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新たな再生の始まり。中島愛 音楽活動再開ワンマンライブレポート

中島愛さんのワンマンライブ「Megumi Nakajima Live 2017 "Love for you"」が、6月4日(日)、東京・ステラボールにて開催されました。中島さんは2014年3月20日(木)に日本青年館で行われた「Megumi Nakajima FINAL LIVE『Thank You』」を最後に、音楽活動を休止。その後、約3年の活動休止期間を経て、2016年12月に待望の活動再開を宣言。復帰後の第1弾シングルとなる「ワタシノセカイ」を本年2月に発表し、満を持してのワンマンライブとなりました。

この日を待ち望んだファンのボルテージと、バンドメンバーの演奏が最高潮に達したとき、「おまたせー!」の声とともに、鮮やかなピンクの衣装をまとった中島さんが登場。再始動を象徴する復帰第一弾シングル収録曲「最高の瞬間」で、ライブはスタートしました。さらに「しょっぱなから盛り上がって行きますかー!」と、ブランクを感じさせない勢いで、「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」「宇宙的DON-DOKO-DON」を披露。3曲を歌いあげてひと呼吸置くと、中島さんは「ずっとずっと、この日を私は待っていました。みんなも待っていてくれましたか?」と会場に投げかけます。すると割れんばかりの拍手と声援が。「実はステージに上がる際に、あまりにもやる気が溢れすぎて、階段でコケてしまいまして(笑)」と秘密を明かす中島さんですが、「緊張が解けたのか、より緊張したのか、よくわからない感情が混ぜこぜですけど、みんなが幸せいっぱいになれるような、今日来てよかったと思えるライブにしたいです!」と、彼女らしい笑顔で宣言しました。

この日のライブは、中島さんのデビューとなった2009年からのヒストリーを追うスタイルで進行。ふたつある大切なデビュー曲のひとつ、「天使になりたい」に続き、「Be MYSELF」 「Sunshine Girl」と、歌手・中島愛の土台を築いたファーストアルバム「I love you」(2010年発売)からのチョイスです。

次のセクションでは、「熱くなったところで、ちょっぴり優しい気持ちになっていただければ……」と、セカンドアルバム「Be With You」(2012年発売)の楽曲から、「メロディ」、「パンプキンケーキ」、「恋」、「神様のいたずら」を披露。ゆったりとしたナンバーで、会場が優しい空気に包まれていきます。

さらに時代が進み、サードアルバム「Thank You」(2014年)あたりの曲に触れるセクションは、再びハイテンションなムードに。ラスマス・フェイバーのプロデュースで話題となった「TRY UNITE!」や、「Wish」、「Hello!」といった曲が並び、会場はヒートアップしていきました。

中島さんは、ここまでリリースしてきた3枚のアルバムを、自分の中で「You3部作」ととらえており、復帰を果たした現在は「(新しい)アルバムも作って行きたい」と気持ちを伝え、会場はこの日一番の歓声に包まれました。あくまで復帰後は「マイペースに活動する」という考えながらも、継続して声を届けていきたいとのこと。新しいシングル、ライブ、そしてツアーと、今後の展開に意欲を見せる中島さんでした。

ここまでが過去の集大成であるなら、次は未来を予感させるチャレンジ的なセクション。ラスマス・フェイバー featuring 中島愛として、ゲストボーカルで参加した「AME」、livetune adding 中島愛による「Transfer」、ラスマスのプロデュースによる第2弾「マーブル」など、ライブではあまり披露されてこなかった貴重な楽曲に、なじみの「Raspberry Kiss」などを織り交ぜながら、ライブはクライマックスを迎えました。

ちょうどこのワンマンライブで復帰から半年。中島さんは、「あっという間」だったと語り、その理由は「こんなにも多くの人が応援し続けてくれていたから」と振り返ります。「ちょうどライブの一年前は、まだ復帰するということを決心したころの時期で。まさか1年後の今日が、こんなに幸せな日になるとは想像もしていなかったです」と、本音を吐露。それでもこうしてファンが支え続けてくれていたことに、「もう涙チョチョ切れなんです。本当にそのぐらい感謝して、感謝して、感謝しています。いろんな人に支えられて、今ここに立つことができています。人生捨てたもんじゃないです」と、気持ちを伝えて、ラストとして復帰第一弾のシングル「ワタシノセカイ」を披露します。「これからも、くじげずに、めげずに。前を向いて、またライブ会場で皆さんに会いたいと思います!」と、新たな出発にふさわしい曲を歌いあげました。

しかし、ライブはまだまだ終わりません。熱烈なアンコールに応え、中島さんはさわやかな白いワンピースで再登場。ここでデビュー作となった「マクロスF」のメドレーが始まり、自身が演じたランカ・リーの大ヒット曲「星間飛行」や、「劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜」の楽曲、「虹いろ・クマクマ」「放課後オーバーフロウ」を歌うと、会場中が緑の光に包まれました。さらに「金色~君を好きになってよかった」を披露し、「今日は本当にどうもありがとう。そして私のデビューのきっかけとなった、ランカ・リーにもありがとう」と、自分を支えてくれたすべてに感謝を伝えました。

それでも会場の熱気は覚めやらず、「もう1回!」コールに応えて、再登場する中島さん。セカンドシングル「ノスタルジア」を歌うも、「名残惜しい! みんな家くる?って感じ」と、ファンとの別れを惜しみながら、最後に復帰第一弾シングル収録曲である「愛はめぐる」にて、力強い「love is coming back」のコールアンドレスポンスで最後を締めくくりました。「これからまだいろんなことがあるけど、またぜひ来てください! 明日からまたがんばろう!」と、ファンとの再会を約束。復帰第一弾は思えないほど、パワフルなステージを歌い切りました。

【取材・文=河合宏之】

<セットリスト>

01. 最高の瞬間

02. そんなこと裏のまた裏話でしょ?

03. 宇宙的DON-DOKO-DON

04. 天使になりたい

05. Be MYSELF

06. Sunshine Girl

07. メロディ

08. パンプキンケーキ

09. 恋

10. 神様のいたずら

11. TRY UNITE!

12. Wish

13. Hello!

14. AME(RAIN)

15. Flower in Green

16. Raspberry Kiss

17. Transfer

18. マーブル(Remix)

19. ワタシノセカイ

●アンコール

20. What'bout my star?@Formo~星間飛行~虹いろ・クマクマ~アナタノオト~放課後オーバーフロウ(メドレー)

21. 金色~君を好きになってよかった

●ダブルアンコール

22. ノスタルジア

23. 愛はめぐる

リンク: 中島愛オフィシャルサイト
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