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「未来のミライ展~時を越える細田守の世界」が東京ドームシティ Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)で開催中。現在大ヒット上映中の細田守監督最新作「未来のミライ」に関する貴重な資料や模型などが展示されています。また、「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」「バケモノの子」といった細田監督の過去作品の関連展示も行われています。
この度、細田守監督作品が大好きで、「未来のミライ」で男子高校生役として出演を果たした畠中祐さんが「未来のミライ展」を訪れました。本展の見どころや映画本編への思いをじっくりとうかがいました。
――未来のミライ展、実際に回ってみていかがでしたか?
畠中:もう一回映画を観たくなっちゃいますよね! 僕、映画を観たばかりだったんです。その直後に今日の「未来のミライ展」だったので、この細かい設定があったからシーンに説得力があるのか、とかいろんな発見がありました。この記憶をもって映画を見るとまた全然違う感覚になるんだろうなと思ったし、細田監督の過去作品との繋がりも展示の中にあって、細田ワールドにどっぷり浸かりたくなりますね。
――気になった展示はありましたか?
畠中:“黒い新幹線”の展示は非常に驚きましたね。正直映画の描写ではほとんど出ていない特別な車輌の内部や細かい設定があったり。ほかにも「いや、全然映画に出てなかったんじゃないの!?」というところがあって、たとえばくんちゃんの家の外見や内部とか、細部にわたる資料が模型や実寸の体験型のスペースで展示されてるんですよ。実物大の展示ではおとうさんの視点とかくんちゃんからの視点とか、いろいろと体感できましたね。
――“黒い新幹線”のシート、座った感触はいかがでしたか?
畠中:座り心地……ちょっと悪かったですかね!?(笑)。いやいや、見た目どおりでした。
――お気に入りの展示はありましたか?
畠中:等身大のミライちゃんフィギュアですね。映画ではくんちゃんとの関係もあって大人びて見えたというか、妹なんだけど“お姉ちゃん”といった感覚で観てたんです。でも実際に並んでみると……何て言うんだろう、「あ、妹だ……妹こんにちは」って関係性が変わった感じというか(笑)、感覚が全然違っておもしろかったです。
――映画本編は最近ご覧になったと言うことで、改めて映画の感想も教えてください。
畠中:あらためてすげー優しい作品だなあ!!!って思いました。くんちゃんが体験していくことって“僕らが忘れそうになっているもの”でもあるという感覚があるんです。「この人の立場に立ったらこう思うよな」って子どものころはあんなに体感して学んで吸収していたのに、今だといろんなものに阻まれて、そういうことを考えられなくなっちゃってる瞬間がある。自分は大人に“なっちゃった”んだなあって。だから僕も「もう一回優しくなろう」と思えた作品でした。
――ええ、ええ。
畠中:あとは、何でどうしようもなくあんなに泣けてしまったんだろうって、今振り返っても思いますね。細田監督も「ここで泣かせるぞ」とかそんなつもりでつくってる場面じゃないと思うんですよ。たとえば、降ってきた雪をふと見るくんちゃんとか、おかあさんが寝ているくんちゃんに「くんちゃんは私の宝」って囁くシーンとかで、なぜか分からないけどたまらなく泣けてきたんですよね。台本、絵コンテ、それからアフレコ現場でのお芝居。役者として参加しているときに感動したなあっていうところと、映画で見たときにホロッときてしまったところがちょっとずつ違ったりしていておもしろかったです。
――映画として観たときに「好きだなあ」と思ったシーンは?
畠中:今までいろんな取材でも言ってたんですけど、青年が若い女性と木のところまで駆けていくところがたまらなく好きで。でも、さらにまた好きなところが増えました。くんちゃんがおかあさんの頭を撫でているところです。
――「よし、よし」とするところですね。
畠中:すんっっっげー好きでした!! ゆっくりゆっくり家族ができあがっていくシーンってたまらなく好きなんです。くんちゃんの成長が垣間見れるし、すごく愛が詰まっているというか、大切なワンシーンだったんじゃないかなと思います。あとはくんちゃんとミライちゃんの最後のシーンです。アフレコでは上白石萌歌さんと黒木華さん、お2人のお芝居を後ろから見させていただいていたんですけど、鳥肌が立ちました。何回もこだわって録り直しを重ねていく中で徐々にお2人の衣が取れていくというか、ああ今、心が通ったなあ!ってこちらまで伝わってくるカットがあったんです。匂いや空間、光の加減までまるで自分がそこにいるように目に浮かぶ。アフレコ現場全体がその空気に包まれた瞬間が体験できてドラマチックでしたね。あの時の空気は忘れられないです。
――「未来のミライ」という作品は見た方の感想がそれぞれで、それこそ泣くポイントとかもまったく違うのも特徴ですよね。
畠中:違いますよね。観る世代によって違う感想が出ると思うんですよね。だから10年先、僕が30代になった時にまた見たらぜんぜん違う感覚なんだろうなと思います。逆に僕が高校生とか中学生だったらどう感じてたのかも知りたい。僕はくんちゃんに感情移入して観たんですけど、中学生とかだったら泣きわめく姿に「うるさいなあもう!」って思っちゃってたかもしれない。いろんな視点で見たくなる映画ですね。1回見て、その時の感情で語るには語りきれない映画だなと思いました。何度も何度も見たくなる。まず今は、「未来のミライ展」を見ていろんな発見があったので、もう一回見に行きます!
「未来のミライ展」は9月17日(月)まで。畠中さんが体感した世界にあなたも実際触れてみましょう!
また、「未来のミライ展」がスマートフォンアプリ「アイコトバ」とコラボした割引&プレゼントキャンペーン「叫べ!細田作品アイコトバ~未来からのレアボイス」を本日8月14日より実施。合言葉となるキーワードを音声入力することで、クーポンを取得することができます。畠中さんのボイスもプレゼントするとのことなので、詳細は「未来のミライ」展公式サイトの“最新ニュース”をチェック!
写真:田上富實子、ヘア&メークアップ:鶴田ゆか、取材・文:細川洋平