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原作誕生から25年、今年1月に完全新作アニメとして復活した「魔術士オーフェンはぐれ旅」。第1期ではオーフェンの師チャイルドマンの死の真相が明かされ、オーフェンは事件の発端となった義姉アザリーを追い、大陸北の都市キムラックへ旅立った。
第2期「キムラック編」の放送は1月からと、まだ少し先ですが、それに先駆け、新キャラクターのひとりである女剣士メッチェンが公開に。今回はこのメッチェンを演じる鬼頭明里さんに、作品参加への気持ち、メッチェン役決定の秘話などをうかがいました。
――メッチェン役に決定したときの心境、オーディション時のことから教えてください。
鬼頭 実は私、メッチェンはオーディションで受けてはいないんです。実は別のキャラクターで受けていて。2期発表のタイミングでメッチェン役の決定をいただいて。なので、「え、メッチェン?」という、嬉しさと驚きの入り混じりでした。
――メッチェンは見るからに勇ましい女性。オーディションのとき、そういうキャラクターを見せたのですか?
鬼頭 メッチェンはどんなキャラクターなんだろうと調べたら、格好よくて、勇ましくて!なにより、今まで私が演じたことのないタイプだったので余計にびっくりだったんです。
――実際にメッチェンのアフレコに入って、監督の浜名孝行さん、音響監督の平光琢也さんからはなにか説明はありましたか?
鬼頭 お芝居に関しては、声の感じはいいんだけど、当て方が強くて男の子っぽくなりすぎだから、もう少し大人な女性の雰囲気で、という指摘をいただいたぐらいです。
――原作や台本をお読みになってのメッチェンへの印象はどのようなものでしたか?
鬼頭 オーフェンと出会ったときは敵意むき出しで、最初は怖い人、なにかたくらみを含んでいる悪いやつかと思ったんですが、読み進んでいったら仲間思いで優しくて、印象はずいぶん変わっていきました。あとはクールで格好いい。本当にしっかりした大人の女性です。なのに高所恐怖症なところもあって、そういうかわいいギャップにもぜひ注目してほしいです。
――メッチェンは第1話からの登場ですよね?
鬼頭 そうです。ある事件があって、オーフェンたちと行動を共にすることになります。メッチェンはキムラック教の死の教徒のひとりで、「キムラック編」のドラマに関わる重要なキャラクターでもあります。
――原作ファンは承知でしょうが、「キムラック編」になると世界に隠されていた謎が語られだし、一気に世界観が広がっていきます。
鬼頭 そうですね。壮大なお話になっていって、アザリーの目的も気になるところです。キムラックに来てなにをしようとしているのか。けっこうシリアスな話ではあるんですが、『オーフェン』らしくコミカルな部分も多くて、ドーチン、ボルガンの漫才コンビは相変わらず楽しいです。出てくると場が和みます(笑)。
――自粛期間は明けましたが、アフレコは大変だとお聞きしています。『魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編』はどのような形で録られているのでしょうか?
鬼頭 今は個別に録っていて、多くても3人でのブース入りです。アフレコが再開したのは嬉しいですが、やっぱり掛け合いって大切だなと痛感しています。
――やりにくいですか?
鬼頭 やりにくいというより、お芝居への入り方なんです。相手がそうくるなら私はこう受ける、そういうテンションならこう返す、とか。お芝居って阿吽の呼吸で成り立っていて、それができないのは厳しいです。掛け合いができていたら、もっと生き生きとできるのにって。個別だと自分が出るシーンだけの録りで、全力でやってはいますけど、1話全体の雰囲気が掴みにくい時もあるんです。
――オーフェン役の森久保祥太郎さんとはお会いできているんですか?
鬼頭 はい。ご一緒させていただきました。私は2期からの参加だし、自粛明けのこういう形でのアフレコだったので、正直不安もあったんです。でも、すごくなごやかに、温かく迎え入れてくださってうれしかったです。
――鬼頭さんは、自粛期間中はどのように過ごされていましたか。なにか新しいことを始めてみたりとかは?
鬼頭 ずっとゲームしてました(笑)。それと、虹プロジェクトを!
――虹プロジェクト、ハマっている方が多いですね。どういうところに夢中になるんですか?
鬼頭 みんなかわいくて、一生懸命で、応援したくなるじゃないですか。歌もダンスもできて、スタイルもよくて、ホントすごいです。それと、J.Y.Parkさんの言葉が響くんです。私も歌って踊ってというお仕事があるので、見ていてすごく身につまされるんです。もう感情移入しまくりです(笑)。自分が参加者だったらどうしていたかなって、そういうのを考えながら見るのも楽しいんです。
――では最後に、放送を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
鬼頭 1期はテレビで見ていて、今度はその世界に自分も参加できていることがうれしいです。メッチェンは物語にがっつりかかわってくるキャラクターなので、オーフェンたちとメッチェン、それぞれに注目しながら『オーフェン』の世界を楽しんでください。
【取材・文:鈴木康道】