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榊原ゆい2年ぶりのアルバム「Next Door」がついに発売!インタビューでその想いを語る!

アーティスト・榊原ゆいが、2年ぶり11枚目のアルバム「Next Door」を12月13日にリリース。オリジナル新曲3曲に、エイプリルフールネタで話題となりライブで盛り上がった謎のオリジナル迷曲!?「電力自由化そうでっか」をバンドで録りおろした曲や、TVアニメ「Diesirae (ディエス・イレ)」のOP曲などを収録。バラエティーに富んだ17曲で彩るこのアルバムについて、榊原さんに語っていただきました。

──「Next Door」アルバムは榊原さんにとって2年ぶりのアルバムになります。まずは完成しての感想を率直に聞かせてください。

榊原:2年空いちゃうと17曲になるのかなって(笑)。2015年の『Lofty rose』までは2005年から毎年1枚のペースでリリースしてきたのですが、今回2年ぶりということでやりたいこと──「この曲を入れたい」「こういう曲をやってみたい」というのが増えちゃって、それを全部詰め込んだら17曲になっちゃった感じです。

──17曲は多いですよね。

榊原:もうね、パンッパンなんです(笑)。スタッフとも「これ、全部CDに入ります?」とか相談しながら作っていました。実際、1曲目の「LOVE × BOOM!」が2分ちょっとくらいの曲なので17曲全部をCD1枚に収めることができたのかなと。ギリギリでした(笑)。

──でも、ファンにしてみれば2年待っていたわけで、その結果が17曲と言うのは「待った甲斐があった!」というところではないですか?

榊原:そうかもしれないですね。とにかく2年ぶりのアルバムに対しての私の気持ちが詰まっているアルバムです。

──そんなニューアルバム「Next Door」ですが、このアルバムタイトルに込められた思いを教えてください。

榊原:実はこのアルバムを作ろう!となったときに「Next Door」というタイトルだけは先に決めていました。これまで10枚のアルバムを作ってきた中で、「ゆいにゃんって、声優をやって、歌って踊って振り付けもやっている人」というイメージができたと思うんですね。なので、そこまで出し続けてきたアルバムを「10」という数字で一区切りつけて、2016年はライブやイベントのほうを積極的に活動してきました。その中で、10年前に思い描いていた自分と、その時間を経験してから思い描くようになった自分とが少しずつ違ってきていて、そういう自分と向き合った時に「Next Door」ってとてもしっくりくるタイトルだったんですね。ファンにとっても「ゆいにゃん、次はどんなことをしてくれるのかな」という思いがある中で、このタイトルは受け入れてもらえるんじゃないかな、と思って決めました。

──確かに「次への一歩」という新しさを感じられるタイトルです。そして新しさと言えばアルバムジャケットですが、ここまで青を強調されたデザインというのも、これまでなかったように思います。

榊原:シングルでは「Eternal Destiny」なんかが青のイメージでしたけど、アルバムは初めてですね。もちろんジャケットデザインも新しさを強く意識しました。ただ、そこでどんな衣装にしようかと考えたときに、イメージに合うような衣装やアイテムを持っていなかったんですね。それで仕事の移動中なんかにいろいろ探して回って、こういうジャケットデザインと衣装になったんです。ホント、謎の青いサングラスとか買っておいてよかったです(笑)。

──そんな「Next Door」アルバムですが、17曲の曲順などのこだわりなども教えてください。

榊原:曲順はめちゃくちゃ悩んで(笑)。曲同士の相性もあるじゃないですか。なので自分であれこれ並べ替えて聴いてみてを何度も繰り返して……今回は結構悩みましたね。

──こだわりがあるからこその大変さですね。

榊原:耳に心地いいっていうところにはこだわります。毎回トラックダウンまで立ち合って、曲順だけでなく曲と曲のインターバルも調整するので。前後の楽曲で、その余韻やつながりの中で一番気持ちのいい「間」ってあるんですよ。そこは私のこだわりなんですが、きっと聴いてもらえれば感じてもらえると思っています。

──そういう部分を感じられることが、ファンの楽しみでもありますよね。

榊原:聴いてもらって「なるほど、ゆいにゃんはこういうところが心地いいのか」みたいなことを共有出来たらうれしいですね。そんな楽しみ方もあるんじゃないかなって思います。

──さて、17曲の中でオリジナルの新曲が3曲あります。こちらについて紹介していただきたいと思います。まずは1曲目の「LOVE × BOOM!」です。

榊原:パリピ曲です!(笑) 実はこの曲はアルバムの制作が始まった後に、「やっぱりこういう曲も入れたい」と思ってAngel Noteの鈴木ルヒカさんお願いしたんです。ライブで盛り上がってみんなが一体になれる、短くてにぎやかな曲にしたいお願いして。歌詞とメロディーを歌って伝えて、楽曲の中で使用するSEなんかも細かく指定して。急に思いついた割にはずいぶんリテイクをお願いしたので、鈴木さんにはご迷惑をおかけしたんですが(笑)。そんなパリピ感を感じてほしい曲です。こういう曲を入れられるのってアルバムだからなんですよね。ライブでは振り付けも考えているので、みんなで楽しみたい歌ですね。

──続いて2曲目がタイトルチューンの「Next Door」です。

榊原:「Next Door」というタイトルの曲を作ることは、アルバムタイトルを考えたときから決めていました。これは絶対に応援歌にしようと思って。みんなの背中を押す、私の背中も押す、駆け抜けるようなスカッとする応援歌。寄り添いながら「気持ち、わかるよ~。でも頑張ろうぜ! 私も頑張るからさ」って感じられる曲になっています。アレンジはMeis Clausonくん。これまで私と一緒に作ってきた楽曲のテイストから「Next Door」に合うと思ったので、私から指名させていただきました。音や世界観はドンピシャだったんですが、そこからディテールの部分を一緒に詰めていったので、完成まで時間がかかりました。最後の最後まで私のこだわりに付き合ってもらった1曲です。なので、「Next Door」は応援歌として、私の思いとバッチリリンクした楽曲に仕上がりました。

──榊原さんの新しい代表曲のひとつになりそうですね。

榊原:榊原ファンもいろんな毎日を過ごしている人がいると思うんですが、そんなみんなが聴いてくれて、思いを共有できる楽曲だと思うんです。そういう音楽って、やっぱり熱いですよね。一緒のことを感じられるって、素敵なことだと思うので。

──そして3曲目は「think of…」です。

榊原:この曲は、私が珍しく公園でぼーっとしていた時に感じたことがきっかけなんです。

──榊原さんがぼーっとしている姿が思い浮かばないのですが……。

榊原:そうですよね(笑)。実際ただぼーっとしていることってほぼなくて。でも『Next Door』アルバムを作っているときに、珍しく公園のベンチでぼーっとしてみたんです。10分くらい。「こういう感覚って、あんまりなかったな」って思っていたんですが、その時にいろんな思いが沸き上がってきて、「こういう時間も大事だな」って感じたんです。だから「Next Door」と対になっている曲なんですね。私の中から出てきた「Next Door」とは違う思いを言葉にした楽曲です。歌い方も含めて、力を入れていない曲なんですよ。声も、もともとハスキーな地声が自然に乗るキーにして、サビはファルセットで。『Next Door』アルバムの中でも、ちょっと立ち位置の違う曲になったかなと思います。

──「Next Door」が存在するために「think of…」という曲が必要だったんでしょうか。

榊原:そうかもしれません。どちらもこのアルバムのために作った曲だと考えると、どちらか1曲だけでは生まれなかったのかもしれません。とても大切な2曲になると思います。

──そしてボーナストラックとして「電力自由化そうでっか」が収録されています。

榊原:2016年のエイプリルフールに作ったネタ曲で、去年のライブツアーで歌いました。結局、榊原ゆいっておもろいことをやりたがる人なんですよねっていう(笑)。どんなにカッコいい曲を歌っていても、結局こういう人だよねと。レコーディングもリハーサルスタジオにマイクを立てて、曲の前と後ろでしゃべっていたくだらない無駄話もそのまま録音して。実はハーモニカも私が吹いているんですが、普段から吹いているわけじゃないし、練習もしないで適当に吹いてレコーディングしました(爆笑)。ところがこれがむちゃくちゃいい出来で、バンドメンバーに絶賛してもらいました。すごく榊原らしい、ふざけているけど全力の1曲です。

──そんなオリジナル曲の他に13曲のタイアップが収録されているわけですね。

榊原:はい。注目されるのはTVアニメ『Dies irae』のOP曲「Kadenz」かな。「Snow World End」と「Get Over」、は初めてのフルバージョンでの収録です。それと、今回「Cunning」を収録したんですが、これまでこの曲はDJの方がミックスしたバージョンしか音源化されていなかったんですね。ところが収録するにあたってデータを整理していたら、私が歌ったオリジナル版の「Cunning」が出てきて、これを収録したら面白いなと思って収録しました。

