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10月17日(火)から放送されるテレビアニメ『イングレス』の先行上映会イベントがTOHOシネマズ六本木で開催され、翠川誠役の中島ヨシキさん、サラ・コッポラ役の上田麗奈さん、ジャック・ノーマン役の喜山茂雄さん、ADA役の緒方恵美さんに加え、櫻木優平監督、原作を手がけたナイアンティックのCEOであるジョン・ハンケさんが、上映後の舞台挨拶に登壇しました。
喜山さんは黒スーツにサングラスというジャックさながらの出で立ちで「完璧なコスプレ」と紹介され、緒方さんはADAの声で「おかえりなさい」と会場に語りかけるなど、作品のシリアスな内容に少々緊迫していた会場は、すぐに温かな雰囲気に。本作の魅力の一つであるCG映像は、劇場の大きなモニターで見るとその迫力がすさまじく、第4話までを見終えたファンからは大きな反響が。キャストにとっても演技の手助けになったようで、主演の中島さんは、「安定して美しい絵に絶対的な信頼があった」と感謝の気持ちを示し、上田さんは、「映像と現実との境目がわからなくなるほど絵がリアル」だと、絵の魅力を伝えました。
本作は、全世界にエージェント(プレイヤー)を持つ人気ゲームをもとにしたテレビアニメ。ハリウッド映画からスタートしてもおかしくない映像化が日本のアニメーションから始まったことについて、ハンケさんは「世界中を巡るというストーリーで、映画よりテレビアニメのほうがやはり自由度は高い。『AKIRA』などのアニメが好きだということもあります」と、日本のアニメへの強い想いによってこの作品が実現したことを明かしました。
また客席の過半数がエージェントであることがわかり、ハンケさんは、ゲームの段階からADAの声を担当している緒方さんの演技を「このゲームを普通ではないレベルまで持っていってくれたことに感謝しています」と絶賛。緒方さんは、「“ADAに声帯をハッキングされた”としてADA役を名乗り、そもそも、とある名物エージェントから誘いを受けてゲームを始めたことがADA役を演じるきっかけになった」という、意外な経緯を話して会場を沸かせます。
ここで、第4話のさらに先を描いた映像が上映され、そのスピード感あふれる映像に客席からはち切れんばかりの拍手が。櫻木監督によると、「作画はキャラクターがほぼCGで、背景はCGと手書きが半々くらい。カット数がいわゆる普通のアニメの1.5倍ほどあり、CGだからこそカットを増やせたこともありますが、やはり大変で、作画については素直に頑張りました」と制作時を振り返ります。
今後のストーリーの展開について、上田さんは、「新たにキーとなるキャラクターが登場することや、一人一人のキャラクターがどんどん掘り下げられることにより、さらに作品の面白味が増していくこと」を語りました。しかし、「悪役の劉天華にも愛着が持てる一面が見えてくる」という感想には、男性キャスト陣から同意とは取れない反応も!?
ストーリーが進むにつれて見えてくる、主人公・誠のすさまじい成長ぶりも話題に。中島さんは、「そのスピード感にお芝居が追いつけるのかどうか不安もあった」のだとか。また、「序盤では明らかに力の差が目立っていたジャックと対等に向き合えるようになり、今後は違う陣営ながらお互いに手を取って行く展開がある」のだと、今後の見どころを挙げていました。ジャック役の喜山さんも、「ジャックを超える何かを見せてくれるほどの誠の成長に注目してほしい」と伝えました。
さらに、アニメ中盤以降、誠たちが世界のあちこちに出かけるというロードムービー的な展開があることも明かされ、そしてその絵作りには、世界中のエージェントから送られた写真が使われたという秘話も披露されました。エージェントにとっては、世界中のリアルな映像にも注目が高まりそうです。
アニメの放映によって、ゲームとお互いにいい影響を与え合うことも期待されている本作。上田さんは、「最終話まで見るとゲームがやってみたくなるような作品」だとコメント。最後に、中島さんが、「アニメの成功はエージェントにもかかっている」と客席に呼びかけながら、主演としてこの作品が満足できるものに仕上がっていて、今後も期待してほしいという熱意を、誠の声を交えながら伝えていました。
【取材・文・吉田有希】