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2017年3月に発売されたゲーム『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』。アニメ『花咲くいろは』やゲーム『アトリエ』シリーズなどで知られるイラストレーター・岸田メルさんがキャラクターデザインを手掛け、好評を博した同作を原点にしたオリジナルアニメが4月9日(金)からアニメイズム枠で放送されます。
このアニメで描かれるのは、岸田さんが描いた新たな美少女キャラクターたちによる新たな物語。しかしその内容に関して判明しているのは「月ノ宮女子高等学校を舞台にした女子高生たちの物語」ということのみ。そこで今回は主人公・平原陽桜莉(ひらはらひおり)役の石見舞菜香さん、羽成瑠夏(はなりるか)役の千菅春香さん、田辺百(たなべもも)役の高倉有加さんにインタビュー。“ネタバレ厳禁”という制限の中でギリギリまで語ってもらったところ、どうやら大変な作品なのかも……?
――まずそれぞれ演じているキャラクターの紹介と、演じる際のポイントを教えてください。
石見 陽桜莉ちゃんは明るくてまっすぐで、困っている人がいたら自然と体が動くような優しい女の子です。陽桜莉ちゃんには大好きなお姉ちゃんがいて、そのお姉ちゃんから大切にされてきたので、彼女も自然とそれができるんです。私はTVアニメのメインキャラクターでは彼女みたいな元気なキャラクターを演じるのが初めてなので、どんなテンションで演じればいいか最初はドキドキしていました。今も周りの皆さんの声を聞きながら、陽桜莉ちゃんになれるよう一生懸命取り組んでいます。
千菅 瑠夏ちゃんはクールで、要領がいい優等生タイプですが、コミュニケーションは得意じゃなくて孤高の存在になっています。でも好きでそうなっているわけではなくて自己嫌悪することもあって人間味を感じられるキャラクターです。そんな「なりたい自分があるのになれない」という思春期らしい悩みを抱いている子だというのを出せるよう演じています。
高倉 百ちゃんは一見とっつきにくそうな元ヤンの子なんですけど、でも本当は面倒見のいい姉御肌の子だし、少しコミカルなところもあってかわいい女の子です。演じるにあたって最初は元ヤンというところを強調していましたが、ディレクターから「女の子らしい一面もある」と教えていただいたので彼女の暖かみを出すようにしています。
――続いて、皆さんとそれぞれ演じているキャラクターが似ていると思うポイントをお互いに指摘してください。まず陽桜莉と石見さんはいかがでしょう?
高倉 前に自分では「人見知りなところがある」と言っていたけど、全然そんなことないですよ。現場でも陽桜莉みたいに笑顔で話しかけてきてくれて。
千菅 『BLUE REFLECTION RAY/澪』って話がアニメオリジナルだから先が想像できなくて、収録が始まる前はみんな結構緊張していたと思うんです。私も緊張していたのですが、キャスト表の一番上に舞菜香ちゃんがいるのを見て「舞菜香ちゃんと一緒なんだ。じゃあ安心だ!」と思いました。そういう風に周りの人を安心させてくれるような明るさを持っているところが陽桜莉と同じです。
石見 褒められちゃいました(笑)。私自身は陽桜莉ちゃんと共通点はないと思っていたので、ふたりにこんな風に言ってもらえてびっくりしました。
――では困ってしまうかもしれませんが、自身で少しでもキャラクターと似ていると思うポイントは?
石見 ……声とか?
高倉 「似ている」、とは?(笑)
――納得のお答えありがとうございます。続いて瑠夏と千菅さんの似ているポイントは?
高倉 瑠夏ちゃんはすごく色々と考え過ぎちゃう子なんでしょうけど、千菅さんもそうなんじゃないでしょうか。しっかり考えて言葉を返してくれていますし。
石見 言葉をちゃんと選んでから丁寧に相手に伝えていると感じるので、その印象は瑠夏ちゃんと近いです。
千菅 私もそこが似ていると思います。いつもマジレスしちゃうところ(笑)。自分では別に固いつもりはないんですけど、その人と仲良くなろうと一生懸命考えた結果、めちゃくちゃ遊びのない人みたいなマジレスしちゃうんです。それで家に帰って「あんなマジレスしたかったわけじゃないのに」って反省することもあって。そこも瑠夏と同じ。
高倉 でも瑠夏みたいに、反省して本とか買ったりはしないですよね?
千菅 本も買いますよ、「人は話し方が9割」とか(笑)。そこも瑠夏と一緒ですね。
――百と高倉さんはいかがでしょう?
石見 「はじめまして」のときから話しかけてくださって、全然距離を感じなかったんです。陽桜莉にとって百さんはお姉さん的な存在ですが、私にとって高倉さんも同じです。
千菅 高倉さんにお会いする前に「どんな方なんだろう?」とネットで調べたらきれいなお姉さんが出てきたんですけど、実際お話したらざっくばらんで面倒見のいい方で。そうした見た目とのギャップは完全に百さんですね。
――みなさん、キャラクターと似ているところがあるんですね。ちなみに元ヤンではないですよね?
高倉 ないです(きっぱり)。でも、なぜか今みたいに「元ヤンでしょ?」と聞かれることはチョイチョイあります(笑)。
――失礼しました。ところでこの作品のキャラクター原案は岸田メルさんです。みなさんは、岸田さんの描くキャラクターにはどんな印象をお持ちですか?