──ということは、「Cunning」ではずいぶん以前の榊原さんの歌声が聴けるわけですね。

榊原:10年くらい前の歌声ですね。でも「「U」」は2003年でさらに前ですからね(笑)。何年前の曲を入れているんだって感じですよね。でも不思議と、全然聴けるんですよ。私の中では全然色あせていないですし、音がカッコイイんですよね。アルバムの中に入れても全然いける。

──そういう楽曲が『Next Door』という名前のアルバムに違和感なく収まってしまう辺りも面白いですね。

榊原:そうですよね。だからやっぱり、いい楽曲をたくさんいただいているんだなあと思います。恵まれているんだなあって。だからこそ、その時に音源がリリースされていない昔の曲を収録したいんですよね。そうすることで、改めてフルバージョンで曲を聴いてもらえますし、歌詞カードをつけることができるのでそこも読んでもらえる。私も作詞をするので、歌詞も読んでほしいという気持ちがありますから。そういう意味を含めて、私がこれまで歌ってきた楽曲を、榊原ゆいのアルバムの中の1曲として送り出す楽しみというのはありますね。

──とてもよくわかります。そんな『Next Door』アルバムは12月13日にリリースとなりますが。ファンとしてはライブも期待すると思います。

榊原:まずは『Next Door』アルバムをひっさげて、1月19日と20日の2Daysで「Yuifes★ LOVE×Live2018」を開催します。1日目はBandNight、2日目はDanceNightとパフォーマンスを分けて、アルバム収録曲はすべてどちらかの日でやりますので、両日とも楽しみにしてほしいですね。

──ということは、セットリストは2日とも違うのですか?

榊原:「Kadenz」だけはパフォーマンス違いで両日やりますが、あとは全部異なります。なので、私にとっても挑戦なんです(笑)。2Daysも初めてですしね。でも、打ち合わせの時に「まぁ、歌詞さえ覚えるの頑張ればできるかな」って(笑)。自分のライブなので楽しいことを優先、そして楽しいって思えることをあきらめたくないんですよね。なので、これが私の最初のNext Door。新しい挑戦です。なので、ぜひCDを聴いて会場に来てほしいと思います。かなり濃ゆい2日間になると思います。

──期待します。それでは最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

榊原:長く活動させていただいている中で、今回も新しいアルバム『Next Door』をリリースさせていただくこととなりました。気持ちも新たに、私の座右の銘である「変わらず変わる」という思いが乗ったこのアルバムが皆さんに届くといいなと思って、魂込めてアルバムを作りました。これから先も、いい曲を作ったり歌ったり、パフォーマンスしていきますので、CDもライブも、ぜひいつまで一緒に盛り上がっていければうれしいです。

■アルバム「Next Door」
発売中/税別3000円

<収録楽曲>
「LOVE×BOOM!」 (オリジナル新曲)
「Next Door」 (オリジナル新曲)
「Kadenz(カデンツァ)」 (TVアニメ『Diesirae (ディエス・イレ)』OP曲)
「Snow World End」 (PCゲーム『フユウソ~Snow World End~』OP曲)
「月と星のモラトリアム」 (PCゲーム『恋愛教室』OP曲)
「初めての恋よ咲き誇れ!」 (PCゲーム『そして初恋が妹になる』OP曲)
「Love*Magic!~Wellcome to Minoir!!~」 (PCゲーム『ネコぱらVol.2』OP曲)
「Cunning」 (CunningTeranoid Mix原曲オリジナルVer.)
「U」 (PCゲーム『ジュエルナイツ・クルセイダーズ』 OP曲)
「BRiGHTNESS FALLs」 (PCゲーム『弓張月の導き雲はるか』OP曲)
「ヴィグリード」 (PCゲーム『BLADE×BULLET金輪のソレイユ』OP曲)
「think of…」 (オリジナル新曲)
「Love*Magic!~Wellcome to Minoir!!~」 (PCゲーム『姫恋*シュクレーヌ!』OP曲)
「愛しさと感謝の気持ち」 (PCゲーム『千恋*万花』芳乃ED曲)
「藍桜」 (3DS『STELLA GLOW』キャラクターソング)
「Get over」 (MMORPG『トキメキファンタジー ラテール』イメージソング)
――ボーナストラックーー
「電力自由化そうでっか」 (オリジナル曲)

リンク:榊原ゆいオフィシャルサイト
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