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まさかの全員不合格となって、再出発を切った9人のアイドル候補生たち。これからどんな道を進んでいくのか気になるところですが、キャストインタビューにはGAPsCAPsの「マーマ」こと当麻まこ役の下地柴野さんが登場。作品への熱い思いを聞かせてくれました。
――まずは「SELECTION PROJECT」に出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。
下地 アイドルが題材の作品ということで、フレッシュなキャストになると思っていたので、連絡を受けたときは驚きました。私はもうあまりフレッシュではないと自覚していたので…。
ただ、オーディションのときにいただいた資料を読んだときから「アイドルオーディションの最終審査」のお話ということで、他の作品とは絶対に違うものになるだろうなと感じていたので、参加できて大変うれしく思っています。
――アフレコの初回を迎えるにあたって、前日や当日はどんなお気持ちでしたか?
下地 アフレコの前に、キャラ合わせという形でユニットごとの顔合わせも済んでいましたし、すでに何曲かレコーディングも終えていた状態だったので、かなりフラットな状態で現場にいることができたと思います。
ただ、1話でのまこの登場シーンはそんなに無い分、まこを表情豊かに、どんな人物なのか伝えられるように演じたいなと思っていました。
――当麻まこのどんなところが魅力的だと思いますか? 第一印象や実際にアフレコで演じてみての印象についてお聞かせください。
下地 いわゆるお姉さんらしく振る舞うところはありますが、ちゃんと弱音を吐けるところが好きです。つねに年上然として隙を見せないのではなく、時には不安や弱音を口に出すところは憧れます。
投票をどうするか苦悩しているシーンでも、栞や詩に自分の気持ちを語ります。ふたりが年下であることよりも、相手の本質を見て、尊敬しているからこそできることなんじゃないかと思いました。
――まこを演じるうえで、特に気をつけられたことはありますか?
下地 一番初めに行われたキャラ合わせのとき、たくさんのイメージボードのなかで、大きな口を開けて笑っているまこのイラストがありました。それが私にはとても衝撃的で、その瞬間まこは「ただのおしとやかで優しいお姉さんじゃないんだな」と感じました。
その印象が強く残っていたので、もちろんしっかりはしてるけど、面白いお姉さんにしたいと思っていました。シリアスなシーンも多かったので、どこで面白さを出すかというのはとても難しかったですが、普通のお姉さんというのはできるだけ避けようと心掛けました。
――AnimeJapan 2021 のスペシャルステージで福岡の方言を練習していきたいと仰っていましたが、実際に福岡弁でセリフを言ってみていかがでしたか?
下地 すごく楽しかったです。まこの家族はキャストの方を福岡県出身の方で固めてくださっていたので心強かったです。一緒にアフレコできるときは、なぜか私も地元に帰ったような気持ちになれてうれしかったです。全体を通しても博多弁のシーンは少しでしたが、思ったより難しくなかったので、想像していたよりはスムーズに話せたと思います。方言指導には仲良しの高田憂希さんが入ってくださることも多かったので、リラックスしてできました。
――第10話までのアフレコで一緒に収録されたキャストさんの印象や、現場でのエピソードなどがありましたらお聞かせください。
下地 収録はユニットごとに行われることが多かったのですが、みずなちゃんは私よりかなり年下なので、話題が見つからず、仲良くなりたいのに糸口がつかめずにいました。帰り道も美春ちゃんとふたりのことが多く、「いつか3人で帰りたいね」と話していました。
毎週のように「今週はみずなちゃんも一緒に帰れるかな…」と思っていたある日の帰り道、「おふたりが見えたので」とみずなちゃんがスタジオから私たちのところまで走ってきてくれたときは心でガッツポーズをしました。
――まこは楽器チームの一員となりましたが、まこを含めた楽器チームのメンバーの印象はいかがですか? また、下地さんがバンドを組むならどの楽器を担当したいですか?
下地 栞と詩は気が強くて喧嘩もしますが、二人ともしっかりしていて意見がちゃんと言えるし、いい関係だと思っています。きちんとこだわりがあるのは素敵ですよね。
まこに叱られたあとは、喧嘩も少なくなったので素直ないい子なんだと思います。まこを含めてこの3人が組む展開は意外でしたが、見ていておさまりがいい気がしますし、まこもお姉さん力を発揮できるのでバランスがいいなと感じます。
もし私がバンドを組むならギターでしょうか。ギターの経験がある、というだけで、得意というわけではないのですが…。
――楽器チーム改め「GapsCaps」のエピソードは第5話で描かれましたが、この話数全体を振り返っての印象をお聞かせください。
下地 まこは大人だなとずっと感心していました。もちろん、審査前に2人に声を掛けるまでは、自分でも、このオーディションでどういうポジションでいればいいかと迷ってはいるんですけど、決めたあとの姉を超えて母のような強さはとてもかっこいいと思いました。
まこが、自分がどう進んでいくかということを決めてからは、栞と詩の関係も風通しが良くなったと感じます。それぞれが自分らしくいることによってユニットがより良くなったのは、素晴らしいですよね。
――第 10 話では投票の結果、全員失格という衝撃の展開となりました。まこ含め、全員が自分に投票するという決断をしたメンバーの選択について、どう思われましたか?
下地 まこは、未投票か、自分自身に票を入れるだろうと思っていたので予想通りでした。でも他のメンバーも自分自身に票を入れるという展開には驚きました。
オーディションの最終審査でその決断ができる9人はかっこいいと思います。みんなが人を思いやる心を持っていて、9人で過ごした時間を大切にしているんだと伝わってきました。ただ、その先の展開が全く予想できなくなってしまったので、次回の台本をもらうのが待ち遠しかったです。
――「9-tie」として再スタートを切った9人の運命は? 終盤に入り、ますます目が離せない展開ですが、次回の放送に向けてファンの方へのメッセージをお願いします。
下地 まさか、こんな展開になるなんて私も予想していませんでした。チアーズの皆さんのエールを裏切ったようにも見えるかもしれません。ただ、何があっても9人でいることが一番大事という選択をした9-tieのみんなと、その絆を信じて見守っていただけたらと思います。
「SELECTION PROJECT」という、ある意味後ろ盾がなくなった9人の行く道は、いばらの道かもしれません。この先に何があるのか、引き続きエールを送っていただきたいです。
【取材・文:仲上佳克】