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「魔女の旅々」リレーインタビュー 原作・白石定規「キャストさんのおかげでさらに魅力的に!アニメの放送も本当に楽しみです!」

あてもなく、気ままに諸国を旅する少女・イレイナ。行く先々でさまざまな文化や慣習に触れ、幾多の人と出会いを果たしますが、旅人である彼女は決して一か所に留まることはなく、再び旅の途へと戻っていきます。これはまだ若き魔女の、出会いと別れの物語――。

2020年10月2日(金)よりTOKYO MXほかにて放送開始となる「魔女の旅々( 「魔女旅」) 」は、原作・白石定規さん、イラスト・あずーるさんによる同名の連作短編式ファンタジーノベルを原作としたTVアニメです。WebNewtypeではそんな本作の魅力を掘り下げるべく、スタッフやキャスト陣へのリレーインタビューをお届けしていきます。連載第1回は、原作の白石定規さんにお話をうかがいました。

――まずは、作家を目指したきっかけを教えてください。

白石 小さいころからクリエイターに憧れがありまして、小学生のころは漫画家になるのが夢でした。漫画が好きだから将来は漫画家になろうという、シンプルな動機ですね(笑)。

しかし、中学に上がる頃には「自分にはどうも絵の才能がないぞ」ということに気が付きまして。それならば活字はどうだろうと、次に小説めいたものを書いてみたんですよ。そうしたら、それが存外に楽しくて。そこから小説を書くようになったのがきっかけです。

――最初に書いたのはどのような物語でしたか?

白石 初めて小説を書いたのは中学2年生で、孤島で殺人事件が起きるというミステリーでした。我ながら、あまりおもしろい話ではありませんでしたけれど(笑)。

――そうして作家を目指すようになったのですね。

白石 はい。とはいえ、中学生なりにクリエイターというのは安定しない職種だというのも分かっていましたので、ここから10年。24歳までは作家を目指してがんばって、それでプロデビューできなかったらきっぱりと諦めて普通の人生を歩もうと決めていました。

そうして作家になる努力を続け、20歳くらいの頃に書きあげた長編をGA文庫の新人賞に応募しました。この作品は「魔女旅」ではなかったのですが、主人公のイレイナがヒロインとして登場していました。ですが、それも受賞することなく終わってしまいまして。この頃は、自分にはプロデビューは無理そうだな……となかば諦めの気持ちもありました。

――そこから、どのようにして「魔女旅」が生まれたのでしょうか。

白石 作家になれないなら、最後に自分の書きたいもの、やりたいことだけを詰め込んだ作品を仕上げて、それを最後に自費出版しようと思いまして。そうして世に出たのが「魔女旅」でした。

連作短編集という形式にしたのは、その方が手に取ってもらいやすいだろう、気軽に読んでもらいやすいだろうと思ったのが理由のひとつで、もう一つは明るい話と暗い話、両方を書きたかったという思いもあります。

そうして自費出版した「魔女旅」はおかげさまで多くの方の目に止まり、やがてGA文庫さんから書籍化のお話をいただくにいたりました。新人賞に応募したときに、受賞は逃したものの編集さんの目に止めていただけていた、というのもあったようです。

こちらはプロデビューをほとんど諦めていたのに、落選したところから書籍化の話をいただけるとは、なんとも不思議な縁を感じました。

――原作イラストは、どのような経緯であずーるさんに決まったのでしょうか。

白石 あずーるさんの絵は、Pixivなどでイラストを拝見して存じていました。その雰囲気が僕の思い描く「魔女旅」とかなり近く、編集さんが作ってくださったイラストをお願いする方のリストに僕からお願いして入れていただきました。

いざ上がってきたイレイナのイラストは、まさに僕がイメージする彼女そのままで感動したのをよく覚えています。その後も、新刊のたびにあずーるさんにはさまざまなキャラクターを描いていただいていますが、どれもこれもイメージぴったりで、こちらから修正をお願いしたことはまったくないんです。

――特に気に入っているキャラクターはいますか?

白石 やっぱりイレイナが一番ですね! 毎回、あずーるさんが描いてくださる表紙イラストを見るたびに「イレイナかわいい!」と唸っています(笑)。僕は元々銀髪のキャラ、敬語で毒舌をはくキャラが好きでイレイナは好きな要素を詰め込んだキャラなのですが、それをこの上なく理想的な形で具現化していただけました。

イレイナ以外ですと、第8巻に登場するフレデリカですね。片目に包帯が巻かれた女性キャラなのですが、彼女のデザインを見たときも琴線に触れました。

――それでは、性格や内面を気に入っているキャラクターを挙げるなら誰になるでしょうか。

白石 炭の魔女・サヤですね。ああいう暴走しがちな一面を持つキャラクターは書いていて楽しいということもあり、気に入っているキャラの1人です。アニメ化に先んじて書籍に付属する形でリリースされたドラマCDでは、キャストの黒沢ともよさんのおかげでさらに魅力的になったと思います。そんな黒沢さんのお芝居のみならず、アニメの放送も本当に楽しみです!

――そんなサヤの師匠である魔女のシーラは、魔女帽とマントの下に身に付けているのがブラウス&スラックスと、中世というより近代的なのが印象深いです。世界設定はどのようにイメージされていますか?

白石 街並みは中世風ながら、そこで暮らす人たちは服装も含め近代寄り……というようなイメージですね。新聞が出てきたりもしますし。魔法が実在する架空の世界のお話ですから、四角四面に中世風を追求することもないだろうと考えています。

――イレイナが訪れる、そんなさまざまな街や国で起きるエピソードは、何を起点に考案されるのでしょうか。

白石 調べものをしていて思い浮かんだシチュエーションを膨らませてプロットにすることが多いです。雑学の本を読んでいて何かをひらめくこともあれば、哲学の本を読んでいて思考実験の「テセウスの船」から題材を思いつくこともありました。

また、雑誌の「ナショナルジオグラフィック」を読むのも好きでして、そこに書かれている動物の生態などからアイデアを得ることもあります。ナショナルジオグラフィックは、僕の中でネタを探すのに欠かせないもののひとつですね(笑)。

次回、「魔女の旅々」リレーインタビューの第2回は、TVアニメ放送直前に公開予定です。2回目はあずーるさんにアニメ化を知ったときの気持ちやTVアニメに期待することなどをうかがいます!

■TVアニメ「魔女の旅々」
2020年10月2日(金)よりAT-X、TOKYO MX、テレビ愛知、KBS京都、サンテレビ、BS11にて放送開始予定

10月2日(金)より毎週金曜 22:00~
ABEMAにて地上波先行・独占先行配信決定!

下記サイトでも10月4日(日)以降 順次配信予定
dアニメストア・Netflix・Amazon Prime Video・U-NEXT・アニメ放題・Gyao!・バンダイチャンネル・FOD・niconico・VideoMarket・あにてれ
他にて配信予定


スタッフ:原作…白石定規(GAノベル/SBクリエイティブ刊)/キャラクター原案…あずーる/監督…窪岡俊之/シリーズ構成・脚本…筆安一幸/キャラクターデザイン…小田武士/コンセプトデザイン…内尾和正/アニメーション制作…C2C/オープニングテーマ…「リテラチュア」上田麗奈(ランティス)/エンディングテーマ…「灰色のサーガ」ChouCho(ランティス)
キャスト:イレイナ…本渡楓/フラン…花澤香菜/サヤ…黒沢ともよ/シーラ…日笠陽子 ほか

リンク:TVアニメ「魔女の旅々」公式サイト
    公式Twitter・@majotabi_PR
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