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『半妖の夜叉姫』は、高橋留美子原作の大人気アニメ『犬夜叉』に登場した犬夜叉とかごめ、そして殺生丸の娘たちが主人公の物語。幼い頃に邪神・焔が起こした火事のせいで、離れ離れになった半妖の双子・とわとせつな。現代にタイムスリップしたとわは、かごめの弟・草太の日暮家で娘として育てられ、武道に長けた少女に成長します。一方、戦国時代に残されたせつなは妖怪退治屋の頭となった琥珀のもとで、仲間とともに妖怪退治を生業として暮らしていました。
ある日、せつなは 〝化け殺しのもろは〟と呼ばれる賞金稼ぎの半妖の少女とともに、彼女たちが持つ「虹色真珠」を狙う妖怪・三つ目上臈と戦っていた。その最中に時空を越える時代樹のトンネルが再び開き、2人は現代にタイムスリップ。そこで現代を生きるとわと再会しましたが、せつなは「夢の胡蝶」に夢を奪われたせいで、幼い頃の記憶を失っていました。
せつなの記憶を取り戻すために、とわも2人とともに戦国時代へ。そして「夢の胡蝶」を探す旅のなかで、自分たちの出生の秘密と、世界を脅かす大妖怪・麒麟丸の存在を知ることに……。ついに明らかになった、とわとせつなの母親、そして犬夜叉とかごめの行方。大きな転換期を迎えた物語について、半妖の夜叉姫を演じる3人にお話を伺いました。
ーー皆さん揃って『犬夜叉』の大ファンだったとのことですが、その新しい物語である『半妖の夜叉姫』の魅力を教えてください。
松本:『犬夜叉』にもあった、現代と戦国時代を行き来するという描写が受け継がれているところですね。『犬夜叉』を知っている方はより楽しめますし、『半妖の夜叉姫』はとわのいる現代から物語が始まるので、初めてこの作品に触れる人にも、タイムスリップして戦国時代に行くというシチュエーションが、わかりやすいと思います。登場人物も魅力的で、それぞれ背負っているものがあり、関係性が複雑に絡み合っています。それを自分なりに紐解いて、キャラクターの行動やストーリーを照らし合わせて考察するのが楽しいです。
田所:実は私たちも、先の展開を知らない状態で演じていたので、とわとせつなのお母さんは誰なのか、すごく妄想が膨らみました(笑)。もろはについては、最初の設定から犬夜叉さんとかごめさんの娘だというのが明らかになっていたので、両親の面影を受け継いだ容姿を見て、すごく感慨深かったです。いちファンとして、両親と離れ離れになってしまった3人が、どんな人生を送っていたのかがだんだんと明らかになっていくのが、おもしろいです。あとは、悪役がみんな美しいことですね。特に麒麟丸様。
小松:「様」がつくんだね(笑)。
田所:一瞬で好きになっちゃいました(笑)。見た目もそうですが、もっと人物像を知りたいと思うから、早く物語の先が見たくなるし、謎があるからこそ見逃せないんです。そんな風に物語の世界に入り込めるところが、魅力だと思います。
小松:『犬夜叉』を見ていた世代からすると、犬夜叉たちがいない世界というのが不思議な感覚なんです。3人の娘たちが妖怪退治をしながら、自分たちの出生の秘密を知っていく謎解きがストーリーの軸になっていますし、チームで行動する3人の掛け合いが愉快なところも見どころのひとつですね。妖怪が当たり前に存在していて退治しなければ命が脅かされるという、ある意味、犬夜叉ワールドの日常が垣間見えるのも、魅力なのかなと思います。妖怪退治をしてお金を稼がないと、ご飯を食べるのにも苦労するというのも現実感があって。そして要所要所で匂わされる、犬夜叉と殺生丸の存在が病みつきになると思います。
松本:そうなんですよ。そろそろ『犬夜叉』要素がほしいなと思うタイミングで、回想が入るのがいいんですよ。
ーー現在までに放送された第15話で、考察の的だったとわとせつなの母親の存在や、なぜもろはが両親と一緒にいないのかという謎が明らかになりました。第1話から振り返って、印象に残っているエピソードは何ですか?
松本:私は物語がひとつ大きく動いたキッカケになった第14話『森を焼いた黒幕』です。とわとせつなが生き別れになった元凶と対峙して、腸が煮えくり返る思いをしたのですが、焔が自ら命を絶つとき、収録中にじーんと感動して動けなくなってしまって。せつなに「しっかりしろ!」と呼び戻される感覚が今でも忘れられないくらい、強く印象に残っています。焔の後ろに黒幕がいて、しかもその隣りに父である殺生丸がいるというシーンは、衝撃的でした。お父さんはいったい何がしたいの? それがわからないから私たち娘も悩むんだよ! と思いました。あとこの焔の一件で、とわとせつなの距離感が変わってきたことも、大きいですね。
田所:私はやっぱり、第15話『月蝕、運命の惜別』で犬夜叉さんとかごめさんに起きた出来事が描かれたのが、演じている私自身にとっても重要なエピソードになりました。かごめさんが泣きながら、もろはのおでこにキスをして「本当にいい子よ」と言ってくれて。声も愛情もたっぷりで本当に感動したし、2人はちゃんと愛情を注いでくれていたんだというのがわかって、うれしかったです。
小松:私は、半妖という存在で気になっていたことが解消された、第12話『朔の夜、黒髪のとわ』と第13話『戦国おいしい法師』です。特にせつなが妖怪化する血のたぎりを抑え込んでいたのが、弥勒だったことにびっくりしました。やっぱり弥勒は強かったことを実感したし、弥勒が何をしていたかも明らかになったので、物語が大きく動いたエピソードだと思います。
ーー今後、描いてほしいエピソードはなんですか?
松本:また3人で現代に行きたいですね。
田所:おじいちゃんたちに会いたいです!
小松:私は3人で学校に行ってみたいな。せつなともろはの制服姿を見てみたいです。
【取材・文:中村美奈子】