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4月より好評放送中のTVアニメ「ヒナまつり」。WebNewtypeでは、その魅力に迫るインタビューを実施中。第9回では芦川組の3人・新田義史役の中島ヨシキさん、サブ役の河西健吾さん、若頭役の小山剛志さんがご登場。お互いのキャラクターや、演じる役者さん自身の印象について伺いました。
――「ヒナまつり」についての印象をお聞かせください。
河西:僕はNHKさんの番組にも出させてもらっているのですが、そちらでは「ヤクザ」という言葉を使えなくて「任侠モノ」とか言っているんです。こっちで「ヤクザ」と言えるのは気楽ですね。
中島:気を使いますからね。僕も「ヒナまつり」の宣伝で番組に出た時に「ヤクザは厳しい」という話になって「ヤのつく自由業」という言い方をしたりとか(笑)。まあ社会的には我ら3人アウトローな役どころでしたけど。
小山:まあ、ちょっとサブは……アウトローというか。
中島:バカ。
一同:(笑)。
河西:立派な構成員です!
小山:いやいやいや、立派ではない。
――小山さんはどのような印象を。
小山:ギャグが俺の好きなツボというか。ベタでもないし、加減がめっちゃくちゃ面白いですよね。セリフで書かれているものはもちろんですけど、ちょっとした間だったりニュアンスで変わってくる作品だと思うんですよ。それは演っている側のセンスが問われる部分でもあります。「ヒナまつり」の現場のみなさんは面白い人が揃っているなって印象ですよ。
中島:ありがとうございます。
小山:(中島さんも)第1話のAパートのテストでは大丈夫かなって感じだったけど、ソレが終わってからすぐ掴んじゃって。最後は「すげーよかった!」みたいなことを言った憶えがあるんだけど。あれは最初で緊張してた?
中島:探ってはいましたね。ヒナの声も初めて聞いて、Aパートは特にヒナと2人だったし、(音響監督の)本山(哲)さんともはじめてのお仕事だったので、いろいろ置きにいったところはあったかもしれないです。でも1話をまるっとやって、2話で村川梨衣さんと日笠陽子さんが合流した時に「あっ、もういいや~」って開き直りが出来るようになりました(笑)。
小山:そっからはもう安心して聞いてられる。やっぱり気持ちいい間を知ってるから。
――では、中島さんから見た小山さんはどんな方ですか?
中島:僕も剛志さんにはイベントなどでご一緒してから、面倒を見ていただいてるんですけど、アフレコ現場でガッツリレギュラーをご一緒するのは初めてで。現場に居てくださるとスタジオが明るくなるというか、なごませてくれるというか……すごいふざけてるので。
小山:オイオイ(笑)。
中島:僕たちいろんなところで、しりとり事件の話をしていますから。
小山:そうなの? しりとりは、出番のない時にやっていて、しりとりというか…最終的にエロしりとりになっていく。でもそれぞれのフェチ感が表れて面白いね。
中島:さすがにスタジオの中でできないからロビーでやっていましたね。誰かが言った単語に剛志さんが「(小山さんの声真似で)オッ、いいねえ」「そういうのもあんのか」って言う。「お前はそれが好きなんだな」って。剛志さんの間口は広い感じですよね。
小山:「わかる」ってなればOKなんで。
――小山さんは今回の役に関して「顔キャス」とも言われたりしていますが、役のお話が来た時はいかがでした?
小山:敵のボスキャラだったり悪いやつだったり、そういう役が多いんだけども。もろ「ヤクザ」っていうのは初めてかも。そもそも作品でもろ「ヤクザ」っていうのが、少ないのかもしれないけれど。でもこれは得意分野といったらおかしいかもしれないですが、「仁義なき戦い」とか任侠モノは好きだったんで、やってて楽しかったです。
――ヤクザではありますが、コミカルなシーンも多い作品です。そういうシーンはどのような心境で演技をされているんですか?
小山:それは(台本の)字面というか流れに忠実に。自分で作っていっちゃうと、面白くなかったりするじゃないですか。そりゃ遊べるところもあるでしょうけど、やりすぎず程よいところを的確に表現します。
――河西さんはサブを演じてみていかがでしたか?
河西:最初は役を掴むのが大変でした。1話ではまだわからなくて、探り探り演じて、そこから徐々にいろいろと。
中島:1話はみんな探り探りでしたね。特にサブはセリフがひと言ぐらいしかない状態だったので、難しかったのかもしれないですね。
――どれぐらいでサブを掴んだ感じでしたか?
河西:次の話数ですかね。1話では本当に「それ百均のだよ」くらいしか喋っていなかったので、第2話以降からかなって思います。
――だいたい1話はどの作品でも探り探りになるようですね。
中島:「ヒナまつり」は僕らもそうですけど監督やスタッフも手探りというか。原作をよく知ってる方だからこそ、ご自身で持たれているイメージと、僕たちに委ねている部分の比重を探ってる感じはありましたね。
――演じる上で気をつけているポイントはありますか?
河西:作品によっては、(キャラクターの)本音では「イエス」と言いたいのに実際には「ノー」って言っていたりすることもあるんですが、「ヒナまつり」に関しては裏とかなくストレートな「イエス」なので、特に難しさはなく演じさせていただきました。
――じゃあディレクションも特にない感じで。
河西:1話以降は好き勝手自由にやらせていただけました。
中島:テストで出てきたものが、誰も予想してないものだったりすることもあって、面白かったですね。
小山:こういうコメディ作品って選択肢がいっぱいあると思うんですよ。その中で一番面白いのを探るんですけど、自分でチョイスした方じゃないのが面白いこともあって。俺だと、「ズルムケだよ」のセリフがあったじゃん?
中島:「今のお前ズルムケだよ」。
小山:テストでは「今のお前、ズルムケだよ!」とか、「ズルムケだよ!」だけドンと言ったパターンなどいろんなパターンをやったんです。最終的に使われたのが「今のお前ズルムケだよ」って一連でバーって言う、明るい雰囲気のやつでしたね。
【取材・文:佐藤京一】