「サクラ大戦」シリーズ四半世紀の歴史を奏でる夕べ！『サクラ大戦25周年オーケストラコンサート』レポート

2021年7月28日(水)、東京・Bunkamuraオーチャードホールで、セガがリリースする人気シリーズ「サクラ大戦」初のオーケストラコンサート『サクラ大戦25周年オーケストラコンサート ～田中公平作家生活40＋1周年記念～』が開催されました。

指揮・宮松重紀さん、演奏・東京フィルハーモニー交響楽団によって、シリーズの楽曲を手がけてきた田中公平さんによる選りすぐりの楽曲が奏でられた一夜限りのスペシャルコンサートのレポートをお届けします。

田中さんがこの日のために編曲した「新サクラ大戦」のメドレーとなる1曲目『新サクラ大戦序曲』の演奏が終わるとMCを務める田中公平さんと、「サクラ大戦3 ～巴里は燃えているか～」のメインヒロインであるエリカ・フォンティーヌを演じる日髙のり子さんが登場！

田中さんが「本当は去年に開催する予定でしたが諸事情で開催が1年延び、40＋1周年となってしまいました」と挨拶すると、日髙さんは「私も公平さんと同期ですから、今年で40＋1周年なんですよ」とにこやかに続けました。（日髙さんは声優としての活動開始前となる1980年に、アイドルデビューしています）

また、開催日の7月28日は「サクラ大戦」真宮寺さくらの誕生日でもあるということで、日髙さんはそれにちなんだ桜色のワンピースという華やかな装いで登場。足元には、ご自身が演じるエリカのパーソナルカラーを思わせる赤いヒールが煌めきます。

田中さんが台湾でオーケストラコンサートを行った際もピアノを担当したという縁の深いピアニスト・森下唯さんが紹介されると、いよいよ次の演奏に。田中さんが「花組というとつい帝国華撃団ばかりになってしまいがちだけど、今回は巴里と紐育にもしっかりスポットを当てたい」と話すと、巴里華撃団の活躍を描く「サクラ大戦3」から『巴里の恋人たち』、『巴里華撃団、デビュー！』、『道化』、『希望の門～リボルバーカノン起動』が続けて演奏されました。

「サクラ大戦3」でエリカを演じるだけでなく、ゲーム発売後にはプレイもしたという日髙さんは名曲の数々をひとしきり懐かしがり、エリカの声で「初めて出撃した日のことを思い出しちゃいました！」と笑顔を見せました。その後、「レンガでできた石畳の道を気持ちよく散歩しているようなエリカの姿が思い浮かびます」と感想を続けると、田中さんは「実際にそんな気持ちで曲を書いています。（パリに）ロケハンにも行きましたしね」と答えました。

そして次の演奏は、紐育華撃団が活躍する「サクラ大戦V ～さらば愛しき人よ～」の出番です。田中さんの「紐育華撃団の曲にはドラムが欠かせません」との呼びかけでゲストドラム奏者の岩瀬立飛さんが紹介され、『ネオンの照らす街～リトルシップ・シアター』、『コーヒー・ブレイク』、『紐育華劇団、レディー・ゴー!!』、『恋する紐育』、『地上の戦士（最終決戦バージョン）』が演奏され、会場は巴里を舞台にした「サクラ大戦3」の楽曲が放つ優雅な雰囲気から一転し、ジャジーな装いに包まれました。

さらに田中さんは「ここからは帝都の曲です。作品ごとに、全然違う曲を書かせてもらえました。セガさん、広井王子さん、作品を愛してくださったみなさんには本当に感謝しています」と挨拶し、1幕の最後はメドレー曲である『サクラ色協奏曲』で締めくくられました。

休憩をはさんでの2幕は、劇場版「サクラ大戦 活動写真」の『エンディング』でスタート。演奏後に「『サクラ（大戦）』はいいなぁ、大神！」と、「サクラ大戦」の主人公・大神一郎の親友である月組隊長・加山雄一のような口調で登場した田中さんは、劇場版「サクラ大戦 活動写真」の曲を録音したときはなんとホールに観客を入れたという驚きのエピソードを明かしてくれました。

ゲームやアニメだけでなく、キャストたちがそのまま舞台上でキャラクターを演じる「歌謡ショウ」も盛んに行われてきた歴史を持つ「サクラ大戦」シリーズは、田中さんによれば歌曲だけでも600曲、インスト曲は1500曲近くにも及ぶのだそうです。それゆえに、今回の選曲にもとても頭を悩ませたと語りました。

2幕は歌曲がメインとのことで、続いては田中さんと日髙さんのデュエットで「サクラ大戦3」エンディングテーマの『未来（ボヤージュ）』、田中さんがソロで歌う「サクラ大戦2」の『素晴らしき舞台』が披露されました。

そしてここで、舞台「新サクラ大戦 the Stage」のキャストが登場！　天宮さくら役の関根優那さん、東雲初穂役の高橋りなさん、望月あざみ役の寒竹優衣さん、アナスタシア・パルマ役の平湯樹里さん、クラリス役の沖なつ芽さんが登壇し、「サクラ大戦」と「サクラ大戦2」のエンディングテーマ『花咲く乙女～夢のつづき』を歌いあげました。「サクラ大戦」の花組と、「新サクラ大戦」の花組によるコラボレーションの実現です。

「新サクラ大戦」の世界を歌と殺陣で完全舞台化するライブコンサート『新サクラ大戦 the Stage ～桜歌之宴・彩～』の公演が9月25日～26日に決定し、そのチケットが本日から発売されたことを関根さんが紹介すると、次はゲストトランペット奏者のエリック・ミヤシロさんが登場。「当時、セガサターンで「サクラ大戦」を遊んでいたので、今日は懐かしいメロディばかりです」と「サクラ大戦」プレイヤーの1人であったことを明かすと、関根さんたち花組キャストが歌う『新たなる』、『檄！帝国華撃団＜新章＞』が披露されました。

コンサート最後の曲は「新サクラ大戦」の『ラスボスのテーマ』。会場が当然のように万雷の拍手に包まれると、アンコールの1曲目は日髙さんが「他の巴里華撃団4人の気持ちも背負ってがんばります！」と意気込みを見せて「サクラ大戦3」のOPテーマ『御旗のもとに』を歌いあげました。

アンコールの2曲目は、田中さんが歌う「サクラ革命 ～華咲く乙女たち～」の『誠花よ 夢よ 咲き誇れ』から「サクラ大戦歌謡ショウ 帝国歌劇団・第2回花組特別公演『つばさ』」の主題歌でもある『つばさ～ラストバージョン』へのメドレーが展開！

明るく前向きながらも、郷愁の念も抱かせる『つばさ』のノスタルジックなメロディは、25年の歴史を持つ「サクラ大戦」シリーズがこれからも続いていってくれるという期待をどこか抱かせる、コンサートの締めくくりにふさわしい1曲でした。

『サクラ大戦25周年オーケストラコンサート ～田中公平作家生活40＋1周年記念～』は、イープラスで配信視聴チケットが発売中です。チケットの購入は8月1日(日)23時59分まで、視聴期限は翌日の8月2日(月)までとなっています。詳細はイープラスの配信チケット購入ページでご確認ください。

【「サクラ大戦25周年オーケストラコンサート ～田中公平作家生活40＋1周年記念～」セットリスト】
＜1幕＞
M01.新サクラ大戦序曲（「新サクラ大戦」メドレー）
M02.巴里の恋人たち（「サクラ大戦3 ～巴里は燃えているか～」より）
M03.巴里華撃団、デビュー！（「サクラ大戦3 ～巴里は燃えているか～」より）
M04.道化（「サクラ大戦3 ～巴里は燃えているか～」より）
M05.希望の門～リボルバーカノン起動（「サクラ大戦3 ～巴里は燃えているか～」より）
M06.ネオンの照らす街～リトルシップ・シアター（「サクラ大戦V ～さらば愛しき人よ～」より）
M07.コーヒー・ブレイク（「サクラ大戦V ～さらば愛しき人よ～」より）
M08.紐育華劇団、レディー・ゴー!!（「サクラ大戦V ～さらば愛しき人よ～」より）
M09恋する紐育（「サクラ大戦V ～さらば愛しき人よ～」より）
M10.地上の戦士（最終決戦バージョン）（「サクラ大戦V ～さらば愛しき人よ～」より）
M11.サクラ色協奏曲（「サクラ大戦」メドレー）
＜2幕＞
M12.エンディング（劇場版「サクラ大戦 活動写真」より）
M13.未来（ボヤージュ）（「サクラ大戦3 ～巴里は燃えているか～」より）
M14.素晴らしき舞台（「サクラ大戦2 ～君、死にたもうことなかれ～」より）
M15.花咲く乙女～夢のつづき（「サクラ大戦」「サクラ大戦2 ～君、死にたもうことなかれ～」より）
M16.新たなる（「新サクラ大戦」より）
M17.檄！帝国華撃団＜新章＞（「新サクラ大戦」より）
M18.ラスボスのテーマ（「新サクラ大戦」より）
＜アンコール＞
M19.御旗のもとに（「サクラ大戦3 ～巴里は燃えているか～」より）
M20.誠花よ 夢よ 咲き誇れ～つばさ ラストバージョン（「サクラ革命 ～華咲く乙女たち～」「サクラ大戦歌謡ショウ 帝国歌劇団・第2回花組特別公演『つばさ』」より）