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好評のうちに2年目に突入した「ゲゲゲの鬼太郎」第6期。やっぱりいつの時代も「鬼太郎」は強い! そこで鬼太郎を演じる沢城みゆきさんと、ねこ娘を演じる庄司宇芽香さんの対談をお届けします。 ――石動零、大逆の四将と、2年目もトピックに事欠かない「ゲゲゲの鬼太郎」ですけど、やっぱりこねこ娘のインパクトがすごかったなと。 庄司 私も驚きました。台本を読んだときに初めて知ったというか、まず台本をいただいたことで「あっ、もう出るんだ!?」みたいな(笑)。 沢城 だって消えてたもんね。 庄司 そうなんです、完全に魂まで消えたって言われてたじゃないですか。「でもまぁ、わりとすぐめに帰ってくるんじゃない?」とか、スタッフの皆さんも漠然とした感じでしか教えてくれてなかったんですよ(笑)。だから台本を読み進めていって、最後に「え~~~!」って。まなの叫びは、イコール私の叫びでした(笑)。 沢城 現場でも台本が配られるとき、スタッフさんが「はーい、庄司さんが戦慄してるであろう台本でーす」って配ってたから(笑)。 庄司 もうね、やってくれたなって感じですよ! ――しかし、これまでのクールビューティな感じからは対象的な……。 沢城 (ささやき女将ばりのウィスパーボイスで)「すごくかわいかった!」って言ってあげてください! ――あっ、すごくかわいかったです! 庄司 もぉーーー!!!(笑)(一同笑)。 沢城 や、みんなで「すごいかわいいよ」「かわいいってば!」って言ってるのに、「自分には絶対できない!」っていうオーラをばんばん出しながら、冷や汗もかきながらやってたんですよ。 庄司 1年間やってきたのに、ここに来て仕切り直しというか、新たな第1話って感じの収録でした……。まったく新しいキャラクターくらいの気持ちで挑みましたね。でもこねこちゃんには、スタッフの皆さんの愛が絵からあふれんばかりに注ぎ込まれていてすごかったです。 沢城 かわいかった! ず~っと動き回ってましたもん。 庄司 いっぱい枚数使ってもらえてよかったねぇって(笑)。あと、小さい子と鬼太郎の絡み自体が楽しかったです。 沢城 そうだね、そうだよね! ふだん見られない顔でしたね。こねこ娘の登場によって、6期の鬼太郎も完全にヒーローになったなと思いました。小さい子を抱えながら、もう戦意喪失した相手を倒した零に対して、「そこまでする必要はなかったろう!?」なんてタンカまで切っちゃって、完全に正義のヒーローじゃん!(笑) 庄司 サイズ的に、あんなふうに抱きかかえられることもなかったですしね。 沢城 なんなら復活早々、こっちが抱きかかえられてたもん。しかも、お姫様だっこ(笑)。 庄司 家で笑っちゃいました。そんなカッコいい再登場の仕方ある? ねこちゃん、そういうところだよって(笑)。 沢城 あれが鬼太郎への愛の最終形態だってことも分かるんだけど、とにかく彼女は表現の仕方が男前すぎるんだよね。 ――意外とすぐ戻っちゃいましたけど、もう少しこねこのままでもおもしろかったかもしれませんね。 庄司 庄司宇芽香的には、ちょっとホッとしてます(笑)。でもまぁ、ずっとこねこのままということになっても、それはそれで全力で挑むのみですけど。 沢城 宇芽香ちゃん自身も男前なんですよね(笑)。そういえば「鬼太郎」が表紙の雑誌を見て、うちの主人が「前から思ってたんだけど、ふたりとも顔が似てるよね」って言ったんですよ。確かに宇芽香はねこ娘に、(藤井)ゆきよちゃんはまなに顔が似てる。私は……似てるのかな? 庄司 そっくりですよ。 沢城 えっ、それはもしかして褒めてくれてる?(笑) 庄司 もちろん、褒めてます! 見た目というより、まとっていらっしゃる空気が鬼太郎です。 沢城 まぁ、理屈っぽいというか、理屈っぽくあろうと試みる部分は似てるかな?(笑) あと、これまで見てきた立派な鬼太郎像の影響もあって、どこかで鬼太郎は失敗しない男の子なんだって思い込んでるところがあったんですけど、1年目のラストでそうじゃないのかもって気づいたんですよね。彼も普通に間違うし、とまどうし、別に立派じゃなくていいんだなって思ってから、少し自分に近づいてきた気はします。 ――なるほど。では、せっかくなので最後に妖怪の話も聞かせてください。これまでで最もヤバい!と思われた妖怪は? 「ヤバい」という言葉の解釈はお任せします! 沢城 え~、ありすぎる……。 庄司 個人的に好きだったのは、さら小僧です。あの回は、脚本を書かれた方自身がお笑い芸人をやられていて……伊達さんでしたよね。 沢城 そう、「伊達さん」さんね(笑)。 庄司 私も芸事をしている者として、すごく身につまされるというか、「ウッ」とくる言葉もあったりで印象深いお話です。あと、さら小僧役の松野太紀さんがスゴかった。本当に……あの、すごく妖怪だと思いました(笑)。 沢城 語彙力!(笑) でも、そうとしか言いようがない素敵さだったなぁ。それに「鬼太郎」の原液みたいなものという意味では、終戦記念日の付近で放送した「妖花の記憶」も印象深いお話だったし、挙げていったらキリがないよね。 ――じゃあ、こいつなら自分でもなんとかなるかなぁみたいな妖怪は? 沢城 豆富小僧! 「僕は豆腐を持ってるだけの妖怪なのら」って!(笑) あの子がいじめられてるとき、本当にあいつらやっつけてやろうって思ったもん。 庄司 私はすねこすりかな。私の気力を吸って、どんどん太っちゃえばいいと思います(笑)。 沢城 すねこすり、確かに歴代妖怪トップクラスのかわいさだよね! 庄司 実際に猫を飼っている方が描かれてたみたいで、本当に動きの表現がすばらしかったです。そうそう、猫ってこうだよね!って感じで。とんでもないトラウマ回だけど(笑)。 沢城 あと、トイレの花子さんにも会いたい。子供のときは、顔の見えない怖い霊がトイレのいちばん奥にいるんだなっておびえてたけど、あんなにかわいいならそろそろ会ってもいいかな(笑)。 庄司 妖怪の話は本当に尽きないですね~。 沢城 尽きない! 2年目も、いろんな妖怪が出てきますから。まだまだこんなにやることがあったのかって、本当にまったく勢いが衰えませんので、引き続き楽しく見ていただけるのでは……って、ちょっと自信ありすぎますかね?(一同笑) 【撮影:野口彈/取材・文:ガイガン山崎】
鬼太郎役・沢城みゆきさん(右)と、ねこ娘役・庄司宇芽香さん (C)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション