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好評放送中のTVアニメ「究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら」(以下「フルダイブ」)。土日月さんによる小説を原作とした本作は、リアルを極めたおかげでとんでもないクソゲーとなってしまったフルダイブRPG「極・クエスト」(以下「キワクエ」)の世界で、男子高校生の結城宏ことヒロが悪戦苦闘し続けるコメディ作品です。WebNewtypeではそんなアニメに出演するキャストにリレーインタビューを実施。第6回はサディスティックな異端審問官のミザリサを演じる井澤詩織さんに、終盤まで演じたうえでの思いの丈を語ってもらいました。
――当初ミザリサは異端審問官でしたが、その後はヒロを助けるようなポジションとして再登場を果たします。それまでと変わった部分はあるのでしょうか。
井澤 最初はヒロを拷問することに対して、自分の趣味以上に、痛めつけてやるという感情があったんですよね。そこに悪意ではないけど、愛情以外の意思を持ってヒロと接していた。でも再登場からはヒロに仲間意識があるというか、「お気に入りの人の役に立とう」という思いがあるように感じました。自分はヒロを痛めつけようとしているのに、「アリシアには気をつけたほうがいいっすよ」みたいなことも言って。「守ってあげなきゃ」という気持ちがあるんでしょうね。
――彼女はかなり特殊な性癖の持ち主ですが、演じやすかったですか? それとも大変でしたか?
井澤 ミザリサは基本的にご機嫌で、楽しそうなんですよね。ヒロを痛めようとしているけどイジメっ子という感じもなく、私も罪悪感を持たなくていいのでやりやすかったです。でも「シシシシ」という笑い方は難しくって。
――どういった部分に難しさが?
井澤 普通に言うと音がしっかり出てくれないので、「シ」という音をしっかり出しつつ、お芝居も入れなきゃいけないんです。例えばミザリサだと、戦いの雄叫びとして「シシシシ」と言うこともあって。だから「シシシシ」だけを家ですごく練習しました。
――確かに、実際に口に出してみると難しいですね。
井澤 前半の話は上手くできているかまだ不安で(笑)。でも11話は完璧な「シシシシ」です。ぜひじっくり聴いてほしいです。
――ちなみに井澤さんはアニメ放送前の公式コメントで「あんな汚い音を出して果たして大丈夫なんだろうか?」と仰っていました。これはどういった部分を指していたのでしょう?
井澤 当初ヒロをイジメているときのミザリサは最高潮にテンションが上がっているので、それを表現するためにかなり滑舌悪めになってるんです。「デュフフwwwwコポォwwwww」みたいな感じで、口元を緩めて喋っていて。そういうところで汚い音が出てるなと。
――なるほど(笑)。その滑舌の悪さと台詞を聞かせることのバランス取るのは大変だったのでは?
井澤 そうですね。完全に滑舌を悪くすると聞き取りづらくなるし、尺からこぼれちゃうので、そこは持っているテクニックを総動員しました。最初の収録のテストではもう少し普通の美少女寄りにしたんですよ。キャラクター紹介で「可憐な美少女」と書かれていますし(笑)。でも音響監督の郷文(裕貴)さんが「もっとやっちゃいましょう」と言ってくださって、だいぶマシマシにしました。でも後半のミザリサは衛兵隊に入って少し常識が身につきましたけど、それでも要所で「ここだけはアイデンティティを出してください」と言われたりして(笑)。こんなにオシッコって言うことはたぶんもうないでしょうね。
――では次に原作を読んでの感想をお聞きします。どんなところに魅力を感じますか?
井澤 まず土日月先生の作品は明るいというかプラスのエネルギーがありますよね。ギャグがそうだし、シリアスな悩みがあるように見えて意外と大したことないですし。でも人間って意外とそうだったりしません? 本人にとっては重大な出来事でも他人が聞くとそうでもない、みたいなことってあるじゃないですか。
――井澤さんは同じ土日月さんが原作者の「慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」にもアデネラ役で出られていましたが、同じ印象がありますか?
井澤 どちらも爽やかなイメージがあります。爽やかというかカラッとしている感じでしょうか。ミザリサも「オシッコオシッコ」言っていますけど、下品な感じがなくてあくまで小学生の感じっぽいんですよね。「慎重勇者」のときも「元気がもらえる」という感想を頂いたんですけど、まさにそうだなと。見終わったあとに「楽しかったー」となれる、すごく健全なアニメだと思います。会話のテンポもいいですし、楽しいですよね。
――これまで話を伺ってきた方々も、会話のテンポ感が魅力と仰る方は多かったです。
井澤 でも、テンポはすごいけど場所はずっと始まりの町なんですよね(笑)
――まさか11話まで来ても町から出ないとは。
井澤 普通のゲームだと最初の町なんてすぐ出ちゃうのに。せめて町の近くの森くらいには行くと思ってたんですけどね(笑)。
――奇抜なストーリーだと思います。これまでを振り返って、特に印象的なシーンはどこでしょう?
井澤 ミザリサのシーンじゃなくていいですか? アリシアが天井に張り付いているシーン(第6話)です。アリシアって人間ですよね? いや、NPCですけど(笑)。いや~、アリシアは美味しいよな~。
――井澤さんはそのアリシアたちと一緒にミザリサとしてエンディングテーマの歌唱にも参加されていますが、収録はいかがでしたか?
井澤 とにかく速かったです! でも家で聴いて覚えているときは「難しいかも」と思っていましたけど、すごくキャッチーで1回覚えるとハマっちゃうメロディーで、ノリでいけちゃいました。キャラソンの中では歌いやすかったです。
――いつかライブで聴けるのを楽しみにしています。
井澤 テンポが速いし、人前でフルコーラスで歌うのは難しいかもしれません(笑)。
――それでは本編から離れた話としてゲームについて伺います。井澤さんはWikipediaに「ゲームが好き」と書かれているほどのゲーム好きのようですが……。
井澤 えー、うっそだ~(笑)。私なんて全然で、やり込みとかせずにフラフラといろんなゲームを遊んで、たまに課金してるくらいですよ。
――ゲームはいつ頃からプレイされていますか?
井澤 初めてやったのはファミコンやゲームボーイです。その後はスーパーファミコンを遊んで、プレイステーションは初代から4まで買っていて、ニンテンドーDSやSwitchもあって……。
――充分ゲーム好きでは?(笑)。
井澤 ゲーム機が好きなんですよ。最近はゲーム機だと「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」を遊んでいますし、アプリでも異常にハマってるものがあります。
――どんなゲームでしょう?
井澤 YouTubeなどでのCMでよく出てくる「プロジェクト・メイクオーバー」です。「汚い女性をきれいにしてあげるゲーム」「彼が家に来るからきれいにしよう」みたいなCMだったんですけど、遊んでみたら全然CMと違っててパズルゲームなんですよ(笑)。
――では次に、最近「クソゲー!」と感じたことは?
井澤 誕生日にファンの方が事務所に、ガラスのドームみたいなのに入ったプリザーブドフラワーを贈ってくださったんです。私、お花が好きなので嬉しくて大事に持ち帰ろうと思ったんです。でもマネージャーさんが「事務所からタクシーに乗るまで荷物を運びます」と言って運んでくれたんですけど、そのときにガチャンと落としちゃって。しかもマネージャーは「大丈夫ですよ!」って言ってたけど、家に帰ったらドームが割れてて(笑)。あれは「クソゲー!」って感じでしたね。結局、今は花の部分だけ飾らせてもらっています。
――シンプルに理不尽な出来事ですね(笑)。最後に「キワクエ」における「親友殺し(ベストフレンド・キラー)」のような称号に関するリレー質問です。まず前回登場した古賀さんからは「美少女図鑑」という称号を与えられました。カメラが好きで、特に女の子の美しさを引き出すのが得意だからそうです。
井澤 美少女図鑑!!(笑)なんかコレクター気質でサブカルっぽい感じがあって良いですねぇ!!女性声優フォトブックのカメラマンやりたーい!そして古賀ちゃんの写真も是非コレクションしたいです。
――続いて、次にインタビューが公開されるヒロ役の山下大輝さんに称号を与えてください。
山下さんはご飯を食べること、美味しいものが好きだと仰っていたので、私の中では「美食ハンター」というイメージがあります。中でも特にハンバーグ屋のさわやかがお気に入りと聞いたので、「さわやか美食ハンター」でお願いします!
【取材・文:はるのおと】