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2019年4月よりいよいよ放送開始となるTVアニメ「賢者の孫」。とある理由で異世界に転生したシンが、大賢者マーリンに育てられ、規格外な強さを身につけていく。しかし、世間の一般常識を教えられずに育った彼は、常識と友人を得るために魔法学院に入学することに……。
今回はシン=ウォルフォード役・小林裕介さん、シシリー=フォン=クロード役・本泉莉奈さん、アウグスト=フォン=アールスハイド役・小松昌平さん、マリア=フォン=メッシーナ役・若井友希さんに作品の見どころをお聞きしてきました!
――まずは、演じたキャラクターの紹介をお願いします。
小林:シンは現代の日本から異世界に飛ばされて、偉大な賢者であるマーリンに拾われて育てられました。その結果、他の追随を許さないような、すごい魔法力を身につけることになりました。
小松:オーグ(通称)はアールスハイド王国の王子で、学院内ではシンに次ぐ実力を持っています。オーグの行動をきっかけに色々なことが起き、物語が展開することが多いです。
本泉:シシリーは貴族の出で、両親に大事に育てられてきたのが伝わってくる、気品のある女の子です。一方でとても天然なところがあり、彼女の周りにはいつも和やかな空気がただよっています。
若井:マリアは明るい性格で、みんなを引っ張っていくような立ち位置の女の子です。シシリーのことを守ったりと、お姉さんのような一面も見せてくれます。
――演じたキャラクターの印象や、演じるうえで意識したことがあれば教えて下さい。
小林:シンの強さは折り紙つきですが、世間の常識を知らずに育ってきたので、周りから突っ込まれることも多々あります。でも、そこにこそ彼へのとっつきやすさを感じるんです。彼は前の世界の記憶を持っているので、常識に関しては持ち合わせているんじゃないかと思ったのですが、考えてみたら「知らない場所で10数年も過ごしてきたら、常識なんてすっ飛んでしまうんじゃないか?」と納得できました。
小松: オーグはシンとは逆に、この世界の常識人というイメージで演じました。ただ、彼自身も一国の王子としての境遇もあり、同年代のシンと出会い親友になれたことがすごくうれしいんだな、というのを感じます。王子という立場と、友達としてしゃべっているときの切り替えを大事にしようと思いながら演じました。ちなみに、オーグはなにかとシンのことをいじりますが、僕自身はいじられることのほうが多いです(笑)。
本泉:シシリーは自分が思っていることを相手に伝えるのが苦手な一面もありますが、シンに対する想いが強く、彼が危険な場所に行こうとしているときには「一人じゃ大変」とハッキリと言う女の子なので、根底にある意志の強さを出せるように演じました。
あと、私自身はお嫁さんにするならマリアだな、と思っています。彼女には裏表がないですし、お父さんのような一面も持っているので、とても頼もしいんです!
若井:ありがとう。うれしい! シシリーが「ザ・王道ヒロイン」のような女の子なので、マリアに関してはある程度自由に演じてもいいのかな? と思いながら臨みました。結果的にすごく魅力のある女の子になったかな、と感じています。人物たちの成長や友情をテーマにした物語も見どころですね。
――今作には、みなさんの大先輩もキャストさんもたくさん出演されています。アフレコ現場の様子をお聞かせください。
小林:アフレコ現場で最初に聞いたのが、「賢者の孫」はコメディ作品だということです。それを一番最初に手本として見せてくださったのがマーリン=ウォルフォード役の屋良有作さんでした。シンを想って、マーリンが大泣きするシーンがあるのですが、それが……とても愛おしいんです(笑)。演じる上での指針を作ってくださった気がして、とてもありがたかったです!
若井:すごく和やかで楽しい現場です。そう言えば、ゆっけ(小林)さんとユリウス役の河本(啓佑)さんがイギリスに行った際にクッキーと紅茶を買ってきてくださったんです。アフレコは午前中からなのですが、とても優雅なティータイムでした!
――若井さんはi☆Risのメンバーとしてオープニングテーマも担当されています。
若井:「アルティメット☆MAGIC」というタイトルなのですが、「究極の魔法」という直訳通り、シンプルにシンのことを表しています。明るい曲調で、作品の世界観にも合っていますし、シンとシシリーの恋のゆくえなどをストレートに歌っているところも特徴的です。覚えやすいメロディーになっていますので、みなさんにもぜひ覚えて歌っていただきたいです。
――「賢者の孫」という作品にちなんで、おじいさんやおばあさんにまつわる思い出があれば教えて下さい。
小林:実は僕、20代中盤までおばあちゃんからお年玉をもらっていたんです。今思うと、もしかしたら自分が声優を目指しているのを知っていたから「頑張りなさいよ」という応援の気持ちを込めて、くれていたのかもしれないですね。ある正月、おばあちゃんに「もうお年玉はいらないよ。いままでありがとう」と逆にお年玉を渡したら、大泣きされてしまって……。焦りました。あのとき初めて、親孝行ならぬ「おばあちゃん孝行」ができたな、と思いました。
小松:すごいいい話じゃないですか! プレッシャーかかるなぁ。僕は昔、おじいちゃんと一緒に栄養ドリンクを水のように飲んでいたことがありまして……(笑)。大人になってから仕事場で飲む機会があったのですが、みんな当然のように1本しか飲まないんですよね。そこで「ああ、栄養ドリンクって、がぶがぶ飲むものじゃないんだな」ということに気づきました(笑)。
本泉:私の小さいころは学校が終わったら祖父母の家に帰っていたのですが、ひなまつりの時に毎年ひな人形の前で記念撮影をしていたんです。中学に上がるくらいのタイミングだったかと思うのですが、撮った写真をカメラ屋さんで現像してもらったところ、連続して撮った写真のなかにある白い「もや」が少しずつ移動していたんです。そこで「人形って生きてるんだ」ということに気づきました。
小林:それ、ホラーの話じゃん(笑)!
若井:私の実家ではリオ君という名前の犬を飼っていたのですが、おじいちゃんだけなぜか黒田官兵衛と呼ぶんです。なのに、一番言うことをきくのがおじいちゃんという……。複雑な気持ちでした(苦笑)。ほかにも机の上に置いてあったドッグフードを食べてしまったり、すごくおちゃめなおじいちゃんでしたね。
――最後に、本作の見どころを改めてお願いします。
小林:スタッフさんが魔法のエフェクトや表現にこだわっているのが伝わってきます。シンと魔法学院の生徒たちのレベルの違いのをどのように表現しているのかに注目していただきたいです!
小松:原作ファンの方はすごく気になっていると思われる、とある「名言」をゆっけさんがどのように言っているのかにご注目ください。シンのことがますます好きになるんじゃないかと思います(笑)。
本泉:ファンタジー作品が好きな人もそうでない人も、身構えずに観られる作品ですので、ぜひたくさんの人にご覧になっていただきたいです!
若井:シリアスなシーンもありつつ、最終的には笑って終わるようなお話になるのが『賢者の孫』の魅力だと思います。たくさん笑ってください!
【取材・文:佐伯敦史】