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先日放送された第11話にて強敵LizNoirを打ち破り、ついにNEXT VENUSグランプリの決勝に進出した月のテンペスト(月スト)。対戦する相手は、無敗のアイドルTRINITYAiLEに勝利したサニーピース(サニピ)――そう、星見プロダクションの2グループによる頂上決戦が実現することとなったのだ。はたして勝負の行方は? そして、存在が消えかけている麻奈の運命は!? 大注目の最終回を前に、月のテンペストの長瀬琴乃役・橘美來さん、白石沙季役・宮沢小春さん、サニーピースの川咲さくら役・菅野真衣さん、白石千紗役・高尾奏音さんのキャスト4名に集まっていただき、これまでの歩みを振り返ってもらいました。
――11話を終えた時点で、月のテンペストとサニーピースのNEXT VENUSグランプリ決勝進出が決まりました。ここまでの物語やキャラクターの成長ぶりを振り返っての思いをお聞かせください。
橘 11話で琴乃が麻奈に話をするシーンがあったと思うんですけど、琴乃としてはやっと麻奈に対する思いにひと区切りがついたのかなと思っていて、そのシーンはすごく印象に残っています。麻奈の死があって、麻奈の夢をかなえるためにアイドルをめざしていた琴乃が、改めて自分のためにアイドルをめざす決意をするという。そういう気持ちの切り替えがしっかりできたのかなって、このシーンで思いました。
宮沢 率直に湧き出た気持ちとしては「ついにここまで来たか!」というのがありました。結成したての月ストとサニピの10人が決勝戦まで勝ち上れたというのは、その裏にある彼女たちの並々ならぬ努力を感じますし、それぞれの悩みや葛藤を乗り越えてここまで来たんだなと考えると、感慨深い気持ちでいっぱいになります。沙季ちゃん的には、アニメでは彼女の成長はあまり大きくは描かれていないんですけど、決勝戦は月ストの白石沙季として、仲間といっしょに素敵なパフォーマンスを見せてほしいなと思っています。
菅野 さくらちゃんは10話の準決勝前の控室で、ちょっと弱音を吐くシーンがあるんですね。「麻奈さんの歌を借りずに歌うのが今日初めてなんだけど、大丈夫かな?」みたいなセリフがあるんですが、そんな弱音を吐けるくらい、サニピの中でみんなとの信頼関係を築けるようになったんだなと思いました。あと、同じ10話で千紗ちゃんが「レッスンは何度やっても楽しいね」みたいに言っていて、どちらかというとマイナス思考だった千紗ちゃんがどんどん前向きに明るくなってきているというのは「サニーピース」というグループ名の通りに成長しているんだなと思って、すごく好きなシーンでした。
高尾 千紗としては、1話の収録のときに音響監督の飯田(里樹)さんから「千紗ちゃんはアニメ全話を通して成長していくキャラクターなので、どのタイミングでどういうふうにメンバーに心を開いていくのかというのを演じながら意識してほしいです」と言われたのが自分の中ですごく印象的で。実際にサニピ内でもポジティブな発言が増えていたり、7話のお姉ちゃんと2人でお買い物に行くシーンでは、今までお姉ちゃんに支えられていた千紗がお姉ちゃんを少し勇気づけるようなセリフもあったりして、彼女を見ていると「どんなに内気で自信がもてなくても、自分を変えることってできるんだな」というふうに感じられて、すごく勇気をもらえるキャラクターだと思いました。
――それぞれのグループが準決勝で披露した楽曲、ライブシーンについて、皆さんから見た印象をお聞かせください。
菅野 サニーピースの歌はメンバーの歌割りが細かくて、言葉のキャッチボールみたいになっているところが楽しいんですけど、「EVERYDAY! SUNNYDAY!」はそんなサニーピースの和気あいあいとしているようすが曲に表われている感じがして、私はすごく好きですね。特に曲の冒頭の部分と落ちサビが好きなんですけど、アニメのライブシーンではカットされている部分になるので、配信でじっくり皆さんに聴いてもらいたいなと思います。