石見 『BLUE REFLECTION RAY/澪』に関わる前にも先生のイラストはお見かけしていましたが、透明感のある可憐なイラストだなと思っていました。髪の艶や瞳の引き込まれそうな感じが好きだし、まるで生きているような雰囲気で魅力的です。
千菅 岸田メル先生のイラストは、女子から見てもときめくポイントがたくさん散りばめられていて、憧れのアイドルの写真を見るような気持ちで眺めてしまいます。
高倉 私も前から先生を知ってはいたんですけど、今日のインタビューのために改めて画像検索したら、先生が「最近の仕事」としてパンツ一丁で木に登っている写真が出てきて(笑)。そんな先生が描いているとは思えないほどの女の子がかわいすぎて、本当に私のタイプなんです。あのですね、おっぱいの大きさがちょうどいいんですよ。
石見 確かに、言われてみれば。
高倉 ちょうどいい大きさで美しいんです。ほかの部分も含めて、先生のキャラクターは頑張れば現実でもいそう、というラインなんですよね。実際にはいないんですけど(笑)
――続いてこの作品が高校生世代の女の子たちの物語ということで、担当するキャラクターがどんな学校生活を送っていそうかを教えてください。
石見 陽桜莉は教室に「おはよう」と言って入ったらクラスのみんなが話かけてくれるような、課題を忘れても誰かが助けてくれるような感じでしょうか。みんなから好かれていて、少し抜けているけどそれが許されるような立ち位置かな。
高倉 百は学校に通わず、コンビニでアルバイトをしているんですよ。学校に行っていたときは滅茶苦茶荒れていたんですけど……もしかしたら、彼女にとってはこれから真の青春が始まるのかもしれません。
千菅 瑠夏は陽桜莉が通う高校に転入生としてやってくるのですが、全然周りとうまく喋れず「またやっちゃった」とひとりで反省して。物静かな感じです。でも本人が思っているほど周りから浮いてはいないんですよね。気にしすぎちゃっているだけで。そんな学校生活を送っていくんでしょうけど、この時期特有の迷いや戸惑いが感じられて、リアルだなと思います。
――千菅さんも瑠夏と同じ16歳のころはそうでしたか?
千菅 いえ、アニメを好きになったのが高校生のときだったので、毎日楽しくアニメショップやカラオケに通っていました。
石見&高倉 (笑)
千菅 アイドルゲームのダンスを休み時間に廊下で踊ったりしていて、楽しかったですけど、今思うと浮いていたかもしれないですね……。
――石見さんと高倉さんは、担当するキャラクターの歳のころはどんな学校生活を送っていましたか?
石見 目立たない子でした。私は小学生のときはパリピだったんですけど、中学からは陰キャになりまして……小学校ですごく仲のいい友達を作れたので、「はじめまして」「仲よくしましょう」という経験がほとんどなく、友達の作り方がわからなくて。だから中学以降は誰とも深く関わっていなくて、私の名前を覚えているクラスメイトは誰もいないんじゃないでしょうか。
――さすがにそんなことはないのでは(笑)
石見 いや本当に。席も端っこで、いつも本を読んでいるかスマホをいじっているかみたいな感じだったんです。だから今声優になって学生を演じることで、青春を取り戻してるところが少しあります。
高倉 百は18歳だから、私はその頃は専門学校で声優になろうとしていましたね。毎日学校に通って夜遅くまでずっと練習して……特に面白いエピソードが出てこず、すみません(笑)。
――いえいえ。さて、みなさんはかなり収録を終えていると伺いました。もちろん詳細は明かせませんが、物語の雰囲気の“匂わせ”として最新話収録後の率直な感想を教えてください。
石見 陽桜莉ちゃんは、ひたすら、とにかくつらかったです。陽桜莉ちゃんにとって大切な(ネタバレがひたすら続くため省略)。今はショックで……。
千菅 瑠夏は、伸びしろですね。本当に最初に比べたら成長しましたし、ちょっと今陽桜莉が大変なので、友達としてがんばってほしいです。
高倉 百に関してはもう「百!」って感じですよ。
石見 なるなる。そうとしか言えないよね。
高倉 私の中では「百! 百どうなるの、百……」となっています。収録を終えた感想としては「はぁ……」って感じです。今言えることは、以上です。
千菅 でも話が進むにつれて、明らかになる意外な事実もあったりして、本当に目が離せない展開になっていますよ。
――話の内容がとても気になるコメントありがとうございます。最後に読者へメッセージをお願いします。
石見 思春期ならではの不安定なところがある女子高校生がいっぱい出てくるアニメです。等身大の女の子たちが自分とどう向き合っていくのか、ぜひ観てみてください。
千菅 ゲーム『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』に続いて、岸田メル先生がデザインをした女の子がたくさん出てきます。アニメならではの演出も楽しめる作品になっていると思うので、原作ファンの方々にも、『BLUE REFLECTION RAY/澪』を初めて知ったという方にも楽しんでいただきたいです。
高倉 リアルな悩みを描いてる作品なので、今悩んでる方がいたら「わかるわかる」となるでしょうし、そうでない方も「こんなことあったな」と思ってもらえるはずです。ぜひそうした共感をしながら観てほしいですね。
【取材・文:はるのおと】