、サンキュータツオさんの見解です。

また、これほどまでに有名になった理由については、1964年の東京オリンピックに伴う再開発により、現在の竹芝桟橋付近にあった(「芝浜」の舞台である)魚市場と風景が無くなってしまった際に、当時人気絶頂だった3代目三遊亭三木助が改作し現在の形にしたところ、江戸っ子たちから景色を落語の中に残してくれたと大絶賛され、人情話の決定版という評価になったそうです。

そんなサンキュータツオさんの説明に、吉田さんは「今なら確実に築地市場がでてくる話ですね!」と切り返すと、場内は大きな笑いに包まれました。

ディープな話題でひとしきり盛り上がったところで、いよいよ声優落語チャレンジのコーナーへ。今回は、赤羽根健治さんが古典落語の「たぬき」に挑戦します。

赤羽根さんにお願いした理由について吉田さんは、「知っている声優さんの中で面白いくらいまじめだから」とコメント。まじめな人がどういう風に噺をやるのか、どうしても観たかったそうです。

そんな赤羽根さんの稽古風景もVTRで上映されましたが、映像の中の赤羽根さんはとにかく緊張した硬い表情……稽古番を務めた立川志ら乃師匠からは、「目指すのは大失敗です。大失敗を目指しなさい」と厳しい言葉が飛び出します。

硬い表情のまま登場した赤羽根さんは、以前のイベントで落語を披露した古川慎さんから借りた浴衣を着て登場。「古川くんのぬくもりに包まれてます」と挨拶すると、客席からは笑い声が。そんな声に少し落ち着いたのか、赤羽根さんはひょうきんなたぬきと、たぬきを助けた八五郎の会話を軽快なテンポで進めます。尻上がりに調子を上げていく赤羽根さんの噺に客席は大いに沸き、無事に噺を終えた赤羽根さんが深々とお辞儀をすると、客席からは大きな拍手が送られました。

そんな赤羽根さんの落語チャレンジに、志ら乃師匠は「丁寧な仕事をしようとする意識が強い、すごいまじめな人。それだけに落語を(自分の中に)取り込もうとして沼にはまってしまった。だから考えさせず、とにかく大きな声で話せ、演出とか気にするなという教え方にした」と稽古を振り返り。師匠の言葉に赤羽根さんは、「新人時代に“お前の仕事は喉をつぶすことだ”って言われたのを思い出しました。落語において新人なんだからと言われて、ストンと落ちてきた」とコメントしました。

「経験を積むと応用でなんとかなるようになるけれど、それは基礎ができているから。声優では基礎があるけれど落語では新人なので、基礎の大事さを思い出してくれ!って思いだった」という志ら乃師匠の言葉に、赤羽根さんはもちろん、吉田さんもサンキュータツオさんも大きくうなずいていました。

そしてイベントの最後を飾るのは、橘家文蔵師匠による「芝浜」。前述のとおり古典落語の有名作であり屈指の人情話でもあるこの噺は、大勢の名人が挑んだ、噺家の個性が強くでる落語です。文蔵師匠はその「芝浜」を、細かな仕事を積み上げて丁寧に組み立てていきます。酒にだらしない魚屋の勝とその女房のやりとりを大いに笑い、そして涙する……そんな素敵な一席が終わると、客席からは割れんばかりの大きな拍手がわき起こりました。

楽しいイベントも、あっという間に終了の時間。次回、第8回声優天狗連は2017年1月に開催予定で調整中という嬉しい発表も。

さらに、1月17日(火)から23日(月)までの期間には、銀座三越9階テラスコートで「昭和元禄落語心中」のイベントが開催されると発表がありました。原作・アニメの原画展示だけでなく、雲田はるこさん監修による浴衣やオリジナルグッズの販売も行なわれる予定。1月20日(金)から1月22日(日)の3日間は、日替わりでイベントも開催されます。

テレビアニメ第2期となる「昭和元禄落語心中 ~助六再び篇~」の放送日も決定し、ますます落語の楽しさがアニメファンに広がっていくのを感じさせるイベントでした。【取材・文=小川陽平】

■テレビアニメ「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」

放送  :MBS…2017年1月6日より毎週金曜26:40~27:10

     TBS…2017年1月6日より毎週金曜26:25~26:55

     BS-TBS…2017年1月7日より毎週土曜24:30~25:00

スタッフ(1期):

原作…雲田はるこ「昭和元禄落語心中」(講談社『ITAN』連載)/監督…畠山守/シリーズ構成…熊谷純/キャラクターデザイン…細居美恵子/落語監修…林家しん平/色彩設計…佐野ひとみ/撮影監督…浜尾繁光/音楽…澁江夏奈/音楽制作…キングレコード/音響監督…辻谷耕史/音響制作…ダックスプロダクション/アニメーション制作…スタジオディーン/製作…落語心中協会

キャスト(1期):

与太郎…関智一/有楽亭八雲(菊比古)…石田彰/助六…山寺宏一/小夏…小林ゆう/みよ吉…林原めぐみ/七代目有楽亭八雲…家中宏/松田…牛山茂/アマケン…山口勝平/ヤクザ兄貴…加瀬康之/萬月…遊佐浩二 他

リンク:アニメ「昭和元禄落語心中」公式サイト 

    「昭和元禄落語心中」公式ツイッターアカウント

「昭和元禄落語心中」×銀座三越

日時:2017年1月17日~1月23日

会場:銀座三越9階テラス テラスコート

入場料:無料

内容:

・漫画原画、アニメ原画の展示

・雲田はるこ先生監修の浴衣のほか、オリジナルグッズの販売

週末イベント:

1月20日(金) 昭和元禄落語心中×Jazz Nights

1月21日(土) アニメ「昭和元禄落語心中」第2期スタート記念イベント

1月22日(日) ぎんみつ寄席(協力 三越劇場「三越落語会」・大有企画)