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本当の意味で彼を好きになってほしい。「僕のヒーローアカデミア」轟焦凍役:梶裕貴さんインタビュー

「週刊少年ジャンプ」連載の堀越耕平さんのコミックスをアニメ化し、春から放送されている「僕のヒーローアカデミア」の第2期。ヒーロー輩出の名門・雄英高校に通う緑谷出久たちヒーロー候補生が激突する雄英高校体育祭のバトルが描かれ、話題を呼びました。7月からは、いよいよ第2クールに突入! 体育祭で特に大きな変化を見せた轟焦凍役を演じる梶裕貴さんに、第2クールに期待することや見どころを伺いました。

――原作でも人気の「轟焦凍:オリジン」(6月3日放送/第23話)は、放送でも大きな反響がありました。梶さんは収録を終えて、「出久のように心情を吐露したわけではないので、まだ不思議な気持ち」と仰っていましたね。

梶:轟としての戦いはまだ続いているから、終わった直後はまだ、やりきった感がなくて。ただ、僕らのお芝居はアニメ作品の一部にしか過ぎなくて、達成感なんて役者のエゴみたいなもの。後日、完成した本編を観たときは涙が出るくらい感動しました。いいものを作ろうというスタッフさんのパワーが伝わってきて、改めてアニメってすごいなと。いち視聴者として隅々まで納得できる形になっているなと思いました。

――放送直後には、この注目回を記念したLINE LIVEの特番も生配信されて! コメントがたくさん寄せられて、お祭りのようになっていました。

梶:「最終回かと思った」という感想もあったほど(笑)。それくらい白熱していたし、本当に圧倒されました。

――第1クールまでの轟を振り返って、どう思われますか? 感情を抑えているようなお芝居が印象的でしたが。

梶:感情を抑えていると、ウズウズするというか…正直、どこかフラストレーションがたまる感じはありましたね(笑)。もっと声を出したい!とか、もっと喜怒哀楽を表現したい!とか。だからこそ、轟くんのような役の楽しさも改めて感じましたし。最近、自分は役者としてエネルギーを爆発させるようなお芝居が好きなんだろうなっていうことにも気づいて…。

――轟役を演じたことによって?

梶:それもあります。

――それによって迷ったり、テイクを重ねたシーンはありましたか?

梶:原作を先のほうまで読ませていただいているので、クールな彼が、内面に持つ熱さをどう抑えて、来たるべきときまで矛盾がないように演じるかがキーでした。これは特に1期の頃ですけど、僕が原作を読んでもっていた印象より「もっと苛立ちを加味してくれ」とか「睨みつけるように」という演出をいただくことが多く、その都度ハードルを乗り越えていきました。

――クールなのに、ただならぬ迫力を感じたセリフも多かったと思います。アフレコで大変な想いをすることも多かったのでは?

梶:この作品に限らず、どんな役もご縁あってのキャラクターなので、自分にとっての大きな財産になるはずだと思っていますし、たとえ苦しいことがあっても全力でやらせていただいてます。任せていただくからには、必ず自分が演じる意味があると思っているので、その時の自分にしかできない表現、つまりはその時のベストを尽くしていますね。

――第2クールでは、轟にどんな変化や成長が見られそうですか?

梶:彼の本当に素敵なところが、これからどんどん見えてくるはずです。家族や仲間と向き合い、どんどん人間らしくなっていくと思いますし、年相応の少年らしさも出てくると思います。彼はギャップがある男なんで、クールな反面、少し天然なところも(笑)。そんな彼の良さを知って、本当の意味で彼を好きになってほしいですね。

――第2クールで気になるキャラクターは?

梶:まずステインです。原作を読んでいてもすごい存在感! ひとことで“悪人”と片付けられないインパクトがあります。ステインの登場によって、作品全体の流れも変わったりするので…考えさせられることも多いですね。

――作中で、キャラクターたちは自分がもつ“個性”の弱点を強化していきます。梶さんには、どんな弱点がありますか?

梶:目立つことが苦手です…(笑)あまり自分を出すことが好きじゃないし、元々は恥ずかしがり屋なんです。でも、自分が役者だと思えば、人前に出ることにも大きな意味を感じます。とにかく多くの人に楽しんでいただける道があるのなら、それがいちばんかなと思えますね。

――数多くの作品に出演されていますが、「僕のヒーローアカデミア」のような“王道ヒーローもの”はお好きですか?

梶:好きですよ! 王道とか“ベタ”なのって、やっぱりいいですよね。ただ僕は、「ヒロアカ」は、いわゆる王道ではないと思っていて。王道で、ファンタジーでありながら、すごくリアル。たとえば、緑谷たちにとっては悪の存在となるステインも、彼自身にとっては当然正義なわけで。誰にとっての正義であり悪であるのか、現代社会にも重ね合わせられるテーマだと感じますし、キャラクターひとりひとりが等身大な悩みを抱えていて、誰もがひっかかるフックがある。そんなところにも魅力を感じています。

――そういった意味では、大人も楽しめる作品ですね。

梶:過去の自分と照らし合わせたり、大人としての今の自分が抱えている責任だったり、そういったことを問われる“メッセージ”がある気がします。でも、原作の堀越(耕平)先生って僕より若い方なんですよね。これだけ多くのキャラクターがいるにも関わらず、どのキャラにも文字通り個性があって、本当に生々しく描かれているので、いろんな物事をすごく繊細に受け取られる方なんだろうなと感じます。

――そんな魅力的な原作に、ものすごくパワーのある作画や音楽があわさって。

梶:だからもう、最強のチームなんだと思います(笑)! 関わるみなさんの想いを感じながらお芝居できるのは、本当に幸せなことだと思います。

そして、いよいよ第2クールに突入する第27話では、職場体験でオールマイトの師匠・グラントリノを訪ねた出久が、訓練の中で「ワン・フォー・オール」を自在に操るためのヒントをつかもうと奔走。その一方で、飯田が兄の仇ステインを狙い、保須市へ向かいます。

第27話「怪奇!グラントリノ現る」は、7月8日(土)17時30分から読売テレビ・日本テレビ系 全国29局ネットで放送(※一部地域を除く)。Hulu・dTV・アニメ放題・dアニメストアで見放題になる他、各配信サービスで配信されます。【取材・文=吉田有希】



■テレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」
放送  :読売テレビ・日本テレビ系 全国29局ネット…毎週土曜17:30~
配信  :Hulu・dTV・アニメ放題・dアニメストアにて見放題 他
スタッフ:原作…堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)/監督…長崎健司/シリーズ構成…黒田洋介(スタジオオルフェ)/キャラクターデザイン…馬越嘉彦/キャラクターデザイン補佐…小田嶋瞳/音楽…林ゆうき/アニメーション制作…ボンズ/オープニングテーマ…「ピースサイン」米津玄師/エンディングテーマ…Little Glee Monster「だから、ひとりじゃない」
キャスト:緑谷出久…山下大輝/オールマイト…三宅健太/爆豪勝己…岡本信彦/麗日お茶子…佐倉綾音/飯田天哉…石川界人/轟焦凍…梶裕貴/蛙吹梅雨…悠木碧/峰田実…広橋涼/八百万百…井上麻里奈/常闇踏陰…細谷佳正/切島鋭児郎…増田俊樹/上鳴電気…畠中祐/相澤消太…諏訪部順一/プレゼント・マイク…吉野裕行/死柄木弔…内山昂輝

リンク:アニメ「僕のヒーローアカデミア」公式サイト
    公式Twitter・@heroaca_anime
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