高尾 今までサニーピースとして歌っていた「SUNNY PEACE HARMONY」や「Shining Days」とはまたちょっと違った、王道系のアイドルソングがサニピにぴったりな楽曲で、それを準決勝にもってくるというのが「選曲が強いな」と思いました(笑)。
菅野 ライブシーンもシャボン玉がうわーって出てくる、すごく豪華な演出で。衣装も新しくなっていましたし、最初に見たときはびっくりしました。
高尾 個人的にはさくらちゃんの「止まらない」でウィンクするところが好きです(笑)。サニピの楽曲はメンバーが2人ずつとか3人ずつとかで歌うところが多くて、声の重なるハーモニーが本当にかわいらしいので、そこも注目していただけたらなと思います。
橘 月ストの楽曲は、琴乃の成長に合わせるかのように曲もステップアップしているように私は感じていて。8話の「Daytime Moon」も月ストとしての絆が深まった後に歌う楽曲でしたし、11話の「The One and Only」ではさらに琴乃のアイドルとしての存在が確立したような気がしています。もちろん琴乃だけじゃなく、渚もそうだし、芽衣もそうだし、すずも、沙季も、ひとりひとりが成長して月ストになった! みたいな楽曲だと思っていて。ライブシーンを見ても、よりいっそう「これが月ストなんだな」と感じました。衣装も王子様みたいでかっこいいけどかわいくて、何より琴乃がアップになったときの顔がすごくかわいくて、「かわいい」以外の語彙力をなくしてしまいました(笑)。
宮沢 デビューライブの「月下儚美」とは、また違う月ストを見せてくれたなという印象がありましたね。柔らかい、でも力強いというところが月ストの強みかなと思うんですけど、「The One and Only」はよりアイドルらしい、王道アイドル寄りの月ストが見られた気がして、すごくうれしかったです。あと、美來が言っていたように琴乃のびっくり顔がかわいくて、私も言葉を失いました。「なんだ、これは!?」と思って(笑)。ひとりひとりの顔をもっとじっくり見たいので、皆さんにも何度も見ていただきたいなと思います。
――では、最終話に向けて、改めてファンの方へのアピールをお願いします。
橘 最終話は「麻奈がどうなってしまうのか?」というところだとか、「月ストとサニピ、どちらがグランプリの勝者になるのか?」というところも見どころだと思うんですけど、やっぱりどちらのグループにもそれぞれのよさが私はあると思っているので、最後まで両方のグループを応援していただけるとうれしいです。
宮沢 月ストとサニピの星見対決もそうですし、琴乃とさくらのライバル関係とか、沙季ちゃん的には千紗との姉妹対決にもなりますし、私的にもドキドキワクワクがいっぱいで楽しみな最終回なんですけど、どちらもきっと素敵なパフォーマンスを見せてくれると思うので、ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。ほかにもまだまだ見どころがたくさんあるので、彼女たちの成長を最後まで見届けていただきたいなと思っています。
菅野 ついに最終話直前ということで、サニピと月ストが対決するのは見たくないけど見たい……! みたいな気持ちなんですけど、ここまでよきライバルとして、仲間として、頑張ってきた10人の成長ぶりを楽しんでいただけたらなというところと、あと、最終回を前に1話からまた見返して、ライブシーンとか、細かいところもたくさん楽しんでほしいなと思っています。ぜひお見逃しなく、楽しみにしていてください!
高尾 最終話に向けて、サニピの「ここだけは負けない!」というところは、やっぱり楽曲を聴くと「たのぴ!」という気持ちになるところかなと思っています。……今のはダジャレです(笑)。最終話の台本をいただいたときは、1話分の台本を読む間に3回くらい泣いてしまいました。星見プロのメンバー同士の絆だったり、影の努力だったりが実った、集大成のような最終回になっていると思いますし、今まで「IDOLY PRIDE」を見てきて、応援してきてよかったなって思ってもらえるような最終回になると思うので、ぜひ楽しみにしていただけたらなと思います。
【取材・文:仲上佳克】