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【第15回「声優アワード」受賞者インタビュー】助演男優賞 島﨑信長さん

第15回「声優アワード」で、助演男優賞を受賞した島﨑信長さん
第15回「声優アワード」で、助演男優賞を受賞した島﨑信長さん

2013年の第7回声優アワードで新人男優賞を受賞し、今回が8年ぶりの受賞となった島﨑信長さん。優しくて、でもどこか愁いを帯びた声で「フルーツバスケット」草摩由希、「ソードアート・オンライン アリシゼーション」ユージオなど数々の印象的なキャラクターを演じられました。そんな島﨑さんがこの1年で感じた、自身の成長や変化とは……?

――まず、受賞を知ったときのお気持ちをお聞かせください。

島﨑 受賞のお話を聞いたのが数日前だったので、今このインタビューを受けているタイミングでやっと実感がわいてきました(笑)。主にどの作品でノミネートされたのかという詳細も、さっき知ったばかりなので。でも、自分の積み重ねを感じられるのはうれしいことですよね。新人賞をいただいたのも随分昔のことだったと思いますが、今はもう芸歴も10年を超えて、いろんな作品や出会った人たちに育てていただいたなと改めて思いました。

――新人賞を受賞されたのは第7回ですので、8年前になりますね。この8年という月日は長く感じるものですか?

島﨑 あっという間に感じた部分もありますね。僕がデビューしたのが2009年で、今年で13年目に入るわけですけど、13年って0歳から数えていったら、やっと小学校を出て中学生になるくらいなんですよね。人間の0歳~13歳の時間や成長などの変化って、ものすごく早いじゃないですか。そのくらい怒涛の変化と成長があったと思います。

――「あれから8年」とか「デビュー13年目」というのは、人から言われて初めて「ああ、そうなんだ」と意識するくらいのことなのでしょうか?

島﨑 10周年のときはさすがに意識しましたね。話のネタになるので、インタビューとかでもよく話していて。でも、そこから時が止まっています。今改めて数えてみて「そうか、もう13年目か」と思いましたし、あと数年で15周年にもなるので、そう考えると5年おきくらいに何周年という話はしたほうがいいなと思いました。じゃないと、ずっと止まっちゃうなって。また何年か後に「15周年だ」という話をしたいと思います(笑)。

――2020年は島﨑さんにとって、どんな年でしたか?

島﨑 2020年は世の中的にもいろんなことがあった年でしたが、それもひとつの前向きなきっかけにして、僕の中でもちょっと変わってきたというか……。最初の緊急事態宣言のときにお仕事をお休みしていた期間があったからこそ、ここまでの振り返りみたいなことができたのかなと思います。今までもずっと楽しかったお仕事が、再開し出してからはより楽しくなって、何かがやっと形になってきたような気がしてきたんですよね。今回の助演男優賞にノミネートしていただいた主な作品として「フルーツバスケット」や「ソードアート・オンライン」を挙げていただいているんですけど、どちらも収録でいうと2019年~それ以前の作品で、2020年から収録した作品は現状まだ発表されていないものが多くて。そういった作品の中で自分の積み重ねを感じるような1年でもあったんです。作品の内容とか役のポジションとかを見ても、今までとはひと味違うものになってきたのかなと。たとえば10月からの「呪術廻戦」では真人という悪役のキャラクターですが、あれこそまさに〝助演〟だと思うんですよ。ユージオや由希みたいに主人公のバディだったり、寄り添う役を演じてきたところから、さらに敵役のほうにも発展していけているのかなと思って。

――いろんな役者さんが「悪役はおもしろい」というようなことをおっしゃいますよね。

島﨑 悪役のほうが縛りはゆるいというか、どちらかというと主人公側は守らなければいけないところがしっかりあったりして、超えちゃいけないラインが見えやすかったりするなと思っていて。その点、悪役は「どこまでもやってもOK!」みたいなところがあるし、逆に言うと「やってくれないと困るよ」というところもあると思うんですけど、自分から仕掛けていったり、自分でコントロールしたりするところが悪役にはあるなと思っていて。自由度の高い難しさと、主人公側の制限されている難しさと、それぞれの難しさがあって、でも僕はどちらの難しさもおもしろいなと思うし、楽しいですね。

――自分から仕掛ける、コントロールするというところでは、今回いっしょに助演男優賞を受賞された子安武人さんがとても素晴らしいお芝居をされますよね。

島﨑 いや、本当に! 僕が今回いちばんうれしかったのが、同じく助演男優賞を受賞されたのが子安さんだというのをうかがったときだったんです。子安さんは僕が師匠と仰いでいる方でして、役者としても人としてもすごく魅力的な方だし、尊敬しているし、本当に素敵な先輩なんです。僕のひとつの夢としては思いきり子安さんとまた殴り合いたいというか、全力で大きな声を出し合いたいというのがあって。それは別に敵同士であろうが、味方同士であろうが、どのポジションでもいいんですけど、お互い共鳴し合うような、高め合うような、ぶつけ合うような、そんな関係の役をまたやらせていただけるように、そのときにちゃんと僕自身が戦えるように頑張りたいなと思います。

――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

島﨑 今、僕がここにいて、こうやって楽しくお仕事させていただいていて、助演男優賞までいただけたのは、僕のことを育ててくれて、いろんなものをくれた作品やスタッフの皆さん、そして応援してくださっている皆さんがいるからだなと改めて思います。声優・島﨑信長は、本当にひとりじゃ何もできないんです。だから、これからも感謝や敬意を忘れずに、何より作品を大事にしながら、作品のために、役のために、それがひいてはみんなのためになると思っているので、これからも真っすぐに作品と向き合っていきたいと思います。

第15回「声優アワード」で、助演男優賞を受賞した島﨑信長さん
第15回「声優アワード」で、助演男優賞を受賞した島﨑信長さん


●しまざき・のぶなが/12月6日生まれ。宮城県出身。青二プロダクション所属。主な出演作に「呪術廻戦」(真人)、「フルーツバスケット」(草摩由希)、「ましろのおと」(澤村雪)など

第15回「声優アワード」で、助演男優賞を受賞した島﨑信長さん
第15回「声優アワード」で、助演男優賞を受賞した島﨑信長さん


撮影=田上富實子 取材・文=仲上佳克

第15回「声優アワード」受賞者、受賞作品(敬称略)

●主演男優賞:津田健次郎
●主演女優賞:石川由依
●助演男優賞:子安武人、島﨑信長
●助演女優賞:上田麗奈、鬼頭明里
●新人男優賞:伊藤昌弘、小林千晃、土屋神葉
●新人女優賞:逢来りん、市ノ瀬加那、杉山里穂、藤原夏海、和氣あず未
●歌唱賞:ワルキューレ
●パーソナリティ賞:安元洋貴
●功労賞:増山江威子、津嘉山正種
●シナジー賞:プレミア音楽朗読劇「VOICARION IX 帝国声歌舞伎~信長の犬~」
●富山敬賞:関俊彦
●高橋和枝賞:榊原良子
●キッズファミリー賞:中川里江
●外国映画・ドラマ賞:山路和弘、小宮和枝
●インフルエンサー賞:小岩井ことり
●MVS(Most Valuable Seiyu):下野紘
●特別栄誉賞:鬼滅の刃
※今回は、ゲーム賞の該当者なし
※今回は、特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰しました。

リンク:「声優アワード」公式サイト
    公式Twitter・@seiyuawards
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