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TVアニメ「デート・ア・ライブ」(以下、「デート」)の第4期「デート・ア・ライブIV」が好評放送中です。第1期から士道に対して過剰な愛情を燃やし、その情熱的な言動でファンを増やし続けてきたのが鳶一折紙です。そんな折紙を演じる富樫美鈴さんへのインタビューを、前後編でお届けします。
――「デート」第4期の制作決定の一報を受けた際、どんなお気持ちでしたか?
富樫 第3期までは、続編決定を聞くたびに驚いていました。でも、第4期に関しては、絶対にあると確信していたので、「いよいよ来たか!」と思いました。私自身もアニメには未登場の精霊が動く姿を見たいと期待していましたので、制作決定はとてもうれしい知らせでしたね。
――実際にアフレコをした感想いかがでしょうか?
富樫 TVアニメで折紙を演じるのは久しぶりということで、少し緊張しました。とはいえ、キャストは、これまでいっしょに作品を作りあげてきた仲間たち。絶対的な信頼があったので、大きな不安はなく「デート」の世界に帰ることができました。
――第1期から折紙を演じていますが、彼女に対してどんな印象をもっていますか?
富樫 初期のころから、感情をあまり表に出さないわりに、士道への情熱がものすごい(笑)。とてもやりがいがある役です。そうやって折紙を演じてきて気づいたのが、彼女が抱えているものの大きさ。経験してきた悲惨な過去が壮絶で、精霊に対しては複雑な思いをもっています。それが明らかになるにつれ、「これだけ大きなものを抱えてきたのか」と苦しむこともありました。
――折紙の詳しい過去は、アニメ第3期で明らかにされましたね。
富樫 第3期の折紙編は、いちばん彼女の気持ちに寄り添って、どう演じようか自分自身も苦しんだエピソードでした。精霊への復讐心はお門違いで、結局、うらむべきは自分だった絶望、士道との関係性、改変後の素直で純情な折紙など振り幅が広くて演じるのは大変でした。でも、そういうバックグラウンドを知って演じたことで、より折紙のことを愛しく思えるようになったと思います。また、折紙の軸となる部分が理解できるようになったからこそ、目に見える性格やしゃべり方などの変化に迷うことなく、折紙の本質をつかめるようになりました。
――本質とはどんな部分だと感じましたか?
富樫 いろいろありますが、いちばんは士道に対して“肉食系”なところです。だから、改変後の純情な折紙も、無意識から奇行に出てしまったわけですね(笑)。そういう素直な部分は、私から見るとうらやましいし、あこがれている部分でもあります。
――士道との関係性で最も変わったと感じた部分はどこでしょうか?
富樫 第3期では、折紙の士道への想いに関して、大きな変化がありました。折紙の士道への愛情は、執着だったり、依存だったりと、恋愛感情とはまた違うモノであったと自覚したんです。そうやって気づいた後の折紙のセリフ「これからが本当の愛」が、とても印象的に残っています。折紙が今まで自分を縛っていたものから、やっと少し解放されたと実感できる言葉だからです。士道が折紙も救ってくれて、私もうれしかったですし、同時に、絶対に士道は自分のところに来るという折紙の自信を、本当にすごいなと思っています(笑)。
――十香をはじめとした、精霊たちとの関係はいかがでしょうか?
富樫 すっかり友達になれたなと思います。わかりやすい変化としては十香を「夜刀神十香」とフルネームで読んでいたのが、「十香」と呼ぶようになり、ほかの精霊たちの名前も覚えました。初期では、精霊を殲滅するという意志を持っていた折紙ですが、基本的に常にひとりでした。ASTでも仲間はいましたが、友達と呼べる人はいなかったと思います。そんななかで、士道とともに戦いながら、信頼関係を築きながら、精霊たちと仲よくなり、友達になれたのは折紙にとってすばらしいこと。特に、十香とはしょっちゅうバチバチやり合っていますが、それは友達として、本音でぶつかり合えているからでしょうね。
【取材・文:星政明】