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「ガールズ&パンツァー」や「モンスター娘のいる日常」でおなじみの声優・中村桜さん。「ガルパン」に出演する前から大のミリタリー好きで、ホビー誌で戦車系プロモデラーとしても活躍中ですが、そんな中村さんがオススメするミリタリーソングを集めたCD「中村 桜オススメのみりそん!」が発売になりました。
収録されているのは、日本の軍歌20曲。CDには、中村さんが軍歌を好きになったきっかけや曲の印象などを語ったナレーションの他、ボーナストラックとして本人が歌う「空の神兵」が収録されています。また、ブックレットには全曲に本人による解説コメントもついていて、中村さんの軍歌に対する思い入れが詰まった1枚になっています。
1月30日(土)には、CD発売記念インストアイベントを都内3か所で開催。それぞれ別の内容で、のべ200名のお客さんが来場しました。今回はその一部をレポートします。
■聴き比べよう みりそん編
同CDはハイレゾ版として、配信可能な楽曲をリリース。新宿の「サブカルカフェ&バーNewType新宿」では、「聴き比べよう みりそん編」と題し、そのハイレゾ音源と通常のCD音源の聴き比べが行なわれました。
キングレコードが権利を持つ軍歌では初のハイレゾ版ということで、まだ誰も聴いたことのない未知のサウンド。期待が高まる中、中村さんと、監修を担当した後藤修一さん、鈴木貴昭さん、吉川和篤さんの計4名が登壇しました。
最初にかけられた曲は、鈴木さんが選んだ「雪の進軍」。CD版のあとに流されたハイレゾ版は音が非常にクリアで、目の前にあった幕が外されたかのよう。音が太くかつ繊細で、音の生っぽさや伸びが違い臨場感は絶大で、中村さんは「平面で鳴っていたのが立体的に感じられる」と表現していました。
一方、吉川さんが選んだ曲は「若鷲の歌」でしたが、こちらは残念ながらCDのみの収録とのことで聴き比べはできませんでした。アカペラで歌った音源からの収録のため、このCDで唯一の肉声のみの歌で、歌っているのは元予科練の方々だそうです。
そして、後藤さんが選んだのは「愛国行進曲」。音源となったのは、古いマスターテープで、昭和40年代のレコードに使用したアナログテープからの収録とのことですが、そんな古さは微塵も感じられず、登壇者全員が声の伸びやハリ、生っぽさが違うという意見で一致していました。
最後は中村さん。自分で歌った曲がどう違って聴こえるかを知りたいということで、「空の神兵」をチョイスです。聴き比べた結果は、本人いわく、息づかいの強弱がわかるような気がするとのことでした。
イベント中は、後藤さんと鈴木さんが「中村桜があなたのお家に来ます」「あなたの耳元に中村桜が」とコメントして笑いを誘っていましたが、これは言い過ぎでも何でもなく、ハイレゾ対応ヘッドホンを使えば息づかいを間近に感じられること請け合いです。
その他、日本と諸外国の軍歌の違いや昔の特撮番組の主題歌との相似など、軍歌に関する濃いトークをするうちに、あっという間に終了の時間を迎えました。
■みんなで歌えや! みりそん編
次の「AKIHABARAゲーマーズ本店」では、「みんなで歌えや! みりそん編」を開催。ここでは、中村さんと監修の方々がミリタリーソング愛についてアツいトークを展開しました。
好きな軍歌を聞かれた中村さんは、聴けば聴くほどいい歌として「月月火水木金金」をプッシュ。そして、世界各国の歌なら「パンツァーリート」がダントツ1位で、フィンランドの「モロトフは駄目だ」もかわいくて好きだそうです。
ここで軍歌の替え歌や他国語版の話になり、「パンツァーリート」は戦後にイタリアで「フォルゴーレ」という替え歌が作られ、それがなぜか戦車ではなく空挺の歌だったとか、フランス外人部隊に元ドイツ兵が入ったためフランス語版ができたなど、濃いうんちく話が展開されました。
そして、後藤さんのイチオシはドイツの「エリカ」で、曲は勇ましいけど女の子のことしか言ってないところがお気に入りだそう。これもフィンランドやその他いろいろな国で、“エリカ”という名前を別の名前に変えて歌われたそうです。
続いて、吉川さんが好きなのは先ほども出てきた「フォルゴーレ」。空挺の歌として「空の神兵」に匹敵するような歌とのこと。イタリアも日本と同じく戦時歌謡のような歌が多く、戦隊モノっぽい曲調の歌もたくさんあるのだとか。また、“潜水艦”という意味の「ソンメルジビレ」は、「超変な歌なので必聴です」と強調していました。
話は、やる気を出したい時に軍歌を聴くという中村さんは、趣味が高じてインディーズ盤で軍歌のCDを3枚も出しているという話題に。壇上で出た、イタリアとドイツの軍歌を今風にアレンジして中村さんに歌ってほしいと言われると、会場からは拍手が巻き起こりました。また、戦車編や艦艇編、航空機編、銃後編などジャンル分けしてシリーズ化したいとか、艦歌や個人の歌などはレコード化されていない物がほとんどなので、そういった歌も忘れ去られる前にCD化したいといった話も飛び出し、会場を沸かせていました。
そのあとも、ドイツやイタリアの軍歌事情や各国の軍歌の特徴など、軍歌に関する興味深い話が続き、シメは生歌ライブとなりました。中村さんが「空の神兵」を歌う時に、「ブックレットを見ながら一緒に歌って」とみんなを煽り、まさに“みんなで歌えや!”状態に。最初は、遠慮がちだったお客さんたちも最後は合唱。歌い終わった中村さんの「みなさん、お見事!」の声で大きな拍手が沸き起こり、サイン会&握手会でアツい1日が終了となりました。
このCDを聴いた人は、カラオケで軍歌、特に「空の神兵」を歌いたくなること請け合いです。聴いて歌って、“みりそん”を楽しんじゃいましょう!