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現在放送中のアニメ「見える子ちゃん」。泉朝樹さんによるマンガを原作とした本作は、化け物が見えてしまう女子高生・みこが主人公のホラーコメディです。WebNewtypeではそのみこを演じる雨宮天さんとメインキャラクターのキャストによる対談を実施中。みこの同級生・二暮堂ユリアを演じる佐倉綾音さんとの対談第2回は、いよいよ本格的に登場するユリアの話からスタートしました。
――そろそろ放送される5話では、ついにユリアが本格的に登場します。佐倉さんのユリアの声を聞いて雨宮さんはどんな印象がありますか?
雨宮 まさにユリアだなと。ひとりだけバトルもののキャラクターみたいなテンションですけど、でもいざという時はビビリで引いちゃう感じとか、原作で見ていたユリアそのままです。あとアニメでは、おもにハナとユリアはアドリブが多いので、よりコメディ感を強く感じます。
佐倉 確かにそれはあるね。
――ただ4話までは少しずつの出演なんですよね。
佐倉 現時点では、観ている人にとってはただのヤバい奴ですよね。
雨宮 でも5話から印象は変わっていくはずです。7話や8話はかわいいところが見られますし。
佐倉 まさかそこを見せるまでに、1クールの折り返すまでかかるとは思わなかった(笑)。
――佐倉さんはどんなことを意識してユリアを演じていますか?
佐倉 1話の収録時に「セリフは少ないけど『この学校にはなんか変な子がいる』と視聴者に覚えてもらいたいので、少し大げさに表現してください」と言われました。だから4話まではユリアの強い部分はチラ見せしていました。そして5話でいよいよみこたちと絡み始めるので、とことん変な子として演じました。そこから先は等身大の女の子に少しずつ戻すというイメージです。
――その等身大のユリアをどう捉えていますか?
佐倉 ユリアは小さい体ながら、何事に対しても全力で一所懸命なんです。こういう作品って登場人物たちの全力がぶつかるほど面白くなるので、私も意識して全力で演じています。
雨宮 ユリア、モノローグで「見てなさいっ、みこ。見せつけてやるわ」って感じがすごいんですよ。
佐倉 モノローグのドヤ感がすごいよね。
――逆に佐倉さんは雨宮さんが演じるみこにどういう印象がありますか?
佐倉 原作のみこは、モノクロマンガというのもあってかなり暗い声のイメージだったのですが、アニメのみこは原作の雰囲気だけでなく天ちゃんの声のおかげで可憐さみたいなものをまとっていて、これは化け物たちが寄ってくるのも仕方ないなと。
雨宮 そんな(笑)。
佐倉 少し放っておけないオーラというか。天ちゃんの声が付くことでそれを初めて感じ取れて、「これがキャラクターに声がつく幸せなんだ」と。
雨宮 ありがとうございます。みこは女子高生らしい感覚はたくさん持っているんです。でも無口だったり表情が少ないので、それが表に出てくることが少ないだけで。その微妙なバランスの上で、ちゃんとトーンなどを変えてみこのその時の感情を表現できるように気をつけています。
――みこは“見えて”しまうせいで挙動不審なところがあるだけで、普通の女子高生なんですよね。
佐倉 でもあんなになってるのに何も察しないハナも異常ですよ(笑)。ちょっと勘のいい子なら、みこの声色やセリフで「この子は何かが見えてるんだ」って伝わりそうなものなのに。あれだけ一緒にいて全然気付かないハナもおかしくて、それが二重で面白い。
雨宮 ハナじゃない友人だったら、さすがに「こいつ、なんかおかしい」って思いますよ。泣いてるし(笑)。
――メインキャラクターはその3人と少ないですが、収録の雰囲気はほかの作品と違いますか?
雨宮 最近は密を避けるために少人数での収録が普通になっているので、特に他作品と変わりはないです。
佐倉 『見える子ちゃん』はこの3人だけで大体完結できる作品だから、ありがたかったよね。
――ではこれまでの収録を振り返って印象的なことはありますか?
佐倉 1話の収録前にお祓いがあったんですけど、珍しく渋滞で遅刻をしたんです。何かに「行くな!」「行ったら何か起こるぞ」と言われているような気がしてとても嫌でした。
雨宮 怖い! あの日は雨が降っていて雰囲気バッチリでしたね(笑)。私も1話を収録した夜、夢にお化けが出ました。
佐倉 いやー!怖い!
――実は自分も、今日取材に来る時にスマホで聴いていた「見える子ちゃん」のエンディングテーマの再生が急に止まって。
佐倉 やだー!勘弁してくださいよ!
雨宮 私も今日、別の現場からここに移動している時にエレベーターのボタンが変にチカチカ光り始めて……やっぱり何かあるんですかね?
――背筋が寒くなってきました。最後に5話の見どころを教えてください。
佐倉 この辺りからいつものふたりにユリアが加わって、アンジャッシュのコントみたいなやり取りが始まります(笑)。ユリアを演じる立場としては、ようやくこの世界にちゃんと入れるということで、とてもワクワクしながらVチェックをしてアフレコに臨みました。後半の話も、あやうく泣かされそうになった話です。ただ最後のオチはひどくて、ホラーコメディの真骨頂という感じですけど。
雨宮 Cパートですよね。『見える子ちゃん』ってCパートが多い話が多いから、見逃さないようにお願いします!
佐倉 結構重要なシーンが多いからね。
【取材・文:はるのおと】