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5月6日(金)から全国公開される劇場アニメ「亜人」3部作の第2部「亜人 -衝突-」。今回、永井圭役の宮野真守さんと中村慎也役の梶裕貴さんに、「亜人 -衝突-」と、5月6日(金)頃発売の原作コミック第8巻DVD付き限定版(以下、8巻限定版)に収録されるアニメ「中村慎也事件」について話を聞きました。2人の主人公には、どのような想いが込められているのでしょうか…?
――いよいよ第2部の公開と8巻限定版の発売を迎えます。今の心境はいかがでしょうか
梶:原作を読んで本当に面白くてドキドキして、「この先どうなるんだろう?」と、すごく先が気になる作品だと思っていました。そして、何かしらの形で関われたら役者として楽しいだろうとも思っていたので、今後のキーになる可能性がある中村慎也というキャラクターを任せていただけたのは、とても嬉しいです。まずは、この「中村慎也事件」をご覧いただいて、「亜人」の隠された物語を知っていただければ。そして、もし彼が再登場した時には、本編の皆さんと一緒にお芝居する機会があれば嬉しいです。
宮野:収録が始まった当初から、スタッフ・キャストの皆さんと密なコミュニケーションを取って作ってきた作品です。僕らだからこそできたチャレンジを、ふんだんに盛り込むことができたと感じています。そのひとつがプレスコ(※プレスコアリングの略。台詞や音楽を先行して収録して、後から絵を作成する)という方法で、監督陣が、僕らの間合い、そして細かな息づかいまで取りこぼさずに使いたいとおっしゃってくださったんです。ですから、アフレコとは違うキャスト同士の空気感が、この「亜人」ならではの演出として取り入れられていると思います。みんな一緒に一丸となって作ったという気持ちが本当に強く、そういう作品を届けられるというのは本当にありがたく、また嬉しいです。
――プレスコで中村慎也を演じてみた感想はいかがでしたか
梶:さまざまな制約を気にせずにお芝居をさせていただける環境というのは、なかなかない機会です。本作のように会話が大切な作品で、自分の心の動きやテンポに合わせてお芝居ができるというのは本当にありがたかったです。こんなに自由に演じさせていただいて、後々映像を作るのが大変なのでは…と思うくらい、自由に演じさせていただきました。
――演じるにあたって、何か瀬下総監督からアドバイスやリクエストはありましたか
梶:付属DVD「中村慎也事件」は1話で完結しているエピソードなので、僕が原作を読んで感じた中村慎也というキャラクターをそのまま表現させていただいたんです。まだ慎也のバックボーンなどは語られていないので、あのような状況に陥った人間が、どういう感情でどうリアクションするのかを軸に、お芝居させていただきました。それがスタッフの皆さんが思い描く慎也像とうまく合致してくれたようで、特に具体的な演出などはなくOKをいただけました。
――「亜人 -衝突-」ではお話が大きく動きます。圭の心情もずいぶん変化したと思いますが、一番変化したところはどこでしょうか?
宮野:一番大きいのは自分が亜人であることを“受け入れた”ということでしょうか。第2部で「なんで僕が…」という、印象的に響いてくる言葉があるんですが、本当にそう感じるんです。理不尽なんですよね。その理不尽さを第1部では受け止めきれず心を乱し、それが画面からみなさんに伝わったと思います。それが第2部では亜人という状況を受け入れた圭が表現されているので、印象が変わったと感じる方がいらっしゃるかもしれません。でも、それは物語の流れでそう見えるだけで、第1部も第2部も圭の本質なんだと思います。
――公開が迫り、ファンの皆さんの期待も高まっていると感じます。
宮野:今回の作品は、第3部への期待がすごく高められる作品になっていると思います。同じ亜人がテーマですが、第1部とはまったく違う表情を見せつけられたんですね。完成されたものを拝見した時、こんなにも違う見せ方ができるのかと衝撃を受けました。原作とは違うアニメとしての方向性、特にオリジナルキャラクターたちは興味を引かれる部分だと思います。ですので、第2部を見てしまったら、第3部を期待せざるを得ない。僕自身、第3部への期待がとても高まっています!
劇場アニメ「亜人」3部作の第2部「亜人 -衝突-」、そしてアニメ「中村慎也事件」が収録される原作コミック第8巻DVD付き限定版は、共に5月6日(金)に公開・発売です。【取材・文=小川陽平